すべてマンガに描いてある(16)…和ものにハマってみる?
そろそろ大人として日本の伝統芸能もたしなんでおきたいな……と思っていたら、『昭和元禄落語心中』に描いてあった!
刑務所に慰問に訪れた名人の落語にほれ込み、出所したその足で押しかけて弟子入りを果たした元チンピラ・強次。バカでまぬけな "与太郎"だが、その素直さで落語界にするりと溶け込み、修業を続けていく――。大人の色香漂う八雲師匠、キュートな”与太郎”の魅力もさることながら、何よりも読者をぐいっと引き込むのが、師匠が寄席で演じるシーン。
首をぐいっと突き出すしぐさ、薄目を開けた表情、扇子を操る指先が(そして「吹き出し」の形までもが)なんともいえず、セクシーなんです! ほとんど落語を聴いたことがない私でも、「やっぱり八雲師匠の落語はいいねぇ」などと思わず江戸弁で知ったかぶりしてしまうほど、トリコにする力があるんです。ほんとは八雲師匠の落語が聴きたいなあ、とかなわぬ夢を見つつ、先日乗った飛行機では、思わずオーディオのチャンネルで落語を選択してしまいました。
『ましろのおと』は津軽三味線を極めようとする高校生のお話。こちらは、弦の「ビィンッ」という擬音を目にするだけで、誰もが一度は聞いたことのあるあの音が、強く鼓膜を打ちます! 一心不乱にバチでたたく少年の姿には、やはり色気があって、空気を震わせる熱的な津軽三味線の音を、生で体感してみたい、と読むたびに思わせてくれます。
この2作以外にもここ数年、歌舞伎の『ぴんとこな』、なぎなたの『あさひなぐ』、競技かるた(百人一首)の『ちはやふる』など、和の文化を扱ったマンガが花盛り。和もの趣味、今が始めどきです!
【文中に登場する作品】
●『昭和元禄落語心中』雲田はるこ著/講談社 元チンピラ・強次が、落語の大名人・八雲に弟子入りするが……。師匠の親友で今は亡き落語家・助六、負けん気の強いその娘・小夏など、魅力的なキャラクターがいっぱい。粋な江戸弁もいい。1巻の巻末には寄席の楽しみ方を描いたミニガイドも収録。
●『ましろのおと』羅川真里茂著/講談社 祖父仕込みの津軽三味線の腕を持つ高校生・セツ。祖父を亡くし、訪れた東京で、三味線部の仲間たちとともに自分の音を探し求めていく。情熱的な三味線の演奏と、ひたむきな少年少女たちの姿にぐっときます。
※このコラムは『レタスクラブ』2012.2.10売り号掲載に掲載されたものです。月1回、漫画コラムを掲載していきます。
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