卵の香りが立った仕上がりに!生クリームを使わない「王道カルボナーラ」/「最高の」料理の作り方(2)

#食 
王道カルボナーラ

『最高のおにぎりの作り方』2回【全4回】


きちんとおいしいのに簡単。
理由がはっきりしているからおいしくできる!

noteでフォロワー4万人を超える人気料理家が教える「『最高の』料理の作り方」が満載のレシピ本『最高のおにぎりの作り方』。スーパーで手に入る食材を使い、家庭のキッチンで合理性を追求し、最短距離でおいしさにたどりつく…著者・樋口直哉さんならではの科学的なアプローチで、家庭料理がおいしく仕上がります。

なぜこの工程が必要なのか、どうしておいしくなるのかを科学的に分析、説明してくれる本書から、おうちで真似できる調理の方法を教えます!

※本記事は樋口直哉著の書籍『最高のおにぎりの作り方』から一部抜粋・編集しました

【最高の作り方の目指すところ】

生クリームを使わない王道レシピで卵の香りが立った仕上がり

生クリームを使わない王道レシピで卵の香りが立った仕上がり

◆材料(2人前)
卵黄 4個
パルミジャーノチーズ 30g
黒胡椒 適量
厚切りベーコン 80g
オリーブオイル 大さじ1
白ワイン 大さじ1
スパゲッティ1.8〜1.9mm 140g

◆工程
1 ボウルで卵黄、パルミジャーノチーズ、黒胡椒を混ぜる。厚切りベーコンを5mmの棒状に切り、オリーブオイルを引いたフライパンに入れ、中火にかける。周りから泡が立ってきて、焦げ色がついたらキッチンペーパーででてきた脂を拭きとる。白ワインを加え、火を止める。

ボウルで卵黄、パルミジャーノチーズ、黒胡椒を混ぜる。


2 鍋に水1L(分量外)を沸かし、塩10g(分量外)を溶かしたところで火力を弱火に落とす。スパゲッティを袋の表示時間通りにゆでる。この時、ゆで汁で盛り付ける皿も温めておく。

鍋に水1L(分量外)を沸かし、塩10g(分量外)を溶かしたところで火力を弱火に落とす。


3 1のフライパンに2のゆで汁大さじ1を加え、ゆで上がったスパゲッティを和える。フライパンを2の鍋の上に載せて、湯せんで加熱する形にし、1でつくった卵黄とチーズのソースを加える。ゴムベラなどで混ぜながら卵黄にゆっくりと火を通し(65℃が目安)器に盛り付け、仕上げにも黒胡椒を振る。

1のフライパンに2のゆで汁大さじ1を加え、ゆで上がったスパゲッティを和える


【おいしさの根拠】

湯せんで火を通すことで卵の香りが立った仕上がり

カルボナーラは人気のパスタ料理で「本場では生クリームは入れない!」「パンチェッタ(生ベーコン)ではなくグアンチャーレ(頬肉のベーコン)じゃないとカルボナーラとは呼べない」「パルミジャーノじゃなくて本場ではペコリーノロマーノを使うはず」となぜか議論になることが多い料理です。

生クリームを入れると提供温度を上げることができ、味も軽く仕上がるのですが、今回は本場のスタイルに倣って卵黄だけでつくります。家庭で生クリーム大さじ2と言われても残ったクリームの処理に困るし、少ない材料でできるからです。

卵黄だけでつくるデメリットは加熱の見極めが難しくなること。はじめに頭に入れておきたいのは卵黄の凝固温度です。卵黄は64℃くらいから粘度が上がりはじめ、70℃で完全に凝固します。つまり、狙うべき温度は65~68℃くらい。卵黄は68℃から固まりはじめるので、その前に加熱を止めたいところです。

本来のカルボナーラにはパンチェッタ(あるいはグアンチャーレ)を使うのですが、入手しやすいのはベーコン。厚切りのベーコンを使う場合、燻製臭を抑えるために湯に通す場合もありますが、今回はその工程を省略しています。

その代わりに外せないのは、キッチンペーパーででてきた脂を拭きとる工程です。脂をとりのぞくことで仕上がりが軽くなりますし、燻製臭も適度に抑えることができます(燻製の香りというのは脂に多くついています)。

あとから拭きとるのだからオリーブオイル大さじ1はいらないのでは、と思うかもしれませんが、油を入れたほうがベーコンの油脂がよく落ちます。脂は油脂と結びついて流れやすくなる性質があるからです。

本場のカルボナーラにはペコリーノロマーノという羊乳でつくったハードタイプのチーズを使いますが、今回は入手しやすいパルミジャーノチーズを使いました。他にグラナパダーノというパルミジャーノチーズの親戚のようなチーズでもおいしくできます。

チーズは使うたびに塊をすりおろすほうが経済的なのですが、面倒というのであれば粉末状になって売られている製品を使ってもかまいません。

ただ、使いたくないのはアメリカ産の粉チーズです。筒状のパッケージで販売されているアメリカ産の粉チーズはピザやナポリタンに振りかけるとおいしいのですが、カルボナーラには向かず、溶けずにダマになり、コクもでません。

さて、カルボナーラの最大の課題は「卵黄にどこまで火を入れるか」という点です。ゆで上がった熱々のスパゲッティをボウルに入れて混ぜる方式を使えば失敗のリスクはぐっと減らせますが、それではチーズも充分に溶けませんし、卵の香りがでてきません。卵かけご飯を想像してもらいたいのですが、卵はある程度熱を加えることで香りが立ってきます。

プロはフライパンを弱火にかけて、混ぜながら加熱することで絶妙な加減を実現しますが、家庭ではフライパンを弱火の湯せんにかけるのがベター。ゴムベラなどで混ぜながら、卵黄にとろみがつくまで慎重に加熱します。

カルボナーラは冷めるとソースの粘度が増し、重たい食味になってしまうので、お皿をきちんと温めておくことも大事です。器にお湯を張って温めておき、盛り付ける前に湯を捨てて、軽く拭けばOK。

皿に盛り付けて、黒胡椒を振ればカルボナーラの完成です。しっとりとしてコクのある仕上がりですが、重たく感じないのは、脂をきちんと拭きとっているから。

最後に、ロングパスタをおいしくつくることができるのは2人前くらいまでです。もっと多くの人につくる場合はショートパスタを選ぶか、何回かに分けてつくります。

カルボナーラはアメリカ人の要望から生まれた、という説もありますが、いわばイタリア版卵かけご飯。少ない材料で手早くできる便利な料理です。

著=樋口直哉/『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)

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