残業代、労災、有給がもらえない…気持ちよく働きたい おとめ六法(5)

#くらし 
その労働条件は適切ですか?


「わたしが悪いのかな」…そう思ったときに読みたい、人生に寄り添う法律集。

何かトラブルにあったとき、「自分が悪かったからだ」と思い込み、一方的に自分を責めてしまう人がたくさんいます。しかし、本当にあなたが悪かったのか。相手の行いのほうが正しかったのか…。
そういった「万が一のそのとき」に何をどうすればいいのかを、弁護士である著者・上谷さくらさんが教えてくれる『おとめ六法』から、人生の悩みに寄り添い、毎日を守る大切な法律を5回連載でご紹介します。今回は第5回です。

※本記事は上谷さくらほか著の書籍『おとめ六法』から一部抜粋・編集した連載です

残業代、労災、有給がもらえない

気持ちよく働きたい


あなたを守る法律
憲法
第28条 勤労者の団結権等

勤労者の団結する権利および団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

解説

働く人の権利はどうやって守るの?

会社などで働いていると「マタハラ退職」「リストラ」「派遣切り」「雇い止め」など、嫌な言葉にぶつかることがあります。労働者は、雇う側に比べて弱い立場に置かれています。そこで労働者のさまざまな権利が法律で守られていますが、その中に「労働三権」と呼ばれるものがあります。

「労働三権」とは、労働組合とその運動に関する権利であり、次の3つで構成されています。いずれも、働くすべての人に関係する権利です。

● 団結権……労働組合を結成する権利
● 団体交渉権……労働組合が会社と交渉する権利。会社は、労働組合との交渉を断れません
● 団体行動権……ストライキのこと

労働組合は簡単に言うと、「労働者が、労働条件の改善などのために自分たちで組織した団体」のことです(労働組合法第2条)。労働者は、団結して労働組合を結成し、集団で雇用者と対峙することで、初めて対等な立場に立って、労働条件の改善のために交渉することが可能になります。

事例

 

CASE

業務が忙しくて、残業だけで年間500時間くらいになってしまう。

ANSWER

残業時間には、上限があります。通常、年間360時間を超える残業は違法です。

解説

残業は何時間までしていいの?

本来、労働基準法では、休日労働や1日8時間・週40時間を超えて労働者を働かせると違法になります(第32条)。

しかし例外的に、労働組合や労働者の代表と「協定」を結んで協定書を労働基準監督署へ提出すれば、休日に出勤をさせたり、1日8時間・週40時間を超えて一定の上限まで残業をさせたりしてもよい、とされています。この協定は、労働基準法第36条に定められているため「36協定(サブロクキョウテイ)」と呼ばれています。36協定で延長できる上限は、原則として年間360時間、月45時間までです。この時間を超えると、違法になります。

もっとも、現在ではほとんどの会社が36協定を締結しており、原則と例外が逆転しています。

著=上谷さくら、岸本学 イラスト=Caho/『おとめ六法』(KADOKAWA)

【著者プロフィール】
上谷 さくら
弁護士(第一東京弁護士会所属)。犯罪被害者支援弁護士フォーラム事務次長。第一東京弁護士会犯罪被害者に関する委員会委員。元・青山学院大学法科大学院実務家教員。福岡県出身。青山学院大学法学部卒。毎日新聞記者を経て、2007年弁護士登録。保護司。

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