現代の高級食材・マグロのトロ。その昔は手頃な「庶民食」だった!/子どもに話したい雑学(17)

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マグロのトロはいつから高級品になった?

『頭のいい子が育つ! 子どもに話したい雑学』17回【全56回】


子どもをもつ親たちに、ぜひ知っておいてほしい教養系雑学。

「ざるそばともりそばの違いは?」「ポン酢のポンってなに?」
これ、答えられますか?

「日々のコミュニケーションの中でいろんなことを教えてあげたい」「子どもの好奇心を高めたい」そんな方に、わかりやすく、楽しみながら「タメになるうんちく」をお教えします!
子どもが思わず「パパ、ママ、すご~い!」と言ってしまう学校では教わらない「おもしろ知識」「生活の知恵」をどうぞ。

※本記事は多湖輝監修の書籍『頭のいい子が育つ! 子どもに話したい雑学』から一部抜粋・編集しました。


マグロのトロは手頃な「庶民食」だった


マグロは、日本人が愛してやまない魚である。赤身はもちろん、特に口の中でとろける食感がたまらない「トロ」は、味もさることながら値段も高級な食材として知られている。しかし、トロが高級食材として重宝されるようになったのは、そう昔の話ではない。

マグロが日常的に食されるようになったのは江戸時代後期のこと。おもに赤身をしょう油に漬けた「ヅケ」が、寿司ネタとして出回っていた。ただ、当時マグロは「シビ」と呼ばれていて、「死日」を連想するとして武士の間では忌いみ嫌われる存在だった。

現代の高級食材トロはといえば、脂が多いために冷凍技術のなかった時代には保存がきかず、すぐに捨てられることもあった。日本人の味覚の変化もあって、トロが好まれるようになったのは、昭和に入ってから。この頃になってもトロの値段は安いままで、庶民にとってはありがたい食材だったのだ。

現代のように、トロが高級なものとして崇められるようになったのは第二次世界大戦後のことである。

監修=多湖 輝/『頭のいい子が育つ! 子どもに話したい雑学』(KADOKAWA)

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