「子どもが習い事をやりたいなら、俺にプレゼンしてからだ」などという夫。面倒を見るのは私なのに…/土屋礼央のお悩み相談(4)

#くらし   
夫が子どものしつけにかなり介入してきます

『ボクは食器洗いをやっていただけで、家事をやっていなかった。』4回【全4回】


結婚生活約8年の土屋礼央さんが、妻との関係や子どもとの関係を振り返り、相談者のお悩みを解決。そこから見えてきたのは、家庭の中だけではない、人間関係を円滑に進めるヒントだった!

雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載されたお悩み相談エッセイ『ボクは食器洗いをやっていただけで、家事をやっていなかった。』から、注目のお悩みと土屋さんの答えをお送りします。家族だからこそ近すぎて逆に難しい人間関係をはぐくむコツ、それは視点の切り替えにあるのかも!?

※本記事は土屋礼央著の書籍『ボクは食器洗いをやっていただけで、家事をやっていなかった。』から一部抜粋・編集しました

【お悩み】

子どもが習い事をやりたいなら、俺にプレゼンしてからだなど夫が子どものしつけにかなり介入してきます。そして介入してくるクセに、面倒はわたしがみる。どうすれば良いでしょうか?(O氏 40歳女性)

【画像を見る】どちらが子育ての監督になるか

【土屋礼央からの返答】

僕も現在7歳の息子を育てている身として子育て・しつけに関して、一体何が正解なのか? 常に右往左往しながら夫婦で取り組んでいます。

その時に参考とするのが、自分自身がどう育てられたか?だ。

絵本を沢山読んでもらって、とても嬉しかったから僕も沢山絵本を読んであげるんだ、とか。僕はあまり父親とキャッチボールをしてこなかったから、僕はいっぱいキャッチボールをしてあげたいんだ、とか。全てにおいて自分の体験からしつけや、子育て論は芽生えると思います。

僕は以前、自分がどういう考えで育てられたのか? 一度父親に聞いてみたいと思った事があります。それを聞いたダ・ヴィンチ編集部が「では対談してみましょうよ!」と動いてくれて、父である日本画家・土屋禮一との親子対談が実現しました(著書『なんだ礼央化 ダ・ヴィンチ版』に掲載)。

「お父さん、僕をどうやって育てたんですか?」

「育てたつもりはない、僕は絵を描いていただけで、礼央は勝手に大きくなっていた」
ひでぶ!!

衝撃の言葉をいただきました。

確かに父には言葉遣いに関しては厳しく言われ続けた思い出はありますが、子育ての中心は母親で、父親から「こうしろ」「ああしろ」と言われた事は一切ありませんでした。自分のやりたい様に自由に過ごさせてもらえた印象です。そんな父親の「勝手に大きくなった」という話を聞いたうえでの考えですが、愛を持って育てていれば、しつけや子育て論通りに育てようが育てまいが、子どもはそれなりには育つ(爆)。

自分で判断が出来る様に育ったら、もうそこからは自分で判断するでしょう。極論他人ですから。自分の夢を叶える存在ではありません。息子は息子です。自分で考える事が出来る様に育てるのが親の最終責任かなと思っております。

本題に戻りますが、今回のお悩みに関して、こんな価値観の僕が思うに、子育てに介入してくるクセに面倒はみない、そんな旦那、離婚しちゃえば良いんじゃないですか? 

家族をなんだと思っているんですかね、自分のモノじゃない! 

第三者の意見って本当にドライでゴメンなさいね。まぁそういう訳にはいかないでしょうから僕なりの考えですが、子育てに監督は2人いらないと思います。どちらが子育ての監督になるかです。子育てに必要なのは監督とコーチ。夫婦は平等でと言いますが、子育てに関しては平等という訳にはいかないと感じております。

子育ては組織で挑むのが良いなと。野球チームにたとえると、子どもが選手です。選手目線で言うと、監督が2人のチームの選手は指示系統がはっきりせず混乱します。監督がいて、監督の考えの下にコーチが存在し、選手の成長をサポートする。この組織がチームスポーツの鉄則。良いチームはこの組織図がとてもうまくいっている気がします。

家族もワンチームです。ではどちらが監督をやるのか?

最終的に子育ての全てを担う覚悟がある方が監督をやるべきだと思います。我が家の場合、僕が子育てをどんなに頑張ったと思ったところで、妻の子育ての負担に比べたら微生物レベルです。ほんのこれっぽっち。

保育園に子どもを預けた後、

「高熱が出たので引き取りに来てください」

という連絡も先ず妻の携帯電話が鳴るし、その一報で仕事を中断して保育園に向かってくれるのは妻。予防接種や行政的な手続きも、その流れで妻。相談するまでもなく、それらを担ってくれる妻が子育ての監督になるのは自然の流れ。全てを把握している現場監督は妻なのです。監督が思い描く子育てを支えるコーチに僕が就任しております。

え? 妻の子育て論が自分とちょっと違う?

大丈夫です。愛さえあれば子どもはそれなりには育ちます! 相談者の旦那さんはやりたい事を指示だけする、現場を知らないゼネラルマネージャー。僕はそういう考えの野球チームを知っています。

あなたはそういうチームどう思いますか?

現場をわかっていない人間の指示の中で奮闘する現場監督の方は大変です。監督の心の充実感もとても大事な要素です。コーチは監督のメンタルケアも大事な仕事の一つです。いくら子ども中心だと言っても、子育ても楽しくなきゃ。

大丈夫です、愛さえあれば子どもはそれなりには育ちます!(3度目)。

勿論旦那さんが子育ての全てを担う覚悟があるのなら、監督に就任してもらいましょう。奥様も監督とコーチの立場の逆転ありですよね? 正解はありません。でも人生は楽しいに越した事ありませんって事は正解だと思います。夫婦で話し合う事は大事です。

一度、子育てを野球の組織図に当てはめてみて

「あなたはどこがやりたい?」

みたいな話し合いをしてみてはいかがですか?
さぁ旦那さん、あなたは監督、コーチどちらがお望みで?

「えー、そんな事決められないよ! だって責任が持てない!」
決められない? このイクジなし!

著=土屋礼央/『ボクは食器洗いをやっていただけで、家事をやっていなかった。』(KADOKAWA)

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