予想外のことだらけの逆境の時代!…それでもライフプランは立てなきゃいけないの!?【家計の守り方(3)】

#くらし   

親の世代から教えてもらった「常識」という名の昔ながらの経済感覚や節約テクニックだけではとても太刀打ちできそうにない、最近の社会経済事情。

今後も予期せぬことがどんどん起きていくことを前提に、少しでも安定した家計運営を目指したいところ。

でも正直言って頭の中は真っ白な状態。

助けて八ツ井さん!!

【写真を見る】教えてくれたのは▷八ツ井慶子さん/家計コンサルタント、ファイナンシャルプランナー、「生活マネー相談室」代表。


教えてくれたのは▷八ツ井慶子さん/家計コンサルタント、ファイナンシャルプランナー、「生活マネー相談室」代表。

個人向け相談のほか、各種メディアで活躍中。

先の予定はざっくりと、ライフプランを立てるなら5~10年先まで


「今まではよく『長期(20〜40年)のライフプランを立てましょう』とアドバイスしてきましたが、これだけ変化が激しい時代には、予測できない事態が起こり、プランどおりにはいかないでしょう。

だから、直近の5〜10年の支出予定表を作り、どのお金を充ててクリアしていくかを検討するくらいでいいと思います」(八ツ井さん)

ムダ買いをなくして時間とお金を大切に!


それよりも家計管理でこれから意識したいのは、お金の使い方。

本当に欲しいものや必要なものを買っていればお金は貯まるものですが、そうでなければムダなものを買っているかも。

ムダ買いを見直して使い方を正し、大切な時間とお金は、より「好きなもの」に使えるようにしましょう。

なぜ「ざっくり」? 2020年以降に起こりそうな家計の変化


1▷世の中の家計がますます二極化してくる

1990年代後半から貯蓄ゼロ世帯や生活保護世帯が増えていて、キチンと貯蓄できる世帯との二極化が進んでいます。

人生100年時代には、さらにこの差が広がると思われます。

2▷資産の役割が大きく変わってくる

教育費の無償化、空き家の増加や賃貸派の増加、老後資金のために高齢期も働くなど、これまでの「人生の3大資金」が大きく変化。

そのため、資産の役割にも大きな変化が。

3▷長期のライフプランが立てにくくなる

寿命が延びて老後(退職後)の期間が長くなったため、現役中に充分な老後資金を貯めることが困難に。

社会の変動も激しく、20~40年間のライフプランが立てにくくなっています。

↓だからライフプランは5〜10年先までをざっくりと↓

好き嫌いリストを作ってみよう


時間とお金には限りがある。自分を知ってムダをなくすために!

自分が「好き」だと思うことを増やしたり深めたりする


「好きリスト」で自分が「好き」だと思うことを増やしたり深めたりする


人間は、「快」か「不快」かで生きていて、「いいな」という状態が続いていると幸せなのです。

では、何に自分は楽しいと感じるのか、やりがいを感じるのはどんなときかなど、「好き」なことを書いて、この時間や行動を増やしたり充実させたりすることを考えましょう。

「嫌い」「苦手」なことを挙げたら、どうしたら減らせるのかを考える


「嫌いリスト」で「嫌い」「苦手」なことを挙げたら、どうしたら減らせるのかを考える


こちらは反対に「嫌い」なこと、「苦手」なことを書いていきます。

お金の使い方についても好き嫌いを書くといいですね。

それぞれが見えてきたら、この「嫌い」なことを極力避けたり減らしたりするために、どうすればいいのかを考えましょう。

逆境の時代、折れない心を維持する3原則


【1】未来が見えにくいから計画はざっくり

長期間の計画を綿密に立てていても、そのとおりにならずに心が折れては本末転倒。

将来の予測が立てにくい今の時代は、ざっくりと計画を立てて臨機応変に対応できるようにしておきましょう。

【2】変化が激しいから社会に期待し過ぎない

社会や経済の変化が激しいため、これまでの経験から「こうなるだろう」と期待していても、そうならないことが多々出てきます。自分でコントロールできない部分を、社会に期待し過ぎないように心がけましょう。

【3】予想外のことも起こるから柔軟な心を

予想もつかないような事態になっても、柔軟な心で受け入れて、そのときどきの状況に対応することが、これから先は大切になってくると思われます。

逆に変化を認めたくない人は、生きにくくなるかもしれません。

すべての老後資金を現役中には貯めにくい


「寿命が80歳の時代には、『現役のうちに老後資金を貯めておく』というスタンスでよかったのですが、人生100年時代には、70歳まで働いたとしてもその先30年あります。

老後が長すぎて、現役時代に老後資金をすべて貯めておくことは多くの人にとって困難になるでしょう。なので、長く働く必要が出てきます」(八ツ井さん)

