収入の壁ってなに? いくら稼げば損しない? 働き方を迷っています【お悩み相談】

#くらし   

夫との関係、義実家との付き合い、仕事やキャリア、ママ友などの人間関係……。毎日がんばって生きていると、悩みは尽きませんよね。そんなお悩みに、専門家がアドバイス。

今回は働きに出ることを検討しているという「ちょこぱい」さんのお悩みです。

 


◆相談者プロフィール

ちょこぱい(38歳女性)

専業主婦から兼業主婦になります! 久々に働くので不安ですがワクワクもしています。

お悩み相談


下の子が年少で幼稚園に入れる年になるので、働きたいと思っています。

夫は会社員で、年収は額面500万円程度。現在の家計は赤字ギリギリです。なので正社員で働き、昇給やボーナスを頂いて、できるだけ稼ぎたい気持ちがあります。

しかし、子どもの長期休暇や病気のとき頼れる人もおらず、子育てもまだまだやりたいという思いもあるので、実際の働き方はパートや派遣になると思います。

そこで気になるのが「収入の壁」です。よく扶養範囲内で働くといいますが、扶養範囲内というのはそもそも何なのでしょうか? 

ママ友でパートをしている人もみんな扶養範囲内で、年末になって調整するのが大変だったという人がちらほらいます。それなら調整しないで思い切り稼いでみてはどうなのだろうといつも疑問に思ってしまいます。

あるホームページで、1カ月あたり10万円以上稼ぐと社会保険に加入しなくてはならなくなり、働き損をする可能性があると書かれていました。一生懸命働いたにも関わらず、税金や保険料を払うことになって、働かずにいたほうが手取りが多かったという事態は避けたいです。

しかし、夫の長期休暇を利用したり、日給の高い単発もたまにしたりして、できれば10万円以上は稼いで貯金を増やしていきたいです。社会保険料というのは働き損になるほど高い額なのでしょうか?

また、年金など自分で加入することになれば、毎月はお金がかかりますが、将来的には受け取れる年金が増えて、定期貯金をしていると思えばそれほど損にならないのでは?と思ってしまいます。

ちなみに、現在夫の会社から家族手当として15000円いただいているのですが、健康保険をパート先から払われるようになると、それはなくなるとのことでした。

扶養範囲内で働くメリットとデメリット、そして働き損にはなりたくありませんが、できるだけ稼ぐには、いくらぐらいが目安になるかを教えてほしいです。

壁を意識するのは重要ですがあえて超える選択肢も


税金や控除が絡む制度の話はややこしいですよね。

一般的な意味での扶養範囲というのは、税金も社会保険料も負担する必要がない範囲での収入を指します(2020年1月現在では年収93~100万円以内〈自治体による〉)。

そこを超えた分からは住民税が、さらに103万円を超えた分からは合わせて所得税が課税されるようになり、106万円か130万円(条件によりどちらかが決まります)を超えると社会保険料を自己負担しなければいけません(月収が規定額の1/12を超えるなど、規定額以上の年収になるとみなされた時点で自己負担になります)。

税金については「超えた分」への課税なので、基本的にほとんど意識する必要がない程度の負担なのですが、社会保険料については月1~2万円、年間2~30万円程のインパクトがありますので注意が必要です。

特にちょこぱいさんのケースだと、保険料の自己負担と同時に家族手当が外れてしまうということなので、さらに年18万円の減収も計算に入れなければいけません。

これを踏まえると、社会保険料の自己負担ラインを超えて働く場合は、年収で3~40万円、月3万円前後多く働かないと手取りが減ってしまうという計算になります。

ただし、これはあくまで手取り額だけを重視した場合の話。

厚生年金に加入できるのであれば、おっしゃるように将来受け取れる年金額の増加が期待できます。

年収による制限なく働けることで、職場での評価も高まりやすくなるかもしれません。

また、現在段階的に扶養範囲が狭まってきており、今後さらにこの傾向が続くことが予想されています。

何より、「できるだけ稼いでいきたい!」という気持ちがあるのであれば、壁による減収を超える収入を目指してみても良いかもしれませんね。

◆回答者プロフィール

ノラ

家計総合アドバイザー。ライフプランの作成から日々の節約のコツまで、これまで300件以上の家計に関する相談を解決。FP2級、住宅ローンアドバイザー資格有。

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