乳がん体験者が語る、 検診による早期発見と乳がんを知ることの大切さ

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現在、乳がんは日本では女性9人に1人が罹患。20歳前後から認められ、30歳代で増加、40歳代から60歳代前半までがピーク

乳がん検診、受けていますか? 「面倒だから」「忙しいから」という理由で検診を受けていない人も多くいるのではないでしょうか。乳がんは現在、女性のがんで最も多いがんですが、発見が早いほど命を脅かすリスクも少なくなるため、定期的に受けておくべき検診の一つです。
「検診で自分を守ることは大事な家族を守ること」と話す乳がんサバイバーの「なないお」さんの体験とともに、早期発見の大切さを紹介します。

4年前から行っていなかった検診。そして、乳がん宣告に泣き崩れたあの日


なないおさんが、乳がんと宣告されたのは2016年3月のこと。10年ほど前から乳房に小さなしこりがあり、何度か検査はしたものの、そのたびに問題ないと言われて経過観察を繰り返していました。最後に検査をしたのはその4年前。がんではないという結果が出ていたので安心していたそうです。
以降はあまり気にすることもなく、検診にも行っていませんでしたが、ある日、ふと思い出して仰向けで胸を触ってみると…、はっきりと分かるしこりが。すぐに検査の予約をしましたが、「気が気ではなかった」と言います。

迎えた検査当日。触診の後、マンモグラフィー、超音波(エコー)検査に加え、注射針を刺しての組織診をし、1週間後、乳がんと宣告。
「今までの不安が一気に崩壊するように涙が止まらなくなりました。前年に離婚したばかりの私は、発達障害を持つ小学生の子どもを2人抱えていました。私は死んでしまうの? 子どもたちは? 生活は? 仕事は? と、考えなければならないことが多すぎて、恐怖と不安で大混乱に陥りました」と振り返ります。

約半年間の抗がん剤治療中は、副作用で全身にひどいだるさを感じ、仕事をするにも限界を感じて退職(その後、同じ職場に復職)。脱毛、味覚障害、手足の指の末梢神経麻痺も経験しました。

その後、2016年12月に全摘出手術を、以降は放射線治療とホルモン療法を受け、現在も10年間に及ぶホルモン治療は続いていますが、幸い再発はしておらず、元気に日常生活を送っています。

家族を大切に思うからこそ、きちんと受けておくべき定期健診


「もし毎年検診を受けていたら、もっと早く発見できたのに」。
なないおさんが乳がんの宣告をされた際、医師はこう言ったそうです。

「乳がんは50代以上に多いと思われがちですが、30代や40代にも多い病気。子育てや仕事に忙しい世代はなかなか自分のケアができず、どうしても後回しにしてしまいますが、本当は自分を一番に考えないといけません。自分が調子を崩してしまうと、家族もみんな共倒れになってしまうからです。『子どもや家族を大切に思うなら、まず自分を大事にすること』と、みなさんに伝えたいです」

「闘病中は孤立しないことも大事」となないおさん。自身はツイッターで思いを吐き出すことに救われていたそう。「同じ体験をされた方が声をかけてくださったり、話を聞いてもらったこともたくさんありました」


簡単な検診で早期に見つけられる乳がん。早いほど生存率も上がります


乳がんの早期発見について、東京・中目黒にある「すわやまクリニック」院長の田島厳吾先生にお聞きしました。

「乳がんは、しこりがあったとしても、基本的に痛くもかゆくもありません。1~2cmのしこりになると、自分でさわってわかるようになりますが、2cmを超えるとすでに2期(ステージⅡ)に入っています。乳がんは、しこりが2㎝以下である1期(ステージⅠ)の段階では9割以上が治ると言われていますが、この段階ではセルフチェックでの早期発見は難しいため、マンモグラフィー検査や超音波(エコー)検査で早期に発見することが重要となります」

乳がんの10年生存率(1990年治療開始。日本乳癌学会「全国乳がん患者登録調査報告第29号」より)は、1期で89.10%、2期で78.60%。1段階でもかなりの差が出るのです。

「どのがんでもそうですが、特に乳がんは早期で見つかれば、ほとんどの人が治ります。加えて、乳がんは比較的簡単な検診で早期に見つけやすいがんです。乳がん検診は、日ごろから意識して定期的に受けておきたい検診だといえます」

