「女の悩み」にズバリ回答!「子どもができない長男の嫁の責任って…」

女の人生、いろいろな悩みはつきません。一人で考えていないで、誰かに相談してみませんか。今回はエッセイストの高山真さんが、つらい“長男の嫁”の相談にお答えします。


【お悩み】

離島に嫁いで5年。1年目に子宮外妊娠、2年目に子宮がん、3・4年目は通院、5年目に肝臓がんになりました。夫には姉が5人いて毎年義姉たちに「子どもはまだ? できないなら離婚しろ。子どもができないと家が途絶えてしまう」といわれます。病気と年齢を考えると子どもをつくる気にはなれません。子宮外妊娠の手術後すぐに「子どもをよそからもらえ」といわれ断わりました。長男の嫁の責任……私はどうすればいいと思いますか。(北海道 カズ 43歳)


【高山さんの回答】

同年代の「肝臓がん患者」の立場から最初に。何よりも、ご自分の体を第一に考えてください。「長男の嫁」という立場も、年齢も性別も関係ない。人間は、自分を大切にして、人から大切にされなければ、他人を大切にはできません。

5人のお姉さんたちが他人につらく当たるのも、それよ。時代を考えたら、彼女たちは、“跡取り”であるご主人が先に生まれていたら、生まれてこなかったかもしれない。少なくとも、生まれたときの喜ばれ方には大きな差があったはず。生まれた瞬間から、「なんだ、女か」といわれてきた人たち……。胸が潰れるような差別だわ。この事実を認めるのは当事者にはつらすぎる。だから「差別ではない。家を守っているのだ」と、みずからにいい聞かせる女性たちは今でも多い。そして、「家を守る」という大義名分で、差別まで継承してしまうのです。ご主人とも、よく話し合ってほしいの。病気が治ったあとのこともね。あなたたちは、「子どもは、男でないと」と思う? それは、この世のすべての女性への侮辱と同じだと思うの。

もう一つ。私は、ご主人と同じ立場でもあります。田舎の、まあまあ続いた家の長男なんですよ。私は思春期前には自分がゲイだと自覚していたので、「田舎の長男として、結婚して家を継ぐのは、本当の自分を殺して生きるのと同じだ」と分かっていました。そんな人生を全力で拒否したくて、中学から高校にかけて、父親とは本当にぶつかり合いました。結局、私は自分の意志を通し、東京で独身のまま仕事をしています。30年前の、「結婚しない人間はおかしい」という圧力が非常に強かった田舎では、ありえない生き方を選択したわけです。

そして30年がたった今、田舎に住む父は、“跡継ぎ”の私に「気になるのはお前の体のことだけだ」としかいいません。「ぜいたくは敵。すべては家を守るため」といっていたのに、今では旅行好きの気のいい70代。実家近くに住む私の妹が産んだ、2人の女の子を溺愛しています。妹によれば、父は「男が1人くらい生まれればよかった」みたいなことを、一度たりとも口にしたことがないそうです。父は、人生の終幕にきて、「一人一人の人間を駒にして『家』をつなぐ」のではなく、「父自身も含めた、一人一人を大切にするために『家』の力を使う」人になった。今、私は、そんな父を心から愛しています。

私もあなたたち夫婦も、この先、新しい家族が増えるかもしれない。増えないかもしれない。いずれにしても、あなたとご主人で、お互いを大切にし続けましょう。その気持ちがあれば、あなたの体がよくなって、お子さんを産むか迎えることになったとしても、お子さんの意志も自分たちの意志と同じように大切にできるはずです。さ、まずは何より健康よ。おじいちゃん、おばあちゃんになるまで、お互いしぶとく生き抜きましょうね!

【東京ウォーカー/記事提供=レタスクラブ】