災害発生時に大きくなる感染症のリスク/岡田晴恵先生の「家族と自分を感染症から守るには」(3)

#くらし 
災害によって発生しやすい感染症もある

『家族と自分を感染症から守る本』3回【全11回】


ニュースで毎日目にする「新型コロナ」の文字。パンデミックによって、感染症は身近な病気なのだと改めて意識した人は多いのではないでしょうか。

でも、感染症は新型コロナウイルスだけではありません。
家庭でよく起こる様々な感染症について、感染症研究の専門家である岡田晴恵先生が、イラストと図解でわかりやすく解説した『予防と対策がよくわかる 家族と自分を感染症から守る本』。本書から、知ってるようで知らない「そもそも感染症って何?」や、今さら人に聞けない「日常生活で気をつけることは?」といった基本的知識をご紹介します。

症状や対処法を知って日頃からできることを実践し、大切な家族と自分自身を守っていきたいですね。

※本作品は著/岡田晴恵、監修/小林弘幸の書籍『予防と対策がよくわかる 家族と自分を感染症から守る本』から一部抜粋・編集しました

災害と感染症

地震や豪雨など、日本で暮らしていくうえでは自然災害は避けて通れない問題です。そしてなお悪いことに、災害によって発生しやすい感染症もあるのです。

1.災害下の感染症

災害発生時には、主に以下のような理由によって感染症のリスクが大きくなるといわれています。

1 電気・ガス・水道などライフラインの停止
2 生活環境の悪化(清潔な水の不足、衛生環境の悪化、栄養不足、避難所での人の密集など)
3 医療システムの混乱・崩壊

その結果、災害時には様々な感染症が発生することになります。その原因も傷口からの感染、汚染された水からの感染、ノミ・ダニ等の動物を介しての感染、避難所内での接触感染・飛沫感染・空気感染など様々です。

こうした状況を防ぐため、災害発生後には換気、手洗いやトイレの消毒などの基本的な感染症対策がより重要となります。

2.特に気をつけたい破傷風

ここでは災害時に気をつけたい感染症のひとつとして破傷風をとりあげます。

破傷風は土や泥水の中にいる細菌の破傷風菌が傷口から侵入することによって起こります。深い傷はもちろん非常に小さな傷口からでも入り込み、感染してしまうことがあります。口が開けにくいなどの症状からはじまって、全身のけいれんなどに至り、最悪の場合死亡します。災害下では避難中などに受傷したり、すぐに傷をきれいな水で洗い流せなかったりといったことがあるため、感染者が出てしまうのです。

幸いなことに現在は定期接種となっているDPT-IPV(ジフテリア、百日ぜき、破傷風、ポリオ四種混合)ワクチンの接種によって予防が可能ですが、追加接種が必要な方も相当数いると考えられます。なぜなら1968年以前は破傷風トキソイドワクチンは定期接種とはなっておらず、1975~1981年には接種が中止されていたうえ、最後の接種から10年以上経つとワクチン免疫が低下してしまうからです。

ぜひ母子手帳で接種歴を確認のうえ、追加接種を検討してみてください。

災害によって発生しやすい感染症もある


著者プロフィール

 著/岡田晴恵

著者/岡田 晴恵
白鷗大学教育学部教授。共立薬科大学大学院修士課程修了、順天堂大学大学院医学研究科博士課程中退。アレクサンダー・フォン・フンボルト奨励研究員としてドイツ・マールブルク大学医学部ウイルス学研究所に留学、国立感染症研究所研究員、経団連21世紀政策研究所 シニア・アソシエイトなどを歴任、現職に至る。

 監修/小林弘幸

監修/小林 弘幸
順天堂大学医学部教授、日本スポーツ協会公認スポーツドクター。1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学大学院医学研究科(小児外科)博士課程修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学医学部小児外科学講師・助教授を歴任、現職に至る。自律神経研究の第一人者としてプロスポーツ選手・アーティスト・文化人へのコンディショニング・パフォーマンス向上指導にかかわる。

著=岡田晴恵、監修=小林弘幸/『予防と対策がよくわかる 家族と自分を感染症から守る本』(KADOKAWA)

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