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美容院に行くハードルが高すぎる マンガでわかるうつ病のリアル(11)

「たくさんの工程がある」は、うつ病患者の大敵だ。

美容師さんごめんなさい! 美容院を悪く言う意図は全くございません! 筆者は美容院が大好きです! 毎月お世話になっております!
…本題に入ります。一言で『美容院に行く』と言っても、実は行く前から施術が終わるまでにたくさんの工程があります。
数ある美容院の中からお値段やレビューや自宅からの距離などを見て1つのお店を選び、ネットや電話で予約をし、当日は予約した時間に間に合うように着替えたり歯磨きをしたりして出発する。そして着いたら美容師さん達に挨拶をし、したい髪形をなるべく正確に伝え、1~2時間はじーっとイスに座り美容師さんと軽く世間話をする…。
普段から当たり前に美容院を利用する人にとっては「そんなの当たり前じゃん」というお話かもしれません。ですが、うつ病の人にとっては1つ1つが高難易度クエストのようなものです。
美容院に行くために何日も前からコンディションを調整する人だっているんだ。

うつ病には気分の落ち込みだけではなく身体症状もあります。本をほんの数行読む集中力さえない。ご飯を食べるときにその姿勢を維持するのさえつらい。お風呂に入って体や頭を洗うことを考えるだけでうんざり。まるで“遅くまで仕事してクタクタで帰って来た直後の状態”で1日のほとんどを過ごしているくらい、日常生活の全てが大変になります。
そんな状態では予約だけでも「当日に急に動けなくなったら迷惑をかけるから、今日からこれくらい先の日に予約すれば、3日くらい前から休んで体調を整えれば大丈夫かな…」なんてぐらいに考えこまなければなりません。
地獄の質問「お仕事は何をされているんですか?」はやめてくれ!

そして無事に美容院に行けたとしても、今度は髪形の説明や、イスで姿勢を維持しながらの会話などが待ち受けています。まして病気で働けない人は「お仕事は何をされているんですか?」「今日はお仕事はお休みですか?」なんて聞かれたら正に地獄です(ちなみに筆者はこの手の質問には「イメージを大事にしなきゃならない特殊な仕事なのであまり話せない」と言ってバリアを張りました)。
これだけの難関がいっぱいでは、髪が伸びっぱなしでボサボサだったり自分で切って変な感じになっていたり数ヶ月切らなくていいような楽なテキトーな髪形にしていたとしても、おかしくはないでしょう。
思わず「もうちょっとちゃんとしたら…?」なんて言いたくなることもあるかもしれません。何なら髪の毛以外にもそう思うことがあるかもしれません。ですが、どうかそれを口に出す前に「身だしなみを整える余裕もないのかもしれない…」と思い出していただけたらありがたいです。
著=錦山まる/「マンガでわかるうつ病のリアル」(KADOKAWA)
【著者プロフィール】
錦山まる
2009年にプロ漫画家デビュー。月刊誌で連載を持ち単行本を出すも2013年に重度のうつ病と診断され、5年近く自宅療養の日々を送る。病気が回復するにつれ、同じようにうつ病に苦しむ方を1人でも楽にしたいと著書出版やSNSによる啓蒙活動に取り組む。著書に『「うつ」は甘え?ググれカス。』『きっと元気になれるから』他
Twitter:@nishikiyamamaru
錦山まる公認bot:@marurunzmemo
錦山まる公認YouTube:まるるんずチャンネル
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