ココを押さえれば失敗しない!プロが教える、お菓子づくり基本道具の選び方【まぜる、のばす・焼く編】

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お菓子づくりにはいくつかの道具が必要です。でも、初心者は選び方のツボを知らないので、どんなものを買っていいのか迷うはず。そこで、お菓子づくりのプロであり、数々のお菓子レシピ本を発表している森崎繭香先生に、製菓道具の選び方について聞きました。揃えておきたい基本的な道具を、4回に渡ってご紹介します。2回目は、お菓子づくりに欠かせない「まぜる・のばす・焼く」編です。


森崎繭香先生

森崎繭香(もりさき・まゆか)
お菓子・料理研究家。シンプルな材料とだれでも失敗なく再現できる、今どきのスイーツが大好評。人とワンコが仲良くいっしょに食べられる、無添加おやつのオンラインショップも運営している。

材料をまぜるための道具

料理でも頻繁に行う工程なので、アドバイスなんかなくても大丈夫。なんて思ったら大間違い!お菓子づくりには、お菓子づくりならではのセレクトポイントがあるのです。

ボウル

どんなときに使うの?
材料を混ぜ合わせるとき、生クリームを泡立てるときなどに使います。料理に使っているものを流用してもかまいません。

どんなものがいいの?
直径23cm前後で、ある程度深さがあり、底に溝などがない、ステンレス製のボウルがおすすめです。浅いボウルだと、ハンドミキサーなどで生クリームを泡立てるときに飛び散りやすく、底に溝があると、へらで生地をすくうときに取り切れないことがあります。また、ハンドミキサーを使うときは、プラスチック製のボウルは傷つきやすいので、避けたほうが無難です。
お菓子づくりのことだけを考えれば、熱伝導がいいステンレス製が最適です。バターを湯煎するときも、生クリームを泡立てるために氷水にあてるときも、すぐに温まったり冷えたりするからです。ただし、電子レンジを使ったお菓子をよくつくる方、料理で電子レンジをよく使う方は、耐熱ガラス製のボウルもあったほうがいいと思います。ガラスのボウルは重いですが、その分安定感があるので、生地を混ぜるときにも使いやすいのです。
生クリームを泡立てる、卵黄と卵白をわける、といった場合のために、ボウルは大サイズと中サイズの2つあるほうが使いやすいでしょう。料理の幅も広がります。

ボウルのおすすめ商品

柳宗理 ステンレス ボール 23cm

柳宗理 ステンレス ボール 23cm

日本を代表するインダストリアルデザイナー・柳宗理 が、料理研究家や主婦の意見を参考に、研究を重ねてデザインしたステンレスボウル。頑丈で壊れにくく、さびにくいうえ、お手入れが簡単なステンレスを使用しています。ボウルの底に適度な重さがあり、安定感があるのも使いやすい。直径13~27cmまで、いくつかのサイズがあります。


和平フレイズ Nクリスティ深型ボール3点セット

和平フレイズ Nクリスティ深型ボール3点セット

直径15、18、21cmの、深型ボウル3点セットです。においがつきにくく、丈夫で汚れが落としやすいステンレス製。3サイズあるので、大きさの違うボウルを組み合わせやすく、湯せん、生クリームや卵の泡立てなどに便利です。料理にも幅広く使えます。重ねられるので、コンパクトに収納できるのもメリットです。



泡だて器

 

どんなときに使うの?
小麦粉と卵、牛乳などを混ぜ合わせるときや、生クリームや卵白を泡立てるときに使います。

どんなものがいいの?
料理でも使用頻度が高い道具なので、つくりのしっかりしたものを選んでください。生クリームの泡だてなどを考えると、ワイヤーに程よい硬さがあり、本数もある程度多いほうがいいでしょう。100円ショップで売っているような泡だて器だと、ワイヤーが柔らかすぎるし本数が少なすぎて、泡だてるのに時間がかかります。とはいえ、あまりにワイヤーの数が多いと、抵抗が強くなって硬めの生地を混ぜるときに大変なので、ワイヤーの本数は24本前後がいいでしょう。洗いやすくて丈夫なステンレス製がおすすめです。
どんな泡だて器でも、卵白や生クリームを泡だてるにはそれなりに時間がかかるので、使っていて疲れないことも大事です。ボウルの大きさはもちろん、自分の手の大きさに合う太さや長さのものを選んでください。一般的には、直径20cm前後のボウルで作業をするなら、長さ25~30cmの泡だて器がいいでしょう。

