ママが再婚 新パパはジャージに金髪ヤバい奴…からのギャップに大反響『新しいパパがどう見ても凶悪すぎる』が心温まる理由
つらいニュースが多い中、マンガには優しい父親を登場させたかった
――これまでの横山さんの作品では『息子の俺への態度が基本的にヒドイので漫画にしてみました』(リイド社)、『きょうの横山家』(KADOKAWA)など、ご自身のエピソードをマンガにしたものもたくさん。今回はフィクションとなりますが、この作品を描こうと思ったきっかけを教えてください。
「今、世の中には虐待のニュースがあふれていますよね。ですからせめて漫画では優しい父親を出したいなと思って描きました。自分が結婚して子どもを持ち、育児をするようになったからこそ、虐待という悲しいニュースに対しよりいっそう憤るようになりました」
――作中では、父親のDVに傷ついていた主人公親子が新しいパパであるトラノスケに癒され救われ、家族として歩みだしてしていますね。横山さんご自身は、どのような家庭で育ったのでしょうか。
「僕自身は家庭環境には恵まれていたと思います。母とはたまに衝突しましたが、父は優しかったし、祖父母も同居していて愛情をかけてくれました。ですから大人になってから「毒親」という存在を知り、びっくりしましたね。そのようなつらい環境で育った人たちは、どうやって幸せを目指していけばいいのか? それを考えたとき、答えのヒントになるような話を作りたいなと思ったのかもしれません」
――「理不尽な目にあっている人が幸せになる話」という物語は、家族問題だけに限らず、いま辛い思いをしている多くの人の心の光になってくれそうですね。
新しいパパであるトラノスケは「思ったのと違った」の塊でもありますが、それ以上に目を奪われる強烈なキャラもチラホラ……。例えばトラノスケの弟・アイノスケも非常に大きなインパクトを放っていますね。普通に家庭においてある常備薬も、危ないお薬にしか見えないという(笑)。優しい兄弟なんだけども、誤解されやすいあのような恰好に行きついたワケもちょっと気になったり…。

「もともとチンピラっぽいキャラが好きなので、徹底的に悪そうな造形を求めた結果、トラノスケ・アイノスケ兄弟が生まれました。なぜあんな格好をしているのか? は……彼らの家庭環境のせいですかね。トラノスケたちのお父さんが、ああいったファッションが好きなんだと思います。登場人物に実在のモデルは特にいませんが、実は『トラノスケ』という名前に関しては、いとこの息子さんの名前からとっています。とてもインパクトがあって強そうだったので。一番気に入っているキャラは、アイノスケですね。感情のまま動くタイプのキャラなので、出てくると話が進めやすいというのもあります」
――トラノスケの弟・アイノスケはまさかの「保育園で働く」(子どもに泣かれそう!)というスピンオフ的な作品も展開されていますが、今後ほかのキャラのスピンオフもご予定されていますか?
「現在ツイッターのほうで描いているシリーズは、『妻に逃げられた男がトラノスケとパパ友になる』という内容になっております。別のキャラクターの視点からも、彼らを描いていけたらと思ってます」
「こんなパパ、羨ましい」の声続出! でも、作者本人は⁉
――今後も、いろいろな「思ってたのと違う」が見られそうで今からとても楽しみです! 横山さんご自信も、そういった「意外でびっくりした」というご体験があるのでしょうか?
「『なんかこの漫画家さん斜に構えてて、とっつきづらいな」なんて思っていたら、ゲームの話がきっかけですごく話しやすくなった、ということがありました。先入観ってよくないなと思いましたね」
――先入観によって失われる機会の中にすごくいいものが隠れていた……という嬉しさや大切さは、この物語でも繰り返し再認できますね。
「レタスクラブニュース」には育児や家事に積極的にトラノスケについて「こんな旦那さんいい!」という声がたくさん届いています。見知らぬ人に対しても、礼儀正しく親切にふるまいますし、子どもたちの素晴らしいお手本だなと感心してしまいます。横山さんは、どんな父親象が理想でしょうか?

「子どもたちをしっかりと、正しい方向に導ける父親になりたいなと思っています。実際のところはなかなか難しいですが……。愛情だけはたっぷりと与えられているかな、と思っています。理想の家族像は『楽しく・仲良く』という感じでしょうか。『家族とは、こうでなきゃいけない』という風にはならないように気を付けています」
――現在の横山さんご自身は、どんなお父さんでしょうか? また、作中の「新しいパパ・トラノスケ」とご自身が重なるところは?
「子どもたちとよく遊んでいるので、親しみやすい父親ではあるんじゃないかな、と思っています。ちょっと威厳が足りないかもしれませんけど。なかなかトラノスケのようなピシッとした父親にはなれません。頑張ります」
――横山さんのTwitterアカウントは、現在なんと23.7万フォロワー。ネットでの反響もたくさん見られます。
活動の拠点がWEBである作品は、感想がダイレクトに作者へ届きますし、さらに作品に反映されるとあれば、「推しキャラ」への愛を叫ぶかいがあります~!
「反響が大きいシリーズは、やはり優先して描くようになりますね。ただそこだけにとらわれてしまうこともあるので、もう少し自分のやりたいように……とも思っています」
――最後に、この作品で一番伝えたいことは「家族愛」だと教えてくれた横山さん。家族のあり方も多様化している昨今、「これが正解!」というものはなかなか見つからないけれど、この作品で笑って息抜きし心を温めれば元気と勇気をもらえそうです。手探りで幸せになっていくトラノスケファミリーを応援しながら、今日も元気にがんばりましょう!
文=木下頼子
木下頼子
Information
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