100年前の5~9倍! 増加する生涯の生理回数の不調を少しでも和らげるには?

#食   
お悩みについて

生理の影響で、お肌やメンタルなどに不調を感じるとき、ありませんか?
YouTubeでも10万人以上の方から絶大な支持を得るママ女医ちえこ先生の『子宮にいいこと大全』(KADOKAWA)から、子宮の健康について知るための知識をお届けします。

※本記事はママ女医ちえこ著の書籍『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』から一部抜粋・編集しました

生涯の生理回数は増加している

まず最初にお伝えしなければならないことがあります。それは、過去と今では子宮事情が大きく変化しているということ。

例えば、生涯の生理回数を100年前と今で比較すると、約9倍にも増加しているといわれています。
妊娠・授乳中は生理が止まるため、子どもをたくさん生んでいた過去の女性の方が生涯の生理回数が少なかったというわけです。

もともと、子宮というのは妊娠を目的にした器官です。
ですから、昔は子宮にまつわる悩みといえば、妊娠・出産に関する悩みがほとんどでした。
しかし今では、生理回数が増加したことによって、生理や女性ホルモンを中心とした、日々の変化や対応に関する悩みのほうが増えています。
多すぎる生理回数は、子宮や卵巣に負担をかけ、病気のリスクも高めるといわれています。

タンポンや月経カップを上手に利用して不快を取り除こう

タンポンや月経カップは膣の中に入れておくタイプの生理用品です。
そのため、利用することでムレやニオイ、ゴワつきなどの、生理用ナプキンで感じやすい不快さを取り除くことができます。
さらに、横モレや後ろモレの心配も少ないです。

また、最近注目を集めている月経カップはシリコン製のカップのため、コットン製で吸水性のあるタンポンと違って、経血量が少ないときでも挿入時に痛みを感じにくく、12時間の連続使用も可能です。
水泳や温泉、激しい運動の際にもオススメです。
初心者にはアプリケーター付きのものがオススメです。

もし挿入や取り外しに手こずったりしたら、日本人女性の体に合わせた小さめのカップから挑戦してみるといいでしょう。


生理をショートカットできる腟内洗浄

生理の終わりかけで少量の血液が付着する程度のときは、子宮から出てきた経血が膣内に残っていて、それが徐々に膣外に出ているだけの状態になっています。
この状態のときに使い捨てビデを使用して膣内洗浄することで、膣内に残っている経血を洗い出すことができ、早く生理を終わらせることもできます。

膣内のpHバランスに配慮されたものなら、ニオイ対策になりますし、おりものの症状の軽減にもなりますのでオススメです。

膣内洗浄をするタイミングですが、生理が始まってすぐの頃は、まだまだ子宮内から経血が流れ出ている状態なので、使用しても意味がありません。膣内の雑菌を子宮内に押し込んでしまうリスクもあるので控えましょう。

膣内に違和感を感じたときや、セックス前後などに使用する方もいらっしゃいますが、通常は膣内は自浄作用によりクリーンな状態に保たれています。膣内洗浄することによって、細菌バランスを崩してしまってトラブルにつながることも多いので、日常使いするのではなく、イベントと重なりそうなときなど、ここぞというときに使ってみる程度にしましょう。

生理をショートカットできる腟内洗浄


生理前の不調に悩む方へ

生理前の不調に悩む方は、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB6を摂取してみましょう。
これらの成分は生理前に生じる精神的、身体的な症状であるPMS(月経前症候群)を緩和させる可能性が指摘されています。
食事から摂取しても、サプリメントとして摂取しても、どちらでも問題ありません。

使い捨てカイロのツボ刺激で「セルフ鍼治療」

生理の痛みが強いときは、女性の不調に効くツボを刺激してみましょう。
ツボを刺激する鍼治療については、WHO(世界保健機関)も有効性を認めている病状や疾患があります。
生理痛もそのうちの1つです。

自分で鍼を行うのは難しくても、ツボに温熱刺激を加えることなら、1人でもトライしやすいのでオススメです。

最もお手軽なのは、ツボがあるところに使い捨てカイロを貼っておく方法。
貼ってしまえば、あとはただ放っておくだけです。
じんわりとした温熱刺激が生理痛を和らげてくれますよ。

使い捨てカイロには肌に直接貼れる製品や、レンジで温めて繰り返し使える製品などがあるので、使いやすいタイプを選んで、低温やけど等には気をつけて使用してみるといいですね。

使い捨てカイロのツボ刺激で「セルフ鍼治療」


生理の「今」を知り、自分のカラダの不調を少しでも軽減できるといいですね。

子宮の個性や生理の重さは十人十色

生理の回数が増え生理に関する悩みが増えてる

この100年で医学も進歩してるから大丈夫

体をもっといたわりましょう


著=ママ女医ちえこ、イラスト=OGA/「子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア」(KADOKAWA)

【著者プロフィール】
ママ女医ちえこ
現役産婦人科医師として婦人科診療を行うかたわら、チャンネル登録者13万人を超えるYouTubeチャンネルを運営。3児の母。第二子出産後、夫の転勤のための転居先で保育園が見つからず、社会復帰できないことによる喪失感から一念発起。2020年からYouTuberとして産婦人科医師としての専門性を生かした情報発信を開始する。性教育を含めた医学情報、健康情報を発信することで、産婦人科や女性性への親しみをつくる。

この記事に共感したら

おすすめ読みもの(PR)