「まさか私が乳がんになるなんて」タレント矢方美紀さん&乳腺専門医小関淳先生と考える「自分のからだの今」を知る大切さ

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タレントの矢方美紀さんと小関淳先生にお話しをうかがいました

仕事や家事、育児に介護にと忙しい日々を過ごすレタスクラブ世代。
ついつい自分の健康を後回しにしている人も多いのではないでしょうか。タレントで元SKE48の矢方美紀さん(30歳)は、25歳のときにセルフチェックを機に乳がんの診断を受け、左胸を全摘出。今も治療を続けながらご自身の体験を発信しています。今回は、乳腺専門医である小関淳先生とともに、乳がん検診の大切さや日本の乳がん事情についてお話を伺いました。

毎年10月はピンクリボン月間。第3日曜日は平日の検査受診が難しい人に向けた「ジャパン・マンモグラフィー・サンデー(J.M.S)」が実施されます。今年は2022年10月16日(日)です。これを機に改めて乳がんについて考えてみませんか?

●矢方美紀(やかた みき)さん(左)
大分県出身。2009年にSKE48第3期生オーディションに合格。チームSのリーダーとして活躍し、2017年2月にSKE48を卒業。現在はタレントとしてテレビやラジオ出演、ナレーションやMCのほか、声優としてなど幅広く活動。2018年、25歳のときに乳がんに罹患。左乳房全摘出・リンパ節切除の手術を受け、現在も治療中(公式Instagram:@miki_yakata

●小関淳(おぜき じゅん)先生(右)
医学博士・日本外科学会認定外科専門医・日本乳癌学会認定乳腺専門医・日本がん治療認定医機構がん治療認定医・検診マンモグラフィ読影認定医。日本大学病院の乳腺・内分泌外科にて診療。女性医療クリニック・LUNAグループでは、2009年11月より乳腺外来を開設

「自分は大丈夫」と思いこんでいたけれど…セルフチェックでしこりを発見。想像もしていなかった「乳がん」に

矢方さん 「私が乳がんと診断されたのは、2018年1月です。若年性乳がんのことを知り、当時25歳だった自分も乳がんになる可能性があるんだ、とセルフチェックをしたのがきっかけでした」

小関先生 「乳がんの定期健診は40歳以上の方を対象に2年に一度受診することが推奨されていますが、矢方さんのように若年性乳がんとして20代で発症する方もいらっしゃいますし、30代でも罹患される方が非常に増えています。部位別で見ると女性のがん罹患数は『乳がん』が1位(※)なんです。僕が20年前に医師になったときは20人に1人でしたが、今は9人に1人が乳がんになる時代。思ったよりも身近な病気なんです」
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)がん罹患数の順位より

矢方さん 「私も『自分にはまだ早いだろう』と検診にも行ったことがなくて、他人事に思っていました。セルフチェックでしこりを見つけたときは想像もしていなかったのですっごく驚いて…。『自分は大丈夫だ、病気なんかにはならない』と思っていたんです」

がんは痛いものだと思っていたら…しこり以外自覚症状はなく「こんなに元気なのにステージⅢAなの⁉」


「セルフチェックでのポイントは、しこりがあるかどうか。あとは乳頭から血性の分泌物が出るか、なども。積極的に受診をしてください」(小関先生)

小関先生 「セルフチェックは自分の今の状態をチェックするためにも行っていただきたいのですが、実はそこで違和感を見つけるのが非常に難しいのも事実。実際に僕らのような乳腺専門医でも、ある程度の大きさのしこりでないと見つけられないこともあります」

矢方さん 「乳がんの何が怖いかといったら、私はセルフチェックのしこり以外、全く自覚症状がなかったこと。がんって痛いものだと思っていたのに、全然痛くないし、こんなに元気なのにステージⅢAなの!? って…。本当に驚きましたね」

小関先生 「検査に抵抗がある方、残念ながら多いですよね。病院で診療していると、1年に5、6人はかなりひどい状態、大きく腫れていたり、出血したりする状態になってから来られる患者さんがいます。家族にも言えずにひたすら隠して、どうしようもなくなって来る…。乳がんを早く見つけるためにも定期的な検査を受けていただくことがとても大事なことなんです」

矢方さん 「乳がんの検査、特にマンモグラフィーは痛いというイメージが先行していて、私も最初はやりたくないなとすごく抵抗がありました。私は超音波検査なども並行して受診しましたが、定期検査だったらマンモグラフィー検査で十分なのでしょうか」

