100℃近いサウナでなぜやけどしないのか 誰かに話したくなる地球の雑学(78)

#趣味   
地球の雑学 その81


日本の裏側は本当にブラジル!? フグが自分の毒で死なないのはなぜ? きっと誰かに話したくなる理系のウンチクを、『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から1日1本お届け!

◇◇◇

100℃近いサウナでなぜやけどしないのか


サウナで汗をかくと、さっぱりしていい気持ちになる。だが、サウナの中は90~110℃もの高温になっている。90℃のお湯なら、ちょっと触っただけでやけどするのに、どうしてサウナでは全身を高温にさらして平気なのだろう。

この理由はいくつもある。

まず、空気は水に比べて熱を伝えにくい、つまり「熱伝導率」の低い物質である。熱いお湯に触れると、皮膚もすぐその温度になるが、空気だとゆっくり伝わるので、かぎられた時間ならやけどをしないのである。

しかも、体の周囲にある空気の層はあまり動くことがないので、周囲の温度が高くても体はすぐには熱くならない。この厚さわずか数ミリの空気の層が、皮膚をしっかり守ってくれているのである。

サウナの中ではじっとしているのが原則だが、歩いたりすると熱く感じる。これは、皮膚を覆っている空気の層が乱れるためである。

サウナでかく大量の汗も、皮膚を守ることに一役買っている。そもそも汗には体温調節機能があって、かいた汗は皮膚を覆って水分の膜をつくる。水は熱を吸収する力は大きいが、温まりにくい性質があるため、皮膚が高温になるのを遅らせる。そして、かいた汗の一部は、高温の中でどんどん蒸発する。水が蒸発するときには、周囲の熱を気化熱として奪うので、体の熱もどんどん奪われて皮膚が冷やされる。

また、サウナの中は乾燥していて湿度が低いが、湿度が低ければ熱さにも耐えやすいのだ。蒸気を満たしたサウナもあるが、その温度は40℃ほどに保たれている。通常のサウナで湿度が高かったら、たちまちやけどしてしまうだろう。

ところで、サウナに入ったあとに体重を計ると、ぐっと減っている。だがこれは、汗をかいた分の水分が体から出ただけなので、水を飲めば、残念ながらもとに戻ってしまう。

著=雑学総研/「人類なら知っておきたい 地球の雑学」(KADOKAWA)

この記事に共感したら

Information




人類なら知っておきたい 地球の雑学


『人類なら知っておきたい 地球の雑学』

思わず誰かに話したくなる「理系のウンチク」が満載! 職場で家庭で、日々の「雑談」に役立つ、動植物・天体(太陽系)・人体・天気・元素・科学史など、「理系ジャンルネタ」が存分に楽しめる必読の一冊です!


▼大人気コミックエッセイ大量配信!連載まとめ一覧▼
他の作品




本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

LINEお友だち追加バナー

おすすめ読みもの(PR)

プレゼント企画

プレゼント応募

\\ メルマガ登録で毎週プレゼント情報が届く //