泡だて器のおすすめ商品

寿菓工精器 シルバー泡立 #9

寿菓工精器 シルバー泡立 #9

1本1本のワイヤーがしっかりしていて、グリップが握りやすいので、メレンゲの泡だてから生地の練りあげまで、あらゆる用途に使える万能タイプです。本体はステンレス製で、ワイヤー取付部に抗菌樹脂を使用し、柔軟性を持たせてあります。こちらは一般に使いやすい長さ27cmのタイプですが、21cmからさまざまな長さのものがあります。



ナガオ ステンレス泡立て線材24本

ナガオ ステンレス泡立て線材24本  

プロ仕様の本格的なタイプ。一般的な泡だて器の倍、24本のワイヤーを使っているので、すばやく、きめ細かく、泡だてができます。ステンレス製のワイヤーは根元部分が溶接され、持ち手に水が入らない構造になっているので、衛生的です。こちらは長さ30cmですが、長さ25cmや35cmもあります。





へら

 

どんなときに使うの?
小麦粉や卵を使った生地を混ぜるときや、ボウルからほかの容器に生地を移すときに使います。

どんなものがいいの?
多くはゴムベラですが、なかでもホワイトソースなどの熱い料理にも使える、耐熱性にすぐれたシリコン製のものがおすすめです。衛生面を考えると、持ち手部分とへら部分に継ぎ目がなく、一体になったものがいいでしょう。
お菓子をつくるときは、クッキーのような硬めの生地、スポンジケーキのようなフワフワの生地、カスタードクリームのような粘度の高い生地など、さまざまな生地に対応する必要があります。そのため、ヘラ部分が柔らかすぎず、硬すぎない、適度にしなるものを選んでください。


へらのおすすめ商品


タイガークラウン ウィズ シリコーンゴムヘラ 大

タイガークラウン ウィズ シリコーンゴムヘラ 大

ステンレスの芯棒をシリコンで覆っているので、腰が強く、弾力性と柔軟性が抜群です。丈夫で長持ちするのはもちろん、高温・低温の調理にも安心して使えます。やわらかいシリコンゴムは、ボウルを傷つけることがありません。へらと持ち手が一体成型だから、汚れがつきにくく、衛生的です。細身の小サイズもあります。



ナガオ ウィズ シリコンゴムヘラ 大

ナガオ ウィズ シリコンゴムヘラ 大 

ステンレスの中芯を、シリコンで持ち手まで一体成型したへらは、耐久性と使いやすさを両立。どこにもつなぎ目がないので汚れがたまらず、衛生的に使用できます。耐熱温度は250度で、食洗器も使用可能だから、お菓子づくりはもちろん、炒め物などの料理にも幅広く活用できます。色は定番のホワイトと、シックなブラックの2色です。





材料をのばす・焼くための道具


お菓子づくり独特のステップなので、選び方に迷うアイテムが多いはず。選ぶ際のポイントのひとつは「使用頻度」です。

めん棒

 

どんなときに使うの?
クッキーやパイの生地を、薄くのばすときに使います。

どんなものがいいの?
長さ30cm、直径3~3.5cmくらいの、木製のものが使いやすいでしょう。衛生的で、冷蔵庫で冷やしてから使えば生地を冷たく保てるステンレス製もいいのですが、最初は重すぎなくて使いやすい木製の方がいいと思います。生地が張りつかないよう、木の表面が滑らかなものを選んでください。
さほど使用頻度は高くない道具なので、たまにクッキーを焼く程度なら、100円ショップの商品でも大丈夫ですが、軽すぎないものを選びましょう。

めん棒のおすすめ商品


霜鳥製作所 木製 ケーキめん棒 中

霜鳥製作所 木製 ケーキめん棒 中 

もの作りの街・新潟県燕市で製菓用品を幅広く製造・販売する霜鳥製作所。めん棒は直径3cm、長さ36cm、重さ184gと使いやすい大きさで、天然のブナ材を使っているから、しっくりと手になじみます。長さ30cmの小サイズ、45cmの大サイズもあります。