小関先生 「まずはマンモグラフィー検査を。乳がんの死亡率を低下させるというエビデンスがあるのがマンモグラフィー検査だけなんです。また、日本人は乳腺が非常に厚い高濃度乳腺の方が多くマンモグラフィーだと分かりづらいこともあるため、その場合は超音波検査と併用して受けていただくのがより有効かと思います」

「イベントなどで体験談を話していても、皆さん『私は大丈夫』と通り過ぎてしまう方が多いんですよね。もっと自分ごとに思ってほしいなとも感じます」(矢方さん)

矢方さん 「自分が乳がんになった体験を発信していると周りから『私も病院行った方がいいかな』と聞かれることも多くあります。でも、やっぱりまだ『どういう検査をするのか、分からないから不安』という方もいるし、『乳がんだったらどうしよう』という恐怖のイメージが先行して検査を躊躇している方もいるみたいです。
乳がんは、どんな人でも罹患する可能性があるけど、早期発見すれば治る病気なんだということをまずは知ってほしいです。乳がんの正しい知識を得ることが大事なのかなと感じています」

小関先生 「僕らも若い方や授乳期の患者さんだと、良性腫瘍や乳腺炎の可能性が高いと思って検査するんですが、実際は乳がんだったということも。若い方や授乳期の方であっても罹患する可能性のある病気ですから『違和感』の気配をご自身でも見逃さないようにしてほしいですね。
ご家族の方、特にお母様やおばあ様など身近に乳がん経験の方がいる場合は遺伝的に乳がんになりやすい体質を受け継いでいることもありますから、より意識していただきたいです。
早期発見すれば『乳がん』は治せるがんなんです。なるべく再発させないようにしっかりと治療するというのが、今の乳がん治療の考え方。ホルモン製剤や抗がん剤、分子標的薬など今は治療法もいろいろと増えてきていますし、これまでは難しいと言われていた患者さんも治療の対象になってきています」

母親のサポートに救われた日々。「いかに自分が病気になる前に備えていることが大事かも実感」


矢方さん 「精密検査をした結果、最初伝えられていた乳がんのステージから変わったのでこれはお仕事にも影響するな、と理解をしました。仕事柄、いろんな方と関わることが多かったので、乳がんのことを周りに伝える時期はすごく悩みましたね。結局、多くの人には手術するタイミングで『来月、手術するんだ』と伝えました。結構みんな青ざめた顔をしていたんですけど、自分的には前向きに気持ちを切り替えていた時期だったので、『私は大丈夫だよ』という言葉を自分から伝えて心配をかけないようにしようと心がけていました」

小関先生 「皆さん、やっぱり周りに知らせるタイミングは悩まれますね。乳がんと診断されたときは、ご家族と一緒でしたか?」

矢方さん 「いえ、私は一人で病院に行きました。一人で『乳がんです』と言われて帰りました」

小関先生 「それは、すごい…」

矢方さん 「ちょうど仕事が入っていた日で、その前に結果を聞かなくちゃいけなかったというのもあるんですけど。でも、そのあとは母と治療のことや病院についてじっくり話し合いました。
乳がんになってから母とのコミュニケーションがすごく増えましたね。告知のあとは検査や手術方法など、いろいろ決めることがたくさんあるのですが、誰かに相談するという時間がほとんどなくて。母が自分に寄り添って乳がんのことを調べてくれたのがすごく助けになりました。自分に合っている治療はどれか、という選択もしっかり考えられましたし」

小関先生 「日本人の乳がんは30代で増え始めて、40代半ばから急増(※)します。そのため、働き盛りの方や、配偶者やお子さんがいらっしゃる方が多いのです。矢方さんのようにお仕事と治療を並行される方も増えてきています。今は国としても乳がんになったからといってずっと休むのではなく、仕事をしている方は仕事をしながら治療しましょうという方針になっていますね。その場合、家族はもちろん、周囲のサポートも非常に大切になってきます」
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)年齢階級別罹患率より

「治療しながら仕事をしていると、つらいなと思うこともあるんですけど、自分はちゃんとやりたいことのために生きているんだなと感じて嬉しくもなります」(矢方さん)

矢方さん 「それはそう思います。今まで通りの生活ができないことも多かったんですけど、それをカバーしてくれた母のサポートが大きな支えになりました。
治療の費用のことでも家族のありがたみを感じましたね。たまたま私は母の薦めで、以前からがんの標準治療やオプション的に検査費用の対応が可能な保険に入っていたんです。まだ若いということもあったので『なんで保険に入らなきゃいけないの?』って思っていたんですが…母が『人生何があるか分からないから入っておきなさい』って薦めてくれて。結果的に自分が25歳で乳がんになってしまったので、母にはすごく感謝しています。保険に入っていたからこそお金のことをあまり気にせずに治療に専念できた部分もあって、病気になる前にどれだけ備えられていることが大事なのかを、自分ががんになって初めて実感しましたね」

