介護に関する無料のよろず相談所!? 「地域包括支援センター」って何?/安藤なつの「知っトク介護」(6)

介護歴が約20年という、お笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつさん。そんな安藤さんと共に、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんから介護のことを学べるのが『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』です。
「親の介護」で損をせずにおトクに便利に過ごすために知っておきたいことを肝心なところだけまとめた本書。給付や補助が受けられる制度や、自治体や民間のサービスなど、プロの手を上手に借りられる方法をご紹介します。
※本記事は安藤なつ(メイプル超合金)、太田差惠子著の書籍『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』から一部抜粋・編集しました
65歳からの健康・介護にかかわる相談窓口
「地域包括支援センター」をまず押さえよう
お笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつさんと、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんの会話形式でわかりやすく「介護」のリアルと乗り切るコツをお送りします。
・介護の最初の相談窓口
・親でも子どもでも困りごとはすべて相談
・相談は親の住所地にある地域包括支援センターへ
安藤なつ(以下、安藤):親の介護について不安になった時、いつ何からはじめたらいいのかさっぱりわかりません!
太田差惠子(以下、太田):親について少しでも心配なことがあると感じたら、親が住む地域の「地域包括支援センター」に相談するといいですよ。
安藤:ちいきほうかつとは?
太田:「地域包括支援センター」とは、介護についての総合相談窓口的な役割を担っている施設のこと。中学校の学区に1カ所程度設置されていて、全国で5200カ所以上、支所も含めると7300カ所以上もあります。
安藤:そんなに沢山あるんですね。じゃあ、自分の家の近所で探してみようかな?
太田:ちょっと待った! 親が住む地域を管轄するセンターのほうがいいですよ。というのも、住んでいる自治体によって行われているサービス内容は異なるからです。センターの管轄は、住所地ごとに決まっています。親の暮らす地域を管轄するセンターがどこかわからなければ、役所に問い合わせれば必ず教えてくれます。電話で相談することもできるので、親の様子で心配なことがあったら、相談してみましょう。
安藤:具体的には何をしてくれるのですか?
太田:相談できることは、下図のように多岐にわたります。もし、地域包括支援センターで対応できないことでも、問い合わせ先を教えてくれるなど何かしらのサポートはしてくれます。社会福祉士・保健師・主任ケアマネジャーなどの資格を持つ職員が、本人だけじゃなく、その家族の相談にものってくれます。相談は、無料なので気軽に利用してみてください。
安藤:無料なんですか!それなら、相談しやすいですね。

太田:地域包括支援センターの役割を一言でいうと、高齢者の「困った!」をなんでもサポートしてくれる「よろず相談所」というイメージです。たとえば、介護が必要な段階じゃなくても、「健康のために体を動かしたい」という悩みに、運動教室を紹介してくれたり、「1人暮らしで話し相手がいないから寂しい」という人には、地域の人と触れ合えるサークル活動や話し相手のボランティアを紹介してくれたりと、生活全般のお手伝いをしてくれます。「最近、物忘れが多くて困っている」という悩みにも、センターで相談にのってくれます。親の様子が心配だからといきなり「病院へ行こう!」だと、親の抵抗にあうこともありますが、地域包括支援センターにちょっと相談してみるということなら、親も重く受け止めないかもしれません。
安藤:なるほど!日常の小さい悩みは、離れて暮らしている子どもはなかなかサポートできないから、とてもありがたい存在ですね。
太田:子どもが実家に何度電話をかけても、親が電話に出てくれず、困ってしまって、地域包括支援センターへ相談の電話をしたら、代わりに様子を見に行ってくれたという話もありますよ。
介護保険制度についての相談や、要介護認定の手続きも代理でやってくれます。また、自治体で独自に取り組んでいるサービスもあるので、親の住む地域の地域包括支援センターは、一度チェックしておいてください。
安藤:帰省したついでに、親と一緒に行ってみるというのもいいかもしれませんね。
例えばこんなときに気軽に連絡してみましょう
・最近、物忘れがひどくて…。探し物ばかりしている
・今の健康を保つために体を動かしたい
・親に介護が必要かどうかもわからない
・日々の困りごとをどこに相談したらいいのかわからない
・離れて暮らす親の見守り方法を相談したい
・親に介護保険のサービスを受けさせたい
~~~
介護については「自分が何とかしなければ」と孤独になってしまいがち。
でも実はプロに頼ったり、悩みをシェアすることで最新の情報が得られたり、心や金銭的な負担が軽くなることも。ひとりで抱えこまず、できるだけ周りを頼りたいものですね。

安藤なつ(メイプル超合金)
東京都出身。2012年に相方カズレーザーと「メイプル超合金」を結成。ツッコミ担当。
2015年M-1グランプリ決勝進出後、バラエティを中心に女優としても活躍中。介護職に携わっていた年数はボランティアも含めると約20年。
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)の資格を持つ。厚生労働省の補助事業『GO!GO!KAI-GOプロジェクト』の副団長。

太田差惠子
介護・暮らしジャーナリスト。京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。「遠距離介護」「高齢者住宅」「仕事と介護の両立」などの情報を発信。AFP(日本FP協会認定)の資格も持ち、「介護とお金」にも詳しい。一方、1996年遠距離介護の情報交換の場、NPO法人パオッコを立ち上げ、2005年法人化。現理事長。「親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと」(翔泳社)など著書多数。
著=安藤なつ(メイプル超合金)、太田差惠子/『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』(KADOKAWA)
Information
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