好きなことを無理なく続けることをイメージして老後に備える


高齢期の働き方は、現役時代と違って、緩く長く働き続けられることが大事。

そのためには、やはり、自分が少しでも興味があることや好きなこととつなげて考えましょう。

働き方や収入の得方も、多様化しています。

自分に向いている仕事を考えるうえでは、先ほど紹介した「好き嫌いリスト」の活用がおすすめです。

年金+少しの給与で働く準備をしよう


ずっと専業主婦だった経験と、好きな家事である料理を生かせる、家事代行サービスの会社に登録し、仕事を始めた人も。


ずっと専業主婦だった経験と、好きな家事である料理を生かせる、家事代行サービスの会社に登録し、仕事を始めた人も。

週2回、利用者の家で料理の作り置きをしているそう。

ご本人はその家庭の好みに合う料理を作るのが楽しみなのだとか。

何歳からでも遅くない!こんな仕事を見つけた人も


CASE1▷子育て後に資格を取り、40代後半から美容師として勤務

3人の子を育てたあと、老後資金と生きがいが心配になり、40代半ばで専門学校に通い、美容師・理容師の資格を取得。

40代後半から美容室で働き始め、現在60代。楽しく働いています。

CASE2▷子育てをしながら自宅の1階でカフェを運営

結婚・出産で専業主婦になりましたが、自宅を建て直すときに1階をカフェにして、姉と友人とカフェを始めました。

子どもがまだ小学生なので、営業は平日昼だけですが、自分のペースで働いています。

CASE3▷子育て中はフリーのデザイナーに。その後、デザイン会社勤務

子育て中はしばらくフリーランスでデザイナーの仕事をしていましたが、個人で請ける仕事が減ってきたことと、子どもが大きくなって手が離れてきたので、またデザイン会社に勤務し始めました。

年代別!今から「やるといいこと」リスト


◎30〜40代◎「好きなことややりがいを仕事にする視点を持とう」世代


人生100年時代に到達すると思われるのが、この年代が高齢期を迎えたとき。

長く働くことが当たり前の世代になっていると予想される。

↓↓↓

【長く働く覚悟を持って本格的な超長寿社会に対応】

1▷まずやる▷

将来予測が本格的に難しい世代。細かいライフプランより、好き・嫌いを洗い出し、どんな仕事をしていきたいか考える。

2▷収入について▷

20~30年後に60代を迎えるこの世代は、本格的な超長寿社会に生きるので、「長く働いて収入を得る」覚悟を持つ。

3▷支出について▷

教育費や住宅ローンがあれば、今後の支出計画を立ててみる。ただし、子どもが小さい場合はあまり細かくなくてもいい。

◎50代◎「第2のキャリアを考えよう」世代


このままいまの会社に残るか、別の会社に転職するのか、それとも自分で起業するのかなどを考える時期。

65歳ではなく70歳以降も働く選択肢も考えたりと、柔軟な発想で検討を。

↓↓↓

【教育費や住宅ローンの残高をしっかりチェック】

1▷まずやる▷

さまざまな働き方を具体的にイメージして。

その際、収入だけでなく、精神的な満足度や時間的余裕、住まい方なども検討を。

2▷収入について▷

勤務先のこの先の収入を、退職金含めてチェック。再雇用、転職など、選択肢ごとに収入予測を立てる。

3▷支出について▷

教育費や住宅ローンがあれば、いつまでいくらくらいかかるかしっかりと確認。

新しいキャリアにかかるコストも調べる。

◎60代◎「できるだけ長く働こう」世代


年金受け取れるのがおおむね65歳からなので、60代前半は、まだまだ働いている人が多い。

再雇用期間終了後、60代後半から何をするのか考えて、できるだけ長く働くのが理想。

↓↓↓

【固定費を減らして生活費は支出の○×チェックを】

1▷まずやる▷

このまま働いた場合の年金額を確認し、リタイアまでの貯蓄額の試算を。またリタイア後に毎年取り崩す金額も計算。

2▷収入について▷

家計の状況を確認し、今後何歳まで働くといいか、いくら収入があると安心できるかメドを立てつつ、今後の働き方に生かす。

人脈や経験を生かした仕事探しも。

3▷支出について▷

できるだけ固定費をスリム化し、日々の生活費は支出の反省をしっかりと。

長く働くために大切なのは何より体力。キャリアプランも大事だけどまずは健康第一で!(編集部永木より)

<レタスクラブ1月号より>

【レタスクラブ編集部】

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Information

撮影/三佐和隆士 イラスト/アツダマツシ モデル/千奈 取材・文/生島典子 デザイン/Beeworks
▼2020年度版家計の守り方 記事一覧▼

▼八ツ井 慶子さん著書▼レシート○×チェックでズボラなあなたのお金が貯まり出す(プレジデント社)▼




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