自治体から送られてくる乳がん検診のクーポン券。厚生労働省の補助により、無料で受けられる場合も


特に留意しておきたいのは、家族の既往歴や出産・授乳経験だと言います。
「乳がんを経験した母親や姉妹を持つ人は、そうでない人より乳がんにかかる割合が上がるというデータがあります。また、出産・授乳の回数や期間が長い人のほうが乳がんにかかるリスクは低く、出産・授乳経験がない人のほうがかかる割合が高いこともわかっています。現在は、子どもを持たずに働く女性も多いですが、このような人は特に気を付けて検診を受けることをおすすめします」

そして、初潮が早く、閉経が遅い人も、自らで注意して定期検診を受けるべきとも。
「初潮のころから分泌量が増えるエストロゲンは、乳房の発育に関わる大切な女性ホルモンですが、乳がんの発生や増殖にも深く関わっています。エストロゲンの分泌期間が長い人は、乳がんのリスクが高いと考えられています。閉経後に更年期障害の治療などでホルモン補充療法をしている人も気を付けたほうがいいと思います」

10月第3日曜の「マンモグラフィーサンデー」は定期検診のいい機会!


では、乳がんの検診とはどのようなものなのでしょうか。
「視診、触診、そして、マンモグラフィー検査(乳房専用のX線検査)を行います。マンモグラフィー検査は乳房を板で挟んで平たくし、Ⅹ線で小さいしこりや、しこりになる前の石灰化を発見するための検査。早くから普及しているため検査データも多く、確実に死亡率を減らせる基本の検査とされています」

マンモグラフィー検査は、女性がぜひ受けたい乳がんの検査ですが、仕事や家事、育児などで忙しく、平⽇は検診の時間が取れないという人も多いのでは? そんな人のために、認定NPO法人J.POSHでは、「ジャパン・マンモグラフィーサンデー(JMSプログラム)」という取り組みを2009年より行っています。
10月第3日曜に、322の全国の医療機関や自治体でマンモグラフィー検査が受けられるというもので、今年は10月17日(日)がその日に当たります。

「平日忙しい女性が日曜に検診を受けることができ、検診の機会も増えるので、大変いい取り組みだと思います」と、田島先生も話します。

マンモグラフィー検査は5分ほどで終了。「痛みには個人差があり、機械の性能によっても感じ方が異なります」(田島先生)


マンモグラフィーと超音波(エコー)検査をセットで受ければなお安心!


乳がん検診には、マンモグラフィー検査のほかに、超音波(エコー)検査も多く行われています。胸に超音波を当ててしこりの大きさや位置を確認する検査で、市区町村が主導する乳がん検診には含まれていないことが多いですが、民間のクリニックや人間ドックで受けることができます。

田島先生は、マンモグラフィー検査と、超音波検査の両方をセットで行うことを推奨しています。
「乳腺の密度が濃い、高濃度乳腺の人は、マンモグラフィーの画像では乳房全体が白っぽく写り、同じく白く写るがんを見つけにくくなりますが、超音波検査ならよく見えるためです」

一つの検査だけで100%正しい答えが出るわけではありません。マンモグラフィー検査だけを受けて安心せず、超音波検査もセットで受けておけば、より早く乳がんが見つかる確率が高くなるのです。

乳がん検診は、厚生労働省では40歳以上になったら2年に1回受けるようにと指針を出していますが、田島先生はできれば1年に1回受けることをすすめています。
2021年10月17日(日)のジャパン・マンモグラフィーサンデーをきっかけに、検診を受けるのもいいかもしれません。
大切な自分、そして家族を守るために、今年はぜひ乳がん検診を受けてみませんか?


文=岡田知子(BLOOM)
医療監修=すわやまクリニック院長 田島厳吾

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Information

2021年10月17日はジャパン・マンモグラフィーサンデーです

「ジャパン・マンモグラフィーサンデー(JMSプログラム)」は、子育て・介護・仕事・家事等で忙しく、平日に病院に行けない女性が日曜日に検診が受けられるよう認定NPO法人J.POSHと全国の医療機関が協力して行う運動です。2021年は10月17日に開催されます。
東京海上日動あんしん生命は毎年全国で代理店さん・社員がリーフレットの街頭配布を行い、ジャパン・マンモグラフィーサンデーの案内を行って参りました。

▶ジャパン・マンモグラフィーサンデーの詳しい内容を見に行く


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