介護離職をどう防ぐ?仕事を辞めずに親の介護と向き合う/安藤なつの「知っトク介護」(3)

介護歴が約20年という、お笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつさん。そんな安藤さんと共に、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんから介護のことを学べるのが『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』です。
「親の介護」で損をせずにおトクに便利に過ごすために知っておきたいことを肝心なところだけまとめた本書。給付や補助が受けられる制度や、自治体や民間のサービスなど、プロの手を上手に借りられる方法をご紹介します。
※本記事は安藤なつ(メイプル超合金)、太田差惠子著の書籍『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』から一部抜粋・編集しました
介護離職をどう防ぐ?
仕事を辞めずに親の介護と向き合う
お笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつさんと、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんの会話形式でわかりやすく「介護」のリアルと乗り切るコツをお送りします。
・介護離職はアナタのお金も心も脅かす
・働く人のための介護サポートを知る
・介護休業は介護体制を整えるために利用する
安藤なつ(以下、安藤):子どもがメインで親の介護をすることになると、やっぱり仕事は辞めなくちゃならないのでしょうか? 105歳まで生きることを考えると私だったら、仕事と介護を一緒にやりたいです!
太田差惠子(以下、太田):その考え方が正しいと私は思っています。みなさん、仕事を辞めないと介護する時間がない!と考えがちですが、そんなことはありませんよ。
安藤:そのためにサービスや制度のことを理解してどんどん活用するんですよね。
太田:そうです。辞めなくてもできる介護の方法はあります。それに、介護のためにと仕事を辞めてしまうと、子どもの収入はゼロになりますよね。たとえば、年収 450万円で働いていた人が、4 年間介護の間を離職すると、1800万円の損失ということになります。
安藤:1800万円!それは大きい!
太田:介護が終わったとしても、子ども自身の老後もすぐそこに見えていて、自分にも介護が必要になるときが来るかもしれません。
安藤:そう考えると、急いで辞める決断をするのは、危険ですね。

太田:介護のために仕事を辞めると、経済的な打撃があるということは想像つきますが、実は「精神的」「肉体的」にもダメージがあるんです。
安藤:えっ! 介護に専念するから体力的には楽なのでは?
太田:介護を機に仕事を辞めた人の負担感のデータを見てみると、精神面では約64%、肉体面では約56%の人が、負担が増したと回答しています。だからこそ、仕事と介護の両立を目指すことは大事なんです。
安藤:えええ!! そんなに。 お金に困るのは想像できるけど、心も体も負担が増えるなんて、 意外でした。