月経前のイライラやユーウツ。ひどい場合は「PMDD」の可能性が

月経の時期になると、なぜか感情がコントロールできず、イライラして家族に当たってしまったり、ひどく気分が落ち込んで訳もなく悲しくなったり。「このような症状がある人は、PMDD(月経前不快気分障害)の可能性があります」と、池ノ上産婦人科院長の千代倉由子先生。

●月経前に不快な精神症状が現れる

「月経の前に、体にさまざまな不調が現われる症状をPMS(月経前症候群)といいますが、PMSの中でも特に精神症状が強く、治療を要するものをPMDDと呼びます。月経のある女性のおよそ80%にPMSが見られるといわれていますが、PMDDはそのうちの10~15%といわれ、さらに7%ほどが重症度のPMDDを持っているといわれています」。

PMDDはなぜ起こるのでしょうか。「PMDDを誘発するのは、女性ホルモンの一つである黄体ホルモンです。黄体ホルモンは、排卵期から徐々に分泌が増え始め、月経が始まると減っていきます。そのため、PMDDの症状は黄体ホルモンの分泌に合わせて、月経の10日前ごろから起こり、月経開始後4日ほどで自然に治まるのが特徴。ですから、この時期以外にも症状が現われる場合は、PMDDではなく、別の疾患である可能性が考えられます」。

では、PMDDの主な症状は? 激しい抑うつ気分や、極度の不安感、緊張感、集中力・気力の低下、睡眠障害、食欲の変化などが挙げられます。暴力的な衝動に駆られて、夫や子どもに暴言を吐く、手を上げてしまう、反対に自傷行為に走ってしまうというケースも。これらの症状が原因で、家事や育児が手につかない、家族と不仲になるなど、社会生活をうまく営むことができない場合は、病院で適切な治療を受ける必要があります」。

●基礎体温表をつけ体のリズムを把握

病院ではどのような治療を行なうのでしょうか。「まずは基礎体温表をつけて、月経周期に沿ってどのような症状が現われたかをチェックすることから始めます。黄体期に症状が現われていることが分かれば、PMDDであることが判断できますし、症状が自覚できれば、暴走行動の抑止にもつながります。症状が軽・中度の場合は、生活・食事指導やカウンセリングなどが治療の中心に。PMDDは、家庭内のトラブルや不幸など、大きなストレスのかかる出来事がきっかけで起こることもあります。そのため、心理的ストレスを取り除くことも重要になります。重度の場合は症状に応じて治療方針を相談し、向精神薬やピル、漢方薬などを処方することがあります」。

月経のある女性なら誰にでも発症する可能性が。自分の体と心のリズムを把握することから始めてみて。

【PMDDを予防、改善するポイント】

症状を軽減、改善するために自分でできる方法を紹介します。

●生活リズムや食事バランスを見直す

基本的なことですが、規則正しい生活リズムと適度な運動を心がけ、バランスのいい食事をとることが最も大切。ビタミンB(6) は、PMDDの症状を和らげるといわれている栄養素。まぐろの赤身やかつお、牛レバー、とりのささ身、卵、アボカド、バナナなどに多く含まれます。積極的にとってみては。

●リラックスできる時間をつくる

PMDDはストレスも大きく関係しています。自分なりのリラックス法、ストレス解消法を見つけることも大切です。好みの入浴剤を入れたお風呂にゆっくりつかる、のんびり公園を散歩する、友人と食事やカラオケを楽しむなど。息抜きができる時間をつくりましょう。

●夫や家族と症状を共有する

PMDDは男性には理解してもらいにくい症状ですが、改善には家族やパートナーの協力も必要。自分で説明することが難しい場合は、夫と一緒に産婦人科を受診することをおすすめします。正しい理解を深めることで、家族間の衝突やトラブルも防げるでしょう。【東京ウォーカー/記事提供=レタスクラブ】