貝印 均等にのばせるリング付きめん棒

貝印 均等にのばせるリング付きめん棒 

直径3.8cm、長さ36cm、重さ165gの、天然木のめん棒です。両端にリングがついているから、約4mmの厚さに、生地を均等にのばすことができます。




オーブンシート

 

どんなときに使うの?
クッキーやパイを焼く際に使います。天板などに生地がくっつくのを防ぐため、天板の上に敷いたり、ケーキ型の中に敷き込んだりします。

どんなものがいいの?
大きく分けて、シリコン樹脂加工の紙などでできた使い捨てのもの、グラスファイバー製などで、洗って繰り返し使えるものの2種類があります。
どちらを使ってもいいのですが、お菓子づくりの頻度が高い方は、コスト面からも、繰り返し使えるタイプのほうがいいでしょう。このタイプはカットして使えるものが多いので、あらかじめオーブンの天板のサイズや、よく使うケーキ型のサイズに合わせて切っておくと便利です。
たまにしか使わない方は、使い捨てのオーブンシートで十分。ただし、この場合も、自宅オーブンの天板サイズに合うものを買うほうがラクです。

オーブンシートのおすすめ商品

MATFER(マトファ)テフロンベーキングシート

MATFER(マトファ)テフロンベーキングシート

フランス・Matfer(マトファ)社のオーブンシートです。ガラス繊維にテフロン樹脂を十分に浸透させ、焼成したものなので、抜群の強度をもっています。 オーブンでお菓子を焼くときはもちろん、蒸し料理、冷凍、チョコレートづくりなどにも使えます。ハサミで自由に切れるので、焼き型の敷紙にもできますし、何度も洗って使えるので経済的です。大きさは1枚38.5cm×30cmです。



アルファミック オーブンペーパー 無漂白

アルファミック オーブンペーパー 無漂白

シリコン加工した無漂白の調理用ペーパーです。気軽に使える使い捨てタイプ。食材がくっつかないので、お菓子づくりのほか、油を控えたい焼き物調理のとき、フライパンを汚したくないときなどにもおすすめです。30cm×50mなので、たっぷり使えます。



 

どんなときに使うの?
ケーキなどを焼くために使います。チョコレートケーキやパンなどにも使えるので、最初に買うなら四角いパウンドケーキ型がおすすめです。

どんなものがいいの?
パウンドケーキ型について言えば、まずは最も一般的な18cm型と呼ばれる「長さ18cm×幅8cm×高さ6cm」程度のものを選ぶといいでしょう。さびにくいためお手入れが比較的ラクで、熱伝導性がいい、ステンレス製がおすすめです。
初心者は、型から生地を取り出しやすいようフッ素加工やテフロン加工をしたものを使うのもいいと思います。ただ、同じ型でプリンとかテリーヌなどもつくるなら、より熱伝導性が高い加工ナシのタイプのほうが、幅広い用途に使えていいでしょう。マドレーヌ型のような、お菓子専用のものなら加工アリがおすすめです。
ホールケーキ用の丸型のものは、底がはずれるタイプを選ぶと、型からはずすときに形が崩れにくくなります。こちらも、汎用性を求めるなら、底がはずれないタイプのほうがいいと思います。

型のおすすめ商品

霜鳥製作所 パウンドケーキ型 小

霜鳥製作所 パウンドケーキ型 小

幅8cm、長さ17.5cm、高さ6cmのステンレス製です。ミニから特大まで、5つのサイズがあります。



遠藤商事かみ合わせパウンドケーキ型 小

遠藤商事かみ合わせパウンドケーキ型 小

幅9.5cm、長さ18.8cm 、高さ6 cmのステンレス製。使いやすいサイズのパウンドケーキ型です。中サイズ、大サイズもあります。



製菓用品は100円ショップでも手に入りますが、ぜひ品質のいいものを選んでください。とくに泡だて器とへらは、作業の効率やできばえに関わるのでよいものを選ぶとよいでしょう。

取材・文=春日あずさ

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