高橋みなみさんと一緒に考えよう!「サステナブルに食べる」ってどういうこと?

#食   

最近よく耳にする言葉「サステナブル」。「持続可能な」という意味ですが、じつは毎日の食事にもサステナブルは非常に大切なのです。たとえば、「食事を変えてダイエットに成功したけど、すぐリバウンドしちゃった!」なんて経験、ありますよね?リバウンドするということは、そのダイエット食は「サステナブルではなかった」ということです。
おりしも、8月4日の「栄養の日」にちなみ、「サステナブルに食べる」ことをテーマにした、公開講座が開催されました。持続可能な食のヒントをご紹介します。

キーワードは「ほどほどに」

日本栄養士会が8月4日を「栄養の日」、8月1~7日を「栄養週間」に定めたことに合わせ、開催されたこの講座。日本栄養士会副会長・鈴木志保子さん(写真右)を講師に、タレントの高橋みなみさんをゲストに迎え、『「サステナブルに食べる」ってどういうこと?』をテーマにしたトークセッションが行われました。

自分自身を「持続させる」には、健康維持が必須。健康維持には、栄養や食事が大事で、日々の食事は未来の自分に影響を及ぼします。
では、サステナブルに食べるとは、具体的にどういうことなのでしょうか?
「ポイントは、ほどほどに食べる、ということです。ほどほどというのは、食べ過ぎない、食べなさすぎない、ということ。たとえば、お肉に含まれるタンパク質は大事だけれど、食べ過ぎれば肥満になるし、たくさんの家畜を育てるために膨大な飼料が必要になる。これはサステナブルではないですよね」
と鈴木さん。
「一方で、なんでも少なく食べればいい、というのも間違いです。脂質や糖質を目の敵にする風潮がありますが、脂質も糖質も体には欠かせない栄養素。食べなくていいものではないんです。その不足が、眠りの質やメンタルに関わってくることもあります」

サステナブルな食事をするためのコツは、よく言われる「バランスよく食べる」こと。これが体をいちばんいい状態に保つための、もっとも普遍的で効果的な方法です。その実践には栄養学の知識が欠かせませんが、家庭のパパママにはちょっと難しい。
「簡単に言うとね、学校の給食をイメージするといいんですよ。給食は肉や魚よりも野菜の量が多いし、必ず牛乳がついてきますよね。この『野菜多め』を意識するだけでも食事の質は変わってきますし、健康にいい乳製品の摂取も促進できるんです」

 高橋みなみさん

ゲストの高橋みなみさんは、料理がお好きでレシピ本も出版していますが、食事を作るときには食材の色数を多くすることを心がけているそうです。
「『映え』のためではありませんよ!栄養バランスのためです。野菜の緑、卵の黄色、根菜の茶色など、いろいろな色の食材をそろえたほうが、栄養バランスがよくなるんじゃないかなと思って」
なるほど、参考になる考え方ですね。

こんなにある!無理なダイエットが体に及ぼす影響

続いて、高橋さんがAKB48時代の食生活を披露しました。

  高橋みなみさん

「朝は食べないかスムージー。昼は現場のお弁当。夜は疲れて食べないまま寝てしまう、という毎日でした」
人に見られるアイドルという職業であるため、当時は「もっと痩せたい!もっと痩せなきゃ!」と思い続けていたそうです。グループのメンバーと並んだとき、足の細さを比べられたりする環境も問題でした。
これに対して、鈴木さんは深い同情のため息。
「若くて高い目標があると、精神力だけでそういう生活ができてしまいます。でもね、決してガリガリにはなれませんよ。なぜって体にとって痩せることは死につながる恐怖。体は必死に筋肉を落として、脂肪を蓄えようとするはずです」
1日に2000kcal必要な人が毎日1800kcalしかとらずにいると、体は1800kcalで間に合うように全体の機能を落とします。すると、免疫力が下がって感染症にかかりやすくなったり、骨密度が下がって疲労骨折を起こしたり、子宮の発達に影響を与えて不妊症になったりするそうです。メンタルに影響してうつ状態になることもあります。これでは、とてもじゃないけれど「持続可能な状態」とは言えませんよね。

高橋さんは「では2000kcalに戻せば健康になりますか?」と質問。
鈴木さんの答えは
「いいえ。体は増えた200kcalをただ貯蓄してしまうでしょう。これがリバウンドです。リバウンドしたくないなら、少しずつ摂取カロリーを増やして、体になじませることが大切です。反対に、減らすときも少しずつ。1か月で1kg程度減らすようにしていかないと、ドカ痩せは体が納得しませんよ」
大事なのは、毎日体重を量って、自分を知ること。今日増えた分は今日なんとかしよう、と調節すること。リバウンドも栄養不良もサステナブルではありません。もっと体の声に耳を傾けましょう!

偏った食生活はメンタルにも悪影響

最後に、この講座に協賛しているヤクルト広報の有馬直美さんが登壇。腸に関する面白い話を教えてくれました。
腸内環境をよくするためには、人間にとってよい働きをする菌を優勢にして、悪い働きをする菌の増殖を抑えなければなりません。日々の偏った食生活やストレスは、このバランスを崩し、いわゆる悪玉菌を増やしてしまいます。
「腸と脳は内分泌系で情報交換をしています。ストレスで腸の調子が悪くなることはよく知られていますが、反対に腸の調子が悪いと、脳に影響を与え、不安感が増すのです。つまり、腸の状態を整えることは、心のコンデイションを整えることにもつながります」
さらに、外敵から体を守る細胞の半分は腸にあり、腸は免疫も司っているとか。
有馬さんは言います。
「体からの声は腸からの声でもある。脳と体を結ぶ腸の声にも耳を傾けてくださいね」

トークイベント終了後、全国の管理栄養士・栄養士さんが考案した「サステナブルに食べるためのレシピ」オブ・ザ・イヤーの表彰がありました。

受賞した3名を代表して登壇した菱沼未央さん(写真中央)が考案したのは、塩味のスコーン生地に、家で育てたバジルなどを加え、野菜ジュースで栄養価を高めた「セイボリースコーン」。材料さえそろえれば短時間でできるので、ぜひお子さんと一緒に作ってみてください。

セイボリースコーン


ほかにも、日本栄養士会が運営する「栄養の日・栄養週間2022」のサイトには、サステナブルに食べるためのヒントや、栄養士さんたちが考案したたくさんのサステナブルレシピが掲載されているので、ぜひのぞいてみてくださいね。


取材・文=春日あずさ

この記事に共感したら

おすすめ読みもの(PR)

プレゼント企画

プレゼント応募

\\ メルマガ登録で毎週プレゼント情報が届く //