おこづかいはいつからあげる? 子どもを育てるおこづかいの渡し方【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て   

Amazonでも好評価の書籍「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第39回目のお悩みはこちら。

おこづかいはいつからあげる? 子どもを育てるおこづかいの渡し方【小川大介先生の子育てよろず相談室】


【お悩み】


先日、小4になる娘に「おこづかいが欲しい」と言われました。聞くと大半のお友達がもらっているからとのこと。高学年にもなるし、お金の管理を学ぶためにも、あげてもいいかなと思い始めたのですが、やはりお金を渡すことには少し心配もあります。

せっかくおこづかいをあげるのであれば、その行為が最大限に活かされるようにしたいと思っているのですが、効果的なあげ方というのはありますか? また、あげる際の注意点や適正価格などもあれば知りたいです。(クローバーさん・42歳)

【小川先生の回答】


おこづかいを渡す目的を明確にする


おこづかいに関しては、“何歳からあげたほうがいい”とか“値段はいくら位が望ましい”というような、理想のモデルケースはありません。

大切なのは、“何のためにおこづかいを渡すか”ということを親が明確にすることです。“予算管理能力を身につけて欲しいから”でもいいし、“ものにはいろいろ値段があることを知って、何が欲しいかを自分で決めること”を目的にしてもいい。また、“お金というものに触れさせる経験を持たせたい”くらいでも構いません。

いっぽうで、“18歳までは必要なものは親が与えてあげるからおこづかいはあげない”というのもひとつの方針です。要は親がブレない目的を持つことです。

そのうえで『おこづかいで買うもの』と『親が買ってあげるもの』の線引きをしっかりルール化することも大切です。その線引きによって、おこづかいの適正額も変わってくるはず。

交通費や学校で使う文具などもすべておこづかいから出すのであれば、それ相応の金額になるでしょうし、お菓子を買うくらいであればそんなに必要ないでしょう。そういったルールを子どもと話し合って決め、きちんと守ることです。

残念ながらルールを崩すのは、たいてい大人のほう。決めたルールはおじいちゃんやおばあちゃんなどとも共有して、徹底するようにしましょう。生活スタイルが変われば、その都度子どもと相談してルールを改訂していくことは構いません。でも、なし崩し的にルールを破ってしまうと、おこづかいの意味が不明瞭になってしまうので気をつけましょう。

子どものお金の使い方を把握する


また、おこづかいを何に使ったかは、きちんと報告するようお子さんと約束しておくことも大切です。「僕のお金だから自由でしょ」と権利を主張したがる子もいますが、それは違います。そのお金は家族のお金で、そのうちの子ども自身が管理していいお金を、おこづかいとして渡しているだけ。「家族のお金をどのように使うのか、親として気になるのは当たり前」と、そこはキッパリ言い切りましょう。

おこづかいで何を買うのか、どんな使い方をするのかを知ることは、その子の特性を知ることにも役立ちます。何を買ったかで今興味を持っていることがわかるし、どんな使い方をしたがるかは、社会の中でどういう生き方をしていきたいかの表れでもあります。

例えば、“周りのみんなが持っているから自分も買いたい”というような使い方だったら、人目を気にして振り回されてしまう傾向が感じられますよね。親としては少し気になるところですが、「そんなお金の使い方はやめなさい」と頭ごなしに言うのはNG。おこづかいという本人の自己管理部分は尊重したいからです。

そういう場合は、「今そんなのが流行ってるんだね」という会話の中で、「みんなが持ってるから自分も欲しいという買い物の仕方はちょっと心配。自分にとって大事なものは自分で決めてお金を使ってくれると嬉しいな」と、親としての気持ちを伝えていきましょう。

このように、おこづかいはあげっ放しにするのではなく、子どもの使い方をよく観察し、親子で会話すること。そうすることで、将来を考えたときに本人に伝えたいメッセージも見えてくるし、より有意義なおこづかいになると思います。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。

文=酒詰明子

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