自分の今の時給はいくら? 会社が設定したサラリーマンとしての価値は…/サイフの穴をふさぐには?(2)

#くらし   
自分の時給を計算してみよう

『サイフの穴をふさぐには?』2回【全7回】


家族の将来や、自身の老後を見すえて「今よりも貯蓄を増やしたい!」と思っている方は多いでしょう。貯蓄を増やすためにまず思い浮かぶのは節約ですが、「節約してもお金がなかなか貯まらない」という話もよく耳にします。

元銀行員でブログなどでお金に関する情報を発信するオロゴンさんは、「貯蓄を始めるなら、まずは身のまわりのお金や社会のルールに目を向けることが必要」と語ります。

貯金がゼロなら節約はもちろん必要ですが、貯蓄を増やしていくためには、給与明細をきちんと確認したり、投資について勉強するなど、お金の情報をきちんと知ることが大切なのだそうです。

『サイフの穴をふさぐには? 学校も会社も教えてくれない税とお金と社会の真実』(KADOKAWA)から、「自分の今の時給はいくら? 会社が設定したサラリーマンとしての価値は…」を紹介します。
「貯蓄って何から始めたらいいんだろう?」そんな方がまずすべきことを、イチから学ぶことができます。

※本作品は著/オロゴン、監修/大河内 薫の書籍『サイフの穴をふさぐには? 学校も会社も教えてくれない税とお金と社会の真実』から一部抜粋・編集しました


自分の今の時給はいくら? 会社が設定したサラリーマンとしての価値は…

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【主人公】ごく普通のサラリーマンの僕は、お金があるとつい使ってしまうタイプで貯金もない。

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【フゴー】ふとクローゼットの奥からブタの貯金箱を取り出すと、ブタの貯金箱は自分のことを「金と知恵の神、フゴー・マネーリテ」と名乗り、「お金」について話し始めた…!

まずは2人で僕の給与明細をチェックしてみることに――。

給与明細からどんな情報がわかる?

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フゴー:「まずは明細中段の“支給”欄からくわしく見ていこか。
まず、基本給。これは残業とかを一切しない場合に払われる、ベースになる給料や。
で、“時間外労働手当”っていうのは、いわゆる残業代やな。何時間分の残業でこの金額になっているのかは、下にある勤怠欄を見ればわかる。自分のサラリーマンとしての時給は、残業代を残業時間で割り算すればだいたい計算できるっちゅうことやな」

自分の「時給」。社会人になってから、そんなこと気にしたこともなかった。さっそく電卓アプリを立ち上げて、計算をしてみる。

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僕:「30時間で46,875円だから、時給だと1,500円ちょっとか」

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フゴー:「そういうことやな。ただ、これはあくまで残業したときの時給や。残業代ってのは、法律で通常の時給の1.25倍にすることに決まってるから、これをさらに1.25で割ってやると……、会社が自分に対して設定している基本時給は1,250円ってことになるな。この“自分の1時間の価値”は、いつも意識しておいた方がええで。これは、ソウタのサラリーマンとしての価値を表す、1つの指標やからな」

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僕:「時給1,250円か。学生時代にやっていたアルバイトの時給と比較してみると、さすがに少しは高く感じるけど……。……ん? 待てよ?
あれ? 入社したときの基本給はたしか20万円だったはずだよ。4年もたつのに、基本給が上がったのはたったの2万円……?」

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フゴー:「4年で2万円の月給アップっちゅうことは……、1カ月は土日除くと約22日あるから、毎日8時間勤務として196時間……。うん、時給で言うたら、100円くらいのアップやなぁ」

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僕:「100円!? 課長にさんざんイヤミを言われながら4年も働いたってのに? もっと給料は上がっている気がしてたけど、あれは残業分が増えただけってこと……?」

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フゴー:「残念やけどそういうこっちゃ。まあ、これは多くのサラリーマンが勘違いしがちなところでな。会社に入って年を重ねると、責任も仕事も増える。その分残業が増え、残業代が増えたことを「給料が上がった」とある意味勘違いしているんや」

フゴーの伝える悲しい現実に、僕は言葉を失ってしまう。

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フゴー:「まあ、落ち込んでたってしゃあない。あと支給の欄にある残りの項目のうち、通勤手当は、1カ月分の交通費やな。で、住宅手当の2万円は、いわゆる家賃補助や」

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僕:「普段意識したことなかったけど、そういう通勤や生活に必要になるお金も、会社が負担してくれているわけか」

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フゴー:「そうやな。ただ、住宅手当は会社独自の福利厚生やから、会社によってはないところも多いんや」

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僕:「そうなの?みんながもらえるものじゃないんだ」

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フゴー:「そうや。せやから、会社を選ぶときには、そういった福利厚生面も総合的に見ておかなアカンわけやな」


【Point】
・「額面」=総支給額、会社から支給される給料の総額
・「手取り」=税金や社会保険料が引かれた後の、僕らが実際に手にするお金
・給料の話になったら、それが「額面」なのか「手取り」なのかをハッキリさせておく
・残業時間と残業代から、自分の「時給」が逆算できる
・「基本給」と「残業代」の割合を頭に入れておく

■著者/オロゴン
都市銀行で10年勤めた後、ベンチャー企業経営者を経て個人独立。
経営者として事業を軌道に乗せる過程で、サラリーマン時代には知らなかったお金や社会のルールが多く存在することに衝撃を受け、独立した2018年より、ブログ・Twitter・ネットラジオVoicyにて情報発信を開始。社会やお金のしくみをわかりやすく伝えるスタイルが多くの支持を集める。

■監修/大河内 薫
税理士。株式会社ArtBiz代表取締役。
日本大学芸術学部卒。「税知識をカジュアルに」をモットーに、YouTubeやTwitterで一般向けに税知識を発信。「お堅い・まじめ」などの税理士イメージを打破し、税金を学ぶことへのハードルを下げる活動に従事。また、日本では稀な芸術学部出身の税理士として、クリエイターや芸術・芸能系のクライアントに特化

著=オロゴン、監修=大河内 薫/『サイフの穴をふさぐには? 学校も会社も教えてくれない税とお金と社会の真実』(KADOKAWA)

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