仲がよくても実は何も知らない…陰口、妬み、子どもトラブル「ママ友」って必要なの?【『消えたママ友』座談会】

#くらし   
子どもが介在して関係性が生まれた「ママ友」って本当に友だち?


『ママ友がこわい』の著者・野原広子さんが描く最新作『消えたママ友』。

一見幸せそうに見えていたママ友がある日突然姿を消し、何も知らされていなかった仲良しグループの3人はじわじわとその闇に気づいていく…。保育園を舞台にした話題のミステリー・コミックエッセイです。

今回は『消えたママ友』を読んだ5名のママたちに集まっていただき座談会を開催しました。

漫画の感想に加え、リアルなママ友体験談も交えてお話ししていただきました。

仲よしに見える…けど?


舞さん:小5女子、年中男子の母。上の子の幼稚園時代のママ友とは今も仲良し。

美紀さん:2歳男子の母。本格的なママ友付き合いはまだ未経験。

のんさん:年長女子、3歳男子の母。保育園の役員経験ありでママ友は多い方。

佳余さん:年中男子の母。ママ友は必要最低限でいいと思っている。

アコさん:小4女子、年中女子の母。同じマンションのママ友同士よく飲み会している。

◆自分の周りのママ友に重ねてしまい思わずゾクリ


美貌、仕事、素敵な家族…羨ましいくらい何でも持っていたママ友が突然消えた


美紀さん:『消えたママ友』読みました。仲良くしていた保育園のママ友が突然姿を消すという不可解な出来事と淡々とした日常の空気感がすごく怖かったです。

アコさん:登場するママ友全員に共感するところがあって、めっちゃわかるわかる!って頷きながら読みました。

のんさん:そうそう。ママ友同士が立場の違いからすれ違ってしまうシーンがあるけど、別に意地悪な人がいるわけじゃなくて、みんなただそれぞれの生活、家庭があるだけってところに共感してしまうんですよね。

舞さん:園のママたちが噂話をするシーンで長女の幼稚園時代を思い出しました。当時、仲良くしていた4人のママ友グループが、別のママ友グループから悪口のターゲットにされたことがあったんです。なかでも美人でお金持ちのA子は「旦那さんの職業を自慢して回ってる」なんて、あることないこと噂されて。

本当かどうかもわからないけど…広がっていくうわさ話


うわさ話はあっという間に広がる?ママ友の世界


佳余さん:あ〜。嫉妬の対象にされやすい感じ。まさに『消えたママ友』の有紀ちゃんみたい。その時、何か言い返したりとかは?

舞さん:穏便に過ごしたかったので、悔しいけど仲間内で「気にしない方がいいよ」と励まし合うのみでした。でも、別のグループのママ友が「◯◯さんたちがA子さんのことこんな風に言ってたみたいだよー」ってわざわざ伝えてくるんですよ。

佳余さん:そんなこと、A子さんの友達に伝えてどうしたいんだろう。

舞さん:そこで私が悪口にのっかっていろいろと新情報を言うのを期待してたんでしょうか…。もしくはただ喋りたいだけなのかも。『消えたママ友』にも「人の悪口を言う時、目がキラキラしてる」ってシーンがありましたね。噂話ってただただ楽しいから、きっと目的なんかないんだろな…。

人の不幸は蜜の味?


◆友達とママ友の違いって?「ママ友」ってなんですか?


のんさん:ママ友っていつどこで誰が繋がってるかわからないので下手なことは言えなくないですか? 私はすごく仲良くならない限り、家庭の詳細なことを言わないように気をつけてます。

佳余さん:わかります。それに相手のことをいろいろ詮索すると嫌がられるかなって思うから、結局当たり障りのない会話ばかりになってしまいます。ママ友の前だと「ザ・いい人」って感じになっちゃう。

アコさん:私はママ友の中でも親密な人とそうでない人との付き合い方を分けてる感じかな。同じマンションのママ友とは子ども抜きで集まってよく飲み会していて、もはやママ友を超えて普通の友達になってるからなんでも言い合えるんですよ。

舞さん:う〜ん。そもそもママ友ってなんなんですかね。友達とママ友の違いって「子どもなしでも遊びたいかどうか」なのかも。

のんさん:ママ友にも3パターンくらいありそうです。子どもの付き合いがあるから仲良くしてるパターン、もともとの友達とお互いママになっても仲良しのパターン、子どもが接点で友達になったけど大人だけでも遊んじゃうくらい仲良しになるパターン。

