パート先で姫と呼ばれ、日常で貴族ごっこ…不思議な母にネット民が抱腹絶倒!【プリンセスお母さん:並庭マチコさんインタビュー】

#くらし   

お母さんは、プリンセス⁉ 日常生活でお姫様ごっこを繰り広げる不思議な母の日常を描いた実録マンガが大人気! 作者は、漫画家の並庭マチコ(@manga_m)さん。実母の繰り出すエピソードをマンガにしてツイッターへ投稿したところ、思わぬ大反響があり、そこから描きおろしを加えて発売されたのが『プリンセスお母さん』です。発売後即重版となった、今注目すべき作品のひとつです。


出典:プリンセスお母さん


出典:プリンセスお母さん


親子で貴族ごっこ、きれいなホテルは「私の城」。爆笑する巷の反応で、初めて気づいた母のおもしろさ


「プリンセスお母さん」こと並庭“カトリーヌ”ママ子さんは、職場でも「姫」と呼ばれるアラカン。自分だけが姫気分ではなく、周りもちゃんと「他国の姫」と敬う社交性(?)に、「こんなお母さんうらやましい!」との声が続出。

出典:プリンセスお母さん


出典:プリンセスお母さん


作者が散歩に出ようとすれば「民の様子をごらんになるの?」と、姫ワールドでお見送り。推しはポール(ビートルズ)なので、英国は「嫁ぐはずだった国」。お母さんのフリーダムすぎるふるまいに、ネット民や読者はすっかり虜に。なかには、家族とのLINEトークが姫仕様になるという姫化現象もあるようです。今回はそんな姫ワールドを世に送りだした並庭マチコさんに、お話を伺いました。面白いだけでなく人生のアレコレを考えてしまう、あたたかいメッセージを皆様にお届けしていきましょう。

並庭さんのお話を伺い、まず驚いたのは「うちの母は変わっている」という認識を持っていなかったこと。

「母のことは『ちょっと変わっているな』と思っていた程度なんです。ですから、ネットでこんなに反響をもらうほどとは、思っていませんでした。ところが母をマンガに描き続けるうちに母の行動や言動を掘り下げる機会が増えていき、本人にもいろいろなことを聞くと予想を超える言葉がどんどん出てくるんです。ですから最近では『変わった母』という認識は、じわじわ強まりました」

「へんなことをしているのは元気な証拠」娘である作者の、やさしいまなざし


出典:プリンセスお母さん


出典:プリンセスお母さん


ーー表題でもある「プリンセス」ごっこ以外にも、醤油さしの気持ちを代弁したり、奇声を発して階段を登ったり、とにかくフリーダム! 作品のなかでは、つっこみつつもそんな母親を受け入れ、家族が仲良く過ごす光景も登場しています。「うちの母はどうしてこうなの⁉」とネガティブにならず、上手に受け入れるコツなどはあるのでしょうか?

「実は、特に受け入れているという自覚はないんですよ。逆に母が静かな時というのは、元気がなかったり機嫌が悪いときですので、ユニークなことをしているのは母が元気な証拠。変わったことをしているときはむしろ安心しますし、こちらの気持ちも明るくなるので、感謝しています」

ーーご家族以外の方、例えば並庭さんのお友達はどんな反応ですか? また、並庭さんの反抗期も、変わらずプリンセスごっこをしていたのでしょうか?

「友人たちは『かわいらしい』『お茶目』などと言ってくれることが多いです。反抗期……は、反抗期の問題以前に私は幼いころから頑固だったもので、母を困らせていた記憶しかなくわかりません(笑)。でも、母はいつもマイペースで優雅というわけではありませんでしたね。問題のあるときは投げやりにならず、できるだけ私を理解しようとしてくれているように思えます。病気やケガのときは、とても心配してよく声をかけてくれますよ」

実は「隠れ姫」「隠れ貴族」はたくさんいた!


パート先でもリアルに姫ごっこをする母!


エアードレスはしてみたいかも…!


ーー忍耐強さと深い愛を兼ね備えたお母さまは、まさに心もプリンセス! ところで並庭さんの実録マンガは「庶民&アラカンの母がプリンセスごっこをする」というシュールさが最高なのですが、巷でも意外と「姫ごっこをしている大人」はいそうです。

「『実は私も姫ごっこをしています』というコメントは、結構たくさんいただきますよ! 自分がやっているという方もいれば、私と同様に母がやっているという方もたくさん。さらに西洋文化の姫だけでなく、邪馬台国の女王にあこがれていたという方もいて、面白かったですね。

そういう私も学生時代などは、貴族ごっこをしていました。当時の母は今より忙しく、あまりプリンセスネタのふざけかたはしていなかったので、母の影響というよりも『ベルばら』が好きだったことに由来します。だからこのマンガを読んでくれた高校時代の友人には『マチコがこういうことをしていたから懐かしかった』と言われてしまいました」

ーー「姫」にシンパシーを感じたネット民たちが「シャラランセ★」と挨拶を交わす光景が目に浮かびます……! 

それぞれの形で貴族を堪能する、並庭さん親子の「姫バイブル」も、ぜひ教えてください。

「母は映画ですと『エバーアフター』が好きだそうです。タレントはヒューグラント。ポールと同じく、たれ目が好みなようですね」

出典:プリンセスお母さん


ーーポールキター。「嫁ぐ国だった」と語るエピソードも、本気度がすごくて震えました。

「私はアニメ作品の『少女革命ウテナ』ですね。自分らしく生きることについて描かれている作品です」

ーー並庭さん親子の関係性を形作るツールでもありそうです! また、姫はキラキラしているだけではない、という深い世界観も伝わってくるラインナップでした。

姫ごっこは、この世を楽しく生きる工夫のひとつだった!


ーー作品を読んでいて深く考えさせられたのは、お母さまの生きる姿勢。複雑な家庭環境にくじけず「不条理な世の中で、生活を楽しくする工夫」だったのがプリンセスごっこでした。そこで、読者へ向けて楽しく生きるためのアドバイスをぜひお願いできないでしょうか。

「母の思想と少々かぶりますが、自分の好きなものを大事にすることに加え、知らないことにも好奇心を持ち、自分の世界を柔軟に広げていけたら素敵なのかなと思います。

私は母の、周りに流されず自分が自分でいたいというのが伝わるところ、自分の世界を大事にしつつも、他者に対して愛情深いところが大好きです」

ーー「どうしても親が受け入れられない」という人へのアドバイスはありますか?

「ただのギャグマンガ家なので、アドバイスというと僭越に感じますが、苦手なことは親でも我慢する必要はないと思います。私の場合は、まず自分のふるまいを振り返り、『相手はこういうところを許してくれるから、私も許そう』と考えてみたりします。それでも苦手なところがあれば、相手に『できればこうしてほしい』と相談します。話し合えればそれだけで苦手意識が変わることもあります。でも、もしそれができない関係であれば、ストレスにならない距離を置いて過ごしてほしいと思います」

アラカン母の姫ごっこが面白い! というだけでなく、家族のあり方や自分らしさも教えてくれる「プリンセスお母さん」。何かと世知辛いニュースが絶えない世の中で、楽しくすごすヒントも見つかりそうです。日々のお疲れを優雅に姫ごっこで乗り切りたい方は、ぜひご一緒にシャラランセ★。

文=木下頼子

コミックエッセイ「プリンセスお母さん」の結末はいかに?衝撃のラストは▼こちら▼から!

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