義父母にもの忘れ外来の受診を説得!1時間半の長電話で作戦成功/子育てとばして介護かよ(5)

#くらし 
ここで引き下がるわけにもいかない

『子育てとばして介護かよ』5回【全9回】


久しぶりに会った親が「老いてきたなぁ」と感じることはありますか?
著者の島影真奈美さんは31歳で結婚し、仕事に邁進する日々を送っていました。33歳で出産する人生設計を立てていたものの、気づけば30代後半!いよいよ決断のとき…と思った矢先、なんと義父母の認知症が立て続けに発覚してしまい…。
話題の書籍『子育てとばして介護かよ』から、仕事は辞めない、同居もしない、今の暮らしを変えずに親の介護を組み込むことに成功した著者の、笑いと涙のエピソード『義父母にもの忘れ外来の受診を説得!1時間半の長電話で作戦成功』をお届けします。

※本作品は島影真奈美、川著の書籍『子育てとばして介護かよ』から一部抜粋・編集しました

もの忘れ外来に行ってみませんか?


「近々、受診したいと思います」

よっしゃ! 第一関門突破!!

でも、「家内もつれていきます」とは言ってくれない。そこで、もう一声プッシュしてみることに。

「できればご夫婦で一緒に受診していただくと、より安心かと思うんです。もしかしたら、おかあさんはイヤよっておっしゃるかもしれないんですけど……、自衛策はとっておいて損はないかなって」

認知症を疑っているわけではなく、あくまでも「備え」としての受診であることを強調する。

「家内のことは家内に聞かないとわからないので電話を代わります」

ダメか……。家長の〝鶴の一声〞で決めてくれれば話が早かったのに!

「もの忘れ外来? なんだか怖そうな名前ね。聞いてるだけでドキドキしちゃうわ。かえって調子が悪くなりそう……なんてね。ウフフ」

再び電話口に現れた義母はキャピキャピした口調で否定的な言葉を言い連ねる。今すぐ電話を切りたい。でも、ここで引き下がるわけにもいかない。義父への説明と同じ内容をひと通り伝えてみたけれど、義母にはまるで響かない。

「自衛策ねえ……きっと大事なんでしょうけど、病院に行ったら検査とかいっぱいされちゃうんでしょ? なんか怖いわよね」


おいおい、どこのかわいこちゃんだよ! 心の中で悪態をつく。このとき、義母は85歳。80代半ばにして、この女子力! あなたが繰り返し愚痴っている「2階の女性」の話のほうがよっぽど恐ろしいわ!

……とはもちろん言えないので、作戦を変更する。

「わたしね、この秋から大学院に通い始めたんですよ」

「まあ! ご専門は? どんなことを学んでいらっしゃるの?」

予想以上に食いつきがいい。義母はかつて英語教師として教壇に立っていた人だった。定年で職を離れたあとも独学で英語を勉強し続け、頼まれれば家庭教師なども引き受けていたと聞いたことがある。おそらく、学ぶことが大好きな人なのだ。そして、大学教授という権威を持ち出せば、聞く耳を持つのではないかという狙いもあった。

次ページ:もの忘れ外来って全然怖い場所じゃないらしいんですよ(2/2)

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