アコさん:はじめはみんなライトな付き合いからだけど、そこから発展して本当に仲良くなる人もいれば、子どもの付き合いがなくなれば離れちゃう人もいるという感じですよね。

舞さん:『消えたママ友』にも「子どもが仲よしってだけで親もわかり合えるとかありえない」ってセリフが出てきますよね。子どもがいるから付き合わざるをえない関係に「ママ“友”」って名前をつけるからややこしくなるのかも。

【消えたママ友 全画像を見る】錯覚しがちだけど、イコールにはならない


◆子ども同士のトラブルがママ友関係に影響を及ぼす…!?


子ども同士のトラブルにどう対応すれば?


のんさん:子ども同士のトラブルでママたちがギクシャクしてしまうシーンにはドキッとさせられました。うちの娘は活発で押しの強いタイプなので、相手に嫌な思いをさせてしまうこともあるんですよ。それを他のママからどう思われているのか心配になります。

うちの子、元気すぎて…あやまるのも疲れる…


アコさん:私は逆にすうちゃんママの友ちゃんに共感しました。うちの子は大人しい性格でいつも強い子にやり込められちゃうんです。相手の親にも言いたいことがあるけど何も言えず、悶々とするばかりで。

子どものために、自分もまわりに合わせなきゃ…


のんさん:正直言うと、トラブルを起こさない大人しい子が羨ましいときがあるんですよ。でも言葉の捉え方によっては誤解されてしまうかもしれないからそんなことママ友には絶対に言えないんですよね。

美紀さん:漫画でもそういう空気感はよく描かれてましたね。子ども同士がトラブってもなかなかはっきりとは言えないですよ。ほんの些細なことでママ同士のバランスが崩れてしまうから。

アコさん:すうちゃんの靴がなくなった事件も、みんな言わないけど心の内では誰かを疑っていて…。その不穏な感じがわかってしまう自分にもゾクゾクしました。

子ども同士のトラブルの犯人捜し


美紀さん:大人同士だったら別に自分が嫌われても嫌なら離れればいいと思えるんですけど、子どもが付き合ってる間は仲良くしておかないといけないみたいな気持ちはどうしてもありますよね。

◆本音をぶつけあうシーンに鳥肌!やっぱりママ友は必要だと思うワケ


いなくなったママ友との再会


アコさん:『消えたママ友』のラスト、夜の公園でみんなが集まったシーンは鳥肌ものでした。普通のママ友付き合いだと心の内をさらけだすことってなかなかないから、それができただけでも彼女たちはよかったんじゃないかな。

美紀さん:うんうん。結果にかかわらず…ね。ママ友付き合いは面倒な側面があるのも事実だけど、本音をぶつけ合うことで本当の友情が生まれることもありますしね。そもそも大人になってからの友達ってなかなか作れないじゃないですか。

舞さん:そうですね。さっきの話で、変な噂をたてられて励まし合った幼稚園のママ友とは卒園して5年たった今でも深い付き合いがあるんですよ。子どもが小さくて大変だった時代を一緒に戦った戦友って感じかな。子ども繋がりで得たからこその関係だなって思います。

佳余さん:私も子どもが赤ちゃんの頃からずっと付き合いのあるママ友がいて、家族以外に子どもの成長を見守ってくれている人がいるのはすごく心強いんです。なにか相談したい時も、子どものことをよく知ってる前提で話ができるので安心感があります。そういう付き合いはこれからもずっと続けていきたいです。

のんさん:そうですね。私は保育園のママ友、ご近所のママ友、習い事のママ友…と、いろんなママ友がいて、深く付き合ってる人もいればライトな感じの人もいます。たとえライトな繋がりでも顔を合わせた時にちょっとお喋りするだけで気持ちが晴れたり、役立つ情報交換ができることもあるし、いろんな距離感があっていいと思うんです。そうやって自分の居場所を同時にいくつか作っておけば、苦しくなっちゃうことも少なくなるのかな。

子どもをきっかけにして始まるママ友付き合い。狭いコミュニティの複雑な人間関係を面倒に感じることがあっても、やっぱり辛い時に助けてくれるのはママ友だったりするのかもしれません。さて、夜の公園で本音をぶつけ合った4人はその後どうなったのか…。ぜひ『消えたママ友』で見届けてくださいね。

文=宇都宮薫

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