夫婦でいるためにはセックスは必要? ただっちさんが考える「夫婦のセックスレス問題」

結婚3年目、夫の転勤について大阪に引っ越してきた、専業主婦のハル。家族も友人もいない街で、多忙な夫とはすれ違う日々。居場所を求めて始めた本屋のアルバイトをきっかけに、同僚である大学院生と徐々に親しくなっていき…。
『ただの主婦が東大目指してみた』でおなじみのただっちさんが、既婚妻の恋愛を描いたコミックエッセイ『夫がいても誰かを好きになっていいですか?』。著者のただっちさんに「結婚とは何か」そして「セックスレス」の問題についてお話を聞きました。全2回にわたってお届けするインタビュー。今回は2回目です。




夫婦関係を維持するためにセックスは必要?
――旅行先で気分が乗らなかっただけでセックスレスになってしまった描写にドキッとしました。実際、些細なことでレスに突入してしまう夫婦は多いと聞きますがなぜでしょうか。そうならないためには何が必要だと思いますか?
ただっち それもまた、話し合いと思いやりの不足が原因だと思っています。日本の場合は、家庭内で性的な発言がタブー視されてきたこともあって、たとえ夫婦でも大っぴらに話し合うことは恥ずかしく感じる夫婦が多いはずです。マンネリだったり、義務的に感じるようになったり、様々なレスの理由があると思うのですが、いずれも結局はお互い寄り添いあってどうしたいか、どうなりたいかを話し合うこと以外方法がないような気がします。
自分がセックスを求めている一方で、相手はセックスする気が起きなくなっているケースだと話し合うことが難しいですが、相手がどう思っているか分からないまますれ違うと、よくない妄想に取り憑かれてしまったり、傷付いたりで、精神衛生的にいいことがないと思います。
――そもそも夫婦を続けるためにセックスは必要不可欠なのでしょうか?またレスと浮気は地続きだと思いますか?
ただっち セックスを強く求めているタイプだと、浮気に発展することもあると思います。ただ、セックスは愛情を育む手段であって、夫婦関係を続けるために必須ではないと思います。
先日祖父が85歳で他界したのですが、祖母が祖父の好きなところを話したり、棺で眠る祖父にたくさん話しかける姿を見て、大きな夫婦愛を感じました。60年も一緒にいれば、いつかはセックスレスに行き着くはずです(人によるかもしれませんが)。祖父と祖母は、高齢になってからお互いに何かをプレゼントしあったり、二人でデートに行く様子がありませんでした。ただ、夫婦としていつも通りの生活を長く長く、続けていたのです。たとえ恋愛的なイベントや感情がなくなったとしても、夫婦愛は日常生活での何気ないやりとりの中で育まれていくものなんだと、強く実感する出来事でした。
夫婦としてうまく続けていくには、思いやりさえあれば、きっと特別なものも、愛を育む手段も、何もいらないんじゃないでしょうか。
既婚者でも人を好きになる気持ちは止められない

――後藤さん(アルバイト先で出会った大学院生)への気持ちが日に日に膨れ上がり、思い悩むハル。結婚したあとも「誰かを好きになる」のは悪いことでしょうか? また、そういう気持ちが湧き起こってきた時、どうしたらいいと思いますか?
ただっち 作品の中で何度か「生理現象」という言葉を出しているのですが、恋する気持ちはまさに「生理現象」なので、気持ちを抱くだけであれば決して悪いことではないと思います。
もし好きな人ができてしまったら、まずは最悪の結果になったとしても(離婚したのに結局彼と一緒になれない、慰謝料を請求される等)彼との恋愛を楽しみたいのかどうか、冷静に考えてみるといいと思います。もしそうでないなら、できるだけ彼と会わないようにするとか、積極的に嫌なところを見つけるようにして、その気持ちを忘れてしまった方がいいと思います。
恋愛感情が強くなればなるほど、主人公のハルが夫にキスをされて「気持ち悪い」と感じてしまったように、些細なことで夫にネガティブな感情を抱いてしまいやすくなるし、両思いになった時に歯止めが効かなくなってしまうので・・・。


ある意味幸せ? 前向きな選択肢が残された衝撃のラスト
――その後の展開を読者に委ねるようなインパクトのある終わり方でした。ラストをこのような形にした意図は?
ただっち 最後の展開は、「夫がいても誰かを好きになっていいですか?」の私なりの答えです。胸糞悪いラストだった、なんて感想を貰ったりしたのですが、私的にはある意味ハッピーエンドです。不倫の物語は、最後に誰か死んだりとか、孤独な生活が待っていたとか、まさに因果応報の展開が多いのですが、「夫が〜」の場合は、ああいう結末なので、前向きな選択肢が色々と残されています。不倫の物語の中では幸せなラストなんじゃないかな、と思っています。
――この漫画を描いて読者からはどんな反応がありましたか? また、今後、夫婦や家族をテーマにした作品の執筆予定などはありますか?
ただっち 何もかも最低なお話と批判する人もいれば、キュンキュンした、共感した、と言ってくれる方もいました。実際、Amazonで100件以上のレビューを頂いているのですが、いつ見ても星5と星1が同じくらいのなので、どちらが多数ということもなくまさに賛否両論です。はっきりとした執筆予定はないのですが、「夫がいても〜」の続編が見たいという声も頂いているので、いつかまた書く機会があったらいいなぁ、と思っています。
――既婚者であっても恋する気持ちは「生理現象」だから仕方ないことだけど、その感情をどう処理するかによって未来が大きく変わっていく…。あなたなら、もし夫がいても誰かを好きになってしまったら、どうしますか?
取材・文=宇都宮 薫
コミックエッセイ「夫がいても誰かを好きになっていいですか?」の結末はいかに?衝撃のラストは▼こちら▼から!
Information
ただっち
現役・東大院生。英語学習カウンセラー。ブログ『ただの主婦が東大目指してみた』が、開始後5ヶ月で1日最高28万PV、月間450万PVを記録。結婚を機に専業主婦になったものの、東大大学院の受験を決意。著書に『普通の主婦が東大大学院に合格して自分の人生を見つけた超勉強法』(KADOKAWA)、『ただの主婦が東大目指してみた』(フォレスト出版)。
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