【9.7万フォロワー】3歳児の面白発言がSNSで大人気…!まぼさんがいま、育児マンガを描く理由

――まぼさんが育児マンガを描き始めたきっかけについて教えてください。
まぼさん 育児マンガを描き始めたのは、息子よいたんを産んで一か月が経った頃です。真冬だったため子どもを連れて外にも出られず、家の中で息子と2人きりで過ごす孤独な日々を過ごしていました。当時の夫は出張も多く、おもしろいことが起きても共有する相手がいなかったので、日々の出来事をイラストにしてSNSで公開してみようと思ったんです。
当時これは私の大発明だと思ったのですが、いざSNSに投稿したら、すでにめちゃくちゃ多くの人が育児マンガを描いていたことに驚きました(笑)。たくさんの人が描いているということは、各家庭におもしろいことが起きていて、すごく共感性の高いものなんだと改めて感じましたね。

育児エッセイは子どもが寝た後でも静かにできる趣味
――日常生活において描きたくなる瞬間はどういう時ですか?
まぼさん 子どもの言動そのものがおもしろいので、その都度「これは漫画にしたい!」と頭の中で絵が思い浮かぶんです。今朝は娘が指差しを覚えて、東と西の方向に両方の指を差して方位磁針みたいにくるくる回り出したんですよ(笑)。これは描きたいなと思ったんですが、アウトプットできずに忘れていくこともたくさんあります。


――育児に家事に仕事に、とてもお忙しい毎日だと思いますが、どうやってマンガを描く時間を作っているのでしょうか?
まぼさん 基本的に夜、次の日の仕事に支障をきたさないくらいの1〜2時間で描いたりしています。子どもが寝静まった後でも静かにできる趣味という感じですね。あとは会社でランチ後の休憩時間などにもコソコソと描いています。
日々の暮らしを綴る者として基本的な生活リズムは崩さない

――「マンガを描くための暮らし」にならないように長い期間をかけて本を完成させたとのことですが、どんなことに気をつけて作業をしていますか?
まぼさん 私は母であり会社員なので、「朝起きて夜寝る」という基本的なリズムを崩さないことです。原稿が滞って少し寝る時間が遅くなっても、徹夜だったり、生活が狂ってしまうような進め方をするのは、「生活を描く者」として正しくないなと思ったので、「暮らしの中の可処分時間に進める」ということは原則としてありました。
もう一つは、「ネタを探さない」ということ。さっきの方位磁針の話もそうですけど、生活のなかに笑えることはたくさん転がっているんです。でも「ここで何か聞いたら、おもしろい回答が返ってくるだろうな」ということがわかっていても、それは通常のコミュニケーションじゃないと思うから我慢します。エッセイありきのコミュニケーションを家族に求めてはいけないと自分の中でルールを決めて、あくまで生活の中で溢れてきたものを漫画にしたいなと思っています。

――旦那さんのびぼちゃんも個性的でおもしろい人ですね。
まぼさん 夫はよく「俺のことを描きなよ」とか「あ〜これはネタになっちゃうな〜!」みたいなことを言ってくるんです(笑)。マンガのための暮らしにしないという私の思いと真逆を行ってるので、そういうのは絶対に描いてやらないと思ってます。この間も、よいたんネタ3回のうち1回は俺のエピソードを入れた方がいいと思うよとか言われましたね(笑)。
――描くためのネタを探さずあくまで自然に暮らす中で、溢れてきたものを漫画にしているというまぼさん。ほのぼの笑えるよいたんと家族の日々を綴った『よいたん3歳、ときどき先輩。』には「超日常の中の笑い」が詰まっているからこそ共感をよぶのかもしれませんね。
取材・文=宇都宮薫
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