地方と東京の給料格差を知る地方と東京の給料格差を知る

介護職3年目の僕は「介護職でいかにして収入を上げるか」ということをひたすら考えていました。いずれ中堅やベテランになっても、手取り15万円からあまり変わらないと知り「何かしないといけない」と焦っていました。


そこで、「別に地元や正社員にこだわる必要はないのでは?」ということに気がついたのです。

転職を検討したときは、県内の職場で正社員になれる仕事を探していましたが、雇用形態を無視して仕事を探したら、自分が求めていた条件の介護施設が、東京で見つかったのです。

東京では介護派遣の時給が1500円は当たり前で、派遣でも手取り20万円を確保することができます。

つまり、「地方で介護職をしているから収入が低い」ことがわかってきました。


「正社員は安定」という構図はどこにもなかった 月収15万円だった現役介護士の僕(3) 画像(1/3) 地元や正社員へのこだわりをやめると、条件に合う介護施設が見つかったのです。

地方の介護職の求人では手取り20万円を超えるものは非常に少なく、僕の場合は経験年数も3年未満なので、手取り15万円から変わりません。今でも都市部の求人を見てみると、手取り20万円以上の仕事はたくさんあります。

都市部と地方の介護職の給料の格差を目の当たりにすると、「介護職は都市部に行かないと自立した生活ができない」と感じます。地方の介護職の独身者は、ほとんどが実家暮らしを余儀なくされています。

僕自身も実家暮らしでした。成人になっても実家で生活する人を皮肉る「子ども部屋おじさん」という言葉がありますが、手取り15万円の人が実家から出るのは非常にリスキーだし、実家で生活するのは効率的だとも思います。

僕は自立志向が高く、早く家を出たかったのですが、給料が低くてひとり暮らしをしても貧しくなるのが目に見えていたので断念しました。


いっぽう都会では、家賃は高いもののひとり暮らしもできるし、そのことである程度の自由を手に入れられます。

同じような仕事をしているのに、働いている場所で収入が大きく違う。それなら、同じ仕事でも稼げる環境に身を置いたほうがいい。

東京にアテはありませんでしたが、「自分の人生をよりよいものにしたい」との思いで、僕は上京を決意しました。


派遣夜勤で手取り10万円もアップ

上京後、「介護職で収入を最大限にするにはどうすればいいのか?」を徹底的にリサーチした結果、「夜勤で稼ぐ」という結論に行き着きました。

介護夜勤を多くこなすには「夜勤専従」を選択する必要があり、そのためには派遣を活用するのがいちばん簡単で現実的でした。都市部でも正社員だと、夜勤専従ができなかったのです。


意外に知られていませんが、介護派遣は厚生年金・社会保険・交通費支給などの福利厚生が受けられます。

唯一違うのがボーナスが無いことですが、ボーナスの額は施設の都合で上下するのであまり魅力的ではないと感じました。それに、僕自身が夜型ということもあり、夜勤という働き方は性に合っていました(元々朝起きるのが苦手で、学校や会社を何回も遅刻して、多くの人を困らせていた人間でした笑)。


その選択が功を奏し、僕は夜勤1回(16時間勤務)で3万円の仕事を始めました。月に約10回夜勤をこなすだけで月収が30万円を超え、手取り25万円を手に入れたのです。地方に住んでいたときの収入が手取り15万円だったのに、東京に出て夜勤専従を始めたら手取りが10万円も増えるなんて! 本当に驚きましたし、震えるほどうれしかったことを今でもはっきりと覚えています。

「正社員は安定」という構図はどこにもなかった 月収15万円だった現役介護士の僕(3) 画像(3/3) 【画像】介護職で手取りが10万円アップ!

それほど当時の僕にとって手取り25万円は大きな額でした。

そして、その大きな額の差に地域格差を感じました。

よく「東京は家賃が高いから給料が高くてもそんなに変わらない」といわれますが、手取りが10万円増えたら、家賃を差し引いてもお釣りが来るぐらいです。

僕も、この経験から介護職は都市部に来て働くべきだと思いました。

待遇が全然違うし、インフラの質も高いので満足して生活できると思います。

「正社員は安定」という構図はどこにもなかった 月収15万円だった現役介護士の僕(3) 画像(6/3) 学歴もスキルもない26歳の介護士が選んだ道は「派遣社員×副業」という働き方。「月収15万円だった現役介護士の僕が月収100万円になった幸せな働き方」


著=深井竜次