人の話を聞き流す中一息子。何度言っても響かず反省の色も見えません(後編)【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て 

Amazonでも好評価の書籍「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第50回目は、「中一の長男が人の話を聞き流す」というお悩みの後編です。


人の話を聞き流す中一息子。何度言っても響かず反省の色も見えません(後編)

【前編の概要】


3人のお子さん(中1の男の子と双子)がいる相談者クローバーさんのお悩みは、息子さんが人の話を聞き流すこと。学校でもよく注意を受けているそうですが、叱られているときも“心ここにあらず”といった感じで流してしまうということです。小さい頃からつい口うるさく言ってしまったことが、逆に聞き流すようになった原因かもと相談を受けた小川先生は、息子さんの爪を噛むクセや、ゲームや読書へののめりこみ方に注目。

どちらも“自分の居場所探し”のサインであることをから、息子さんが自分自身の存在をすごくあやふやに感じていて、“今自分はここにいる”という実感をあまり持てていないのではないかと指摘します。そういった不安感や自信のなさが、“心ここにあらず”ふわふわした感じに表れている可能性があるため、まずは息子さんの不安感を和らげてあげること。そのためには、ひとつひとつの会話を丁寧にし、息子さんの気持ちを受け止めたり、共感したりする機会を増やしていくことが大切とアドバイスしました。

【小川先生の回答】


“できたらOK”なほめ方を重ねると、子どもはしんどくなっていく

そもそも本人がなぜ実感を持てなくなってしまったのかですが、息子さんが小さかった頃に戻って、思い返してみましょう。ご自身も「あれしなさい」、「これしなさい」の指示が多かったと自覚されていましたよね。“ほめて育てる”よう意識されてきたとのことですが、指示出しをして“約束が守れたらOK”、“これができたらほめる”ということを重ねられると、ほめているつもりでも、子どもにはしんどく感じられてしまうもの。表面的にできたことをほめられても、「で、結局この人は自分のことをどう思っているんだろう?」としっくりこないのです。

また、ご夫婦で息子さんについてどんな会話をしているのか伺ったところ、お二人の関心が“何をしたか”、“何ができたか”という目に見える表面的なことに、少々偏っている気がしました。“何かをするorしない”ではなく、“何もしなくてただ一緒にいる時間”、それが“存在している時間”です。「何もしていない時間も、あなたはかわいいよね」という接し方が、少し足りなかったのではないでしょうか?息子さんは赤ちゃんの頃から爪噛みするくらい敏感な感性の持ち主ですから、表面的にジャッジされることで、自分の存在に不安を抱くようになってしまったように思えます。

自分のクセを手放せば、ありのままの子どもが見えてくる

おそらく3人の子育てで慌ただしく、ゆとりがなかったのでしょう。「家のことは自分がやらなきゃ」とお母さん自身ががんばり過ぎて、ついテキパキと指示出ししたり、結論を早く欲しがったり、目に見える結果を求めてしまったのだと思います。

でもお子さんたちが成長した今なら、そういうクセはもう手放しても大丈夫。がんばっていた時期を振り返り、「大分落ち着いてきたな」ということを再確認したうえで、緩められるところは緩めていきましょう。そのためには旦那さんの協力も不可欠です。「よくがんばってくれたね」とほめてもらうことで、クセづいた自分を手放しやすくなります。

また、ひとりでカフェに行ったり、ネイルをしてもらったりなど、自分ひとりの時間を持つことも大切。空間や人のサービスが自分のためだけに向かっていて、他に何も考えなくていい、そんな時間を1~2時間とるだけで、子どものことがよく見えるようになります。どういう子で、どういうときに気持ちが動いているかというのを改めて再発見してあげることで、息子さんも安心を手に入れられ、力を発揮するようになると思います。

コロナ禍で不安定な子どもが増えている

実はコロナ禍の影響で、最近こういうふわふわしたお子さんが急増しています。休校により先生や友達と共有する“何でもない時間”が減ったこと。コロナストレスで考えることが多く、余裕を失くしていること。そういったことが、子どもたちの不安感や不安定さを増大させてしまったのです。

そして親の方も未曽有な事態にストレスを抱えているため、子どものありのままを受け止める余裕がない。だから表面的に“やったかやらないが”や、“できたかできないか”など、目で見てすぐわかる簡単なものに飛びつきがちになっているのです。その結果、居場所を失ったような、足元がしっかりしない感じのふわふわした子が増えている気がします。こんな時代だからこそ、お子さんと肩を並べて寄り添う時間、ただ一緒にいる時間というのを意識的に増やす必要があるように思います。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。

文=酒詰明子

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■小川先生が主任相談員を務めるサイト:中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

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