羽生結弦選手は今シーズンも輝いていた! あらためて魅力を探る

#くらし 

3月16日に開幕する予定だった世界フィギュアスケート選手権がコロナウィルスの影響で中止となりました。

思いがけない形で選手みんなが目標にしていた舞台がなくなり、シーズンが終わろうとしています。

選手たちの心情を慮ると、なんとも言えない気分になります。でも、選手や関係者の方々などに何かあったらと考えると、これしかない選択で落ち着いたようにも思います。

思いがけない締めくくりになったシーズンですが、今シーズンも見応えのある1年だったとあらためて思います。その核をなしたのは羽生結弦選手ではないでしょうか。

羽生選手は世界6カ国で行われるグランプリシリーズ2大会に出場し、ともに優勝しました。シリーズ上位6名だけが出られるグランプリファイナルこそ2位でしたが、2月に開催された四大陸選手権で初優勝。ジュニア、シニアの主要国際大会すべてで優勝する「スーパースラム」を男子で史上初めて、達成することになりました。

見応えのある今シーズンの核をなした羽生結弦選手


素晴しい成績ももちろんですが、あらためて振り返ったとき最初に浮かぶのは、高い意欲を保ち続けていることへの敬意です。

オリンピック競技の選手は、夏、冬にかかわらずオリンピックを競技人生の大きな目標に据えています。大会が終わると第一線を退く選手が多いのはそのためです。

羽生選手は2大会連続で金メダルを獲得しました。競技寿命が相対的に長くはないフィギュアスケートですから引退を考えてもおかしくない年齢に達していました。でも競技続行を決意。

しかも前人未到のジャンプ「4回転アクセル」へのチャレンジが示すように、演技の向上への気持ちは落ちていません。

技術、表現、あらゆる面で精度を増した今シーズンの演技を観ればそれが分かります。グランプリシリーズ・スケートカナダで見せたフリー、四大陸選手権のショートプログラムは、羽生選手の姿勢を体現する演技だったように思います。

また、フィギュアスケートは競い合うだけでなく、魅せるスポーツでもあります。真摯に両立を志した先にある演技をも、形として示しているかのようでした。

ほかの人たちは、羽生選手のそうした姿勢、演技をどう感じているのだろう。話を聞いてみたいと思いました。

1人はフォトグラファーの高須力さんです。高須さんはさまざまな競技を撮影してきた経験を持っています。もちろんフィギュアスケートも長年撮影されています。

もう1人は衣装デザイナーの伊藤聡美さん。数々の衣装を手がける伊藤さんは、羽生選手の衣装も毎シーズン担ってきました。伊藤さんには何度もお話をうかがってきましたが、今、あらためて聞いてみたかったのです。

2人のお話には、それぞれの視点から切り取った羽生選手がありました。

同時に、共通点があるように感じました。

あえて短く表せば、「真摯に高みを目指して歩む者は周囲をも引き上げようとする」ことでした。

髙須さん、伊藤さんのお話の詳細は、今回、たくさんの記事の企画・執筆をさせていただいたムック『氷上の創造者』に記しましたが、今なお、印象に残る取材でした。

今シーズンの集大成となる世界選手権は中止となりました。羽生選手はコメントを寄せて、結びでこう語っています。

「来シーズンに向け、今の限界の先へと行けるよう、練習していきます」

これからも変わりなく歩んでいく決意がそこにありました。

「フィギュアスケート・カルチュラルブック2019-2020 氷上の創造者」(KADOKAWA)より

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『氷上の創造者』
「競技とアートの融合するスポーツであるフィギュアスケートの魅力を伝えつつ、競技の今後を考えたい」という思いから生まれた1冊。2019-2020シーズンを振り返りつつ輝きをみせた多くのスケーターをクローズアップしたほか、さまざまなトピックを掲載。

松原孝臣
フリーライター・編集者。夏・冬の五輪競技を中心に幅広く取材・執筆を行う。


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