発達障害がある子もない子も伸びる!「魔法の言葉かけ」とは?

#くらし   
『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』(講談社)


「早くしなさい!」「そうじゃないでしょ」「何度言ったらわかるの」「なんでできないの」「あの子はできるよ」……。こういった言葉をついつい口にしてしまうママは多いのではないだろうか。そんな毎日の繰り返しで子育てに悩み、行き詰まっている人が増えているのだろう。『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』(講談社)という本が、発達障害の子どもの親だけでなく子育て中の人にも売れてロングセラーになっている。

著者のshizuさんは、3歳で自閉症と診断された息子さんをABA(応用行動分析)の療育法をベースに育てた方。息子さんの言語能力と社会性を飛躍的に伸ばした経験を生かして自閉症療育アドバイザーとしても活動している。

本書では、そんな彼女が実践して効果があった子どもへの言葉かけを、さまざまなシチュエーション別に紹介している。ABAを利用した働きかけのポイントは、まず子どもも親も「一緒にいると楽しい」と思えるいい親子関係を築くことからはじまる。そのうえで、ひとつの課題を細かくわけてスモールステップで成功体験を重ねる、ほめ言葉を上手に使う、できない課題は手助けをしてあげる、必ず成功体験で終わらせるといったことを意識した言葉かけをすることが大切だ。子どもの悪いところやできないことが目について叱ってばかりいる人は、自分自身が子育ての悪循環を招いていることに気づかされるだろう。

子どもは親の言葉かけひとつで、どんどん伸びることもあればつぶれていくこともある。その違いは自信を持てるかどうか。たとえば、「~しちゃだめ」「~しなさい」といった否定形や命令形の言葉はまったくの逆効果で、子どもの自信の芽を摘んでしまう。肯定的な言葉をかけて「~しよう」「~してね」と言い換えるだけで、子どもは自分にもできると自信を持ち行動に移しやすくなるのだ。たとえば子どもがお皿を流しまで持ってきたとき「乱暴に置かないで!」と言うと、もう手伝いたくないと子どもは思う。逆に「ありがとう。ママ助かるわ♪」と言えば、自信がつきまた手伝おうという気になる。

子どもが何かにチャレンジしたとき、できないことを「やっぱりダメね」と言うと自己否定する気持ちが強まりやる気をなくすだけ。できなくても「大丈夫。その調子だよ!」とほめれば、チャレンジしたことだけでも自信がつき、また一歩先に進みたいと思える。

発達障害の子の場合、その特性によって起こる問題行動で悩むケースも多い。対応を間違えるとさらにエスカレートするため、適切な対処法を具体例をまじえてイラスト付きでわかりやすく説明しているのもありがたい。たとえば子どもの癇癪が激しいときは、呼吸に合わせてやさしく体をトントンと叩きながら目の前で1、2、3……と指折り数えていくと効果的だという。手当たり次第に物を投げるなど許しがたい行為をしたときは、子どもと離れるなどタイムアウトという対処法もある。

子どもとの遊び方がわからない人には、親子の絆を育むふれあい遊びもイラスト付きで豊富に紹介。食事や散歩など日常生活での言葉かけは、親が当然知っていることや当たり前のことをあえて言葉にして伝えることが、子どもの発達や成長に大きな効果をもたらすことがよくわかり、今すぐ真似したくなるものばかりだ。

読めば読むほど“子育てあるある”が多く、今までの自分の言葉かけを後悔する人もいるかもしれない。しかし発達障害がある子もない子も、子育てに「もう遅い」はない。さっそく今日から、子どもを伸ばす言葉かけを実践していこう! 文=樺山美夏

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