小学校6年生の春休み。4月からは中学生というお子さんのいるご家庭にとって、中学校での勉強が気がかりではないでしょうか。

中学校での学習はスタートダッシュが重要です。リクルートの運営するオンライン予備校「スタディサプリ」の講師である関正生先生に、新中学1年生向けの英語の学習法をききました。

ずっと伸びる力がつく 中学英語のさきどり学習 画像(2/2) 【画像を見る】中学英語のさきどりが7日間でできる本

●「基礎」とは「簡単なこと」ではない!

書店には「中学英語の入門書」だけでもたくさんの本が並んでいます。それぞれの本に各自の特長があるでしょうが、私が普段教えている方法と他の本とでは、決定的に違うところが1つあります。


それは基礎に対する考え方です。多くの本では、「基礎」とは「最初に習うこと・簡単なこと」と捉え「やさしく説明する」というスタンスとなっています。


しかし、英語を学ぶうえで重要なのは、「ちょっと難しくても、英語の考え方の中心となる大事な考え方」を学ぶことです。私はこれを「基礎」と考えています。


その「基礎」を身につけるためには、「英語は暗記科目じゃないんだ」と気づくことが大切です。


たとえば、私が監修をした『CD付 中学英語のさきどりが7日間でできる本』では、「英語の核心」として、本質に迫るワンポイントのアドバイスを入れています。たったこれを知るだけで、「英語は暗記科目じゃないんだ」と気づくことができ、丸暗記英語から解放され、これから進むべき英語の世界を垣間見ることができるはずです。

ずっと伸びる力がつく 中学英語のさきどり学習 画像(3/2)  中学校での学習はスタートダッシュが肝心!

紙面にあるように、多くの人がつまずく「3単現のs」も、さきどりの時期からしっかり学んでおくべきです。難しいからといって後回しにするのではなく、本当に大事なことを学んでいきましょう。


●ただの「さきどり英語」になってはいけない

「さきどって英語を学ぶ」のではなく、次のようなことまで見据えて学びましょう。


①従来の参考書には書いてないような「英語の背景や由来」まで知っておく

たとえば「英語のつづりって、なんで発音と違うことが多いの?」という疑問に対しては、決して「それが英語の決まりなんだから、がんばって覚えよう」というのではなく、きちんと英語の歴史を振り返り、15世紀に起きた「発音の大きな変化」と「印刷技術の発明」という出来事から理解すべきです。


まず、大昔の英語では単語のつづりと発音は同じでした。つづりをそのまま読めばOKだったんです。たとえばnameは「ナーメ」、stoneは「ストーネ」のようにです。また、時代や流行で発音が変わっても、それに合わせてつづりも変えていったので、発音とつづりは一致していました。


ところが15世紀から16世紀にかけて「大母音推移」という歴史的な現象が起きました。これは「母音(a・i・u・e・o)の読み方が大きく変わってしまった」現象です(なぜ起きたかはいまだに不明)。


name 「ナーメ」→「ネイム」

stone 「ストーネ」→「ストウン」


そして偶然にも、この発音の劇的な変化と同時期に「印刷技術」が発明されました。印刷できるということは文字が活字になる、つまり「つづりが固定化されてしまう」ということを意味します。それまでは発音の変化に合わせて手書きでつづりも変えていましたが、それが気軽にできなくなってしまったのです。

印刷技術でつづりが固定されたのに、大母音推移によって発音はどんどん変わってしまった。これにより、つづりと読み方に大きなギャップが生まれ、現在に至るというわけなのです。


この出来事は、大学で専門的に英語を勉強するときに出てくる内容ですから、小学生はもちろん、中学生・高校生、英語が得意な大人たちも知りません。でもこういった事実を知ることで、ただ早くやるだけの「さきどり英語」とは明らかに違った視点を持つことができるようになるはずです。


このように「本当の基礎」を知ることで、中学だけでなく、高校・大学はもちろん、英語の資格試験でも、日常会話でも、海外旅行でも、仕事でも、趣味で見る海外映画でも、必ず役立つ英語力につながっていくはずです。


②「正しく」さきどれば追いつかれない

せっかくちょっと早くスタートしても、英語の知識を「詰め込む」だけであれば、中1の後半、遅くても中2になるころには、知識の貯金はあっさり尽きてしまいます。

早く始めたはずなのに、あっさり追いつかれる人がほとんどなんです。そんな人をボクは予備校でたくさん見てきました。

ボクが教える生徒には絶対にそうなってほしくないのです。だからこそ、「ちょっと面倒そうな説明だな」と思っても、これまで話したようなことを意識して、英語の学習に取り組んでみてください。

『CD付 中学英語のさきどりが7日間でできる本』では、英語を「正しく」さきどるためのエッセンスを7日間で掴めるようにしてあります。この本を手に取ってくれるなら、7日間だけがんばってみてください。本当の英語の世界が見えてくるはずです。


③定期試験対策も、将来のことも考える

もちろん将来のことばかりを見過ぎて、もうすぐやってくる中学校の英語のテストができないようではいけませんよね。

でも、それに関しても一切心配は不要です。

『CD付 中学英語のさきどりが7日間でできる本』では、25年の予備校講師としての経験から、定期試験に出るポイントをしっかり押さえつつ、中学生がよくやるミスについても触れています。「すぐに役立つ英語」と「将来も役立つ英語」を両立させていきます。この本でがんばったことは、すべてが効率良く、英語の力に変わっていくはずです!


■監修者プロフィール

関 正生(せき まさお)

1975年7月3日東京生まれ。埼玉県立浦和高校、慶應義塾大学文学部(英米文学専攻)卒業。 TOEIC®テスト990点満点取得。リクルート運営のオンライン予備校『スタディサプリ』で、全国の小中高生・大学受験生に、そして『スタディサプリENGLISH』のTOEIC®テスト対策講座で、全国の大学生・社会人に授業を行う(PC・スマホで受講可能)。有料会員数は年間で90万人以上。受験英語から資格試験、ビジネス英語、日常会話までを指導する。

著書は『世界一わかりやすい英文法の授業』シリーズ、『世界一わかりやすい英検®3級に合格する授業』(以上、KADOKAWA)、『核心のイメージがわかる! 前置詞キャラ図鑑』(新星出版社)、『サバイバル英文法「読み解く力」を呼び覚ます』(NHK出版新書)、『子どもの英語力は家で伸ばす』(かんき出版)など、計100冊以上。また、NHKラジオ英語講座『基礎英語3』などでのコラム連載や、英語雑誌『CNN ENGLISH EXPRESS』(朝日出版社)での巻頭インタビュー、様々なビジネス雑誌・新聞の取材、TV出演など多数。