入院した際の写真(ご本人提供)

▲手術直後に撮影したという写真。「手術後は意外と元気でしたね」(ご本人提供)

乳がんは早期発見できれば根治できるもの。10月16日のジャパン・マンモグラフィー・サンデーは日曜に検診ができるので積極利用を


「乳がんを経験して強くなった部分もたくさんあります。怖いと思ったこともよかったことに変換できているように思います」(矢方さん)

矢方さん 「自分の体験談を発信することは誰のためなんだろう、と考えた時に、自分をきっかけに少しでも乳がんのことに意識を向けてもらえたらいいのかなと思っていて。
私の話を聞いてくださった方の中には、『全然考えていなかったけど、自分も乳がんになる可能性があるのかもしれない』と話してくださった方や、『自分の娘と同世代だから家族の大切さを改めて感じることができた』という方も。自分の話が検診の必要性や乳がんについて考えるきっかけになってもらえるとうれしいです」

「30~40代は子育てや介護、お仕事で忙しく、土日にクリニックに来る方も多いんです。10月16日の『ジャパン・マンモグラフィー・サンデー』をぜひ利用していただきたいですね」(小関先生)

小関先生 「矢方さんのような方が『乳がん検診を受けるべき』と発信してくれることは、僕たちドクターにとっても非常にありがたいことです。欧米では1990年代以降、乳がんの死亡率が下がっていますが、日本は死亡率はずっと上昇傾向にあるんです(※)。日本で死亡率が上昇しているのは、検診の受診率が低いから、なんですよね。欧米では乳がん検診の受診率は大体80%と言われていて、日本では37%くらいなんです。矢方さんを始め、啓発活動をしてくださっている方の影響もあり最近は受診率も少しずつ増加はしているのですが…」
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)罹患数と死亡数より

矢方さん 「私も最初、セルフチェックでしこりを見つけたのに、仕事やほかの用事を言い訳に病院に行く優先度を下げてしまっていたんですよね。病院に行くタイミングが少しでも遅かったらきっと今こうやって仕事を続けられていなかったかもしれないですし…。ぜひ検査に行く機会を作っていただきたいですね。何もなければ『今は大丈夫なんだな』と考えられるいい機会にもなると思います」

小関先生 「仕事や家事、育児に介護にと忙しく過ごすなかで、なかなか平日に検査を受けられない、という方は多数いらっしゃると思います。僕が診ている病院は土曜日も受診できるのですが、いつも予約はいっぱいで、週末の検診の需要を非常に感じています。ですので、10月のピンクリボン月間の日曜日に多くの病院でマンモグラフィーを受けられる『ジャパン・マンモグラフィー・サンデー(J.M.S)』を積極的に利用していただきたいですね」


矢方さん 「周りを見ていても、先生がおっしゃっていた9人に1人が乳がんになる時代、ということを実感しています。『ジャパン・マンモグラフィー・サンデー(J.M.S)』の10月16日は日曜日ということで、1人でも多くの方に『乳がん検診』に行っていただきたいですね。病気になって自分のやりたいことができず、悔しい思いをしたこともありました。自分は大丈夫、と思わないで検査を受けてほしいです」


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全国の医療機関と認定NPO法人J.POSHが協力して行われる「ジャパン・マンモグラフィー・サンデー(J.M.S)」。平⽇は検診の時間が取れないという方のための取り組みで、ピンクリボン月間である10月の第3日曜日に、365の全国の医療機関や自治体でマンモグラフィー検査が受けられます。2022年は10月16日(日)がその日に当たります。
自分、そして家族を守るために、乳がん検診を受けてみませんか?


【supported by 東京海上日動あんしん生命保険会社】
「東京海上日動あんしん生命保険会社」はピンクリボン運動を推進し、「お客様をがんからお守りする運動」を実施しています。


協力=医学博士・乳腺専門医 小関淳(日本大学病院女性医療クリニックLUNA

撮影=中川容邦/取材・文=吉田光枝/ヘアメイク=サカノマリエ/編集協力=千葉由知(ribelo visualworks)

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Information

2022年10月16日(日)はジャパン・マンモグラフィー・サンデーです

「ジャパン・マンモグラフィー・サンデー(J.M.S)」は、仕事・家事・育児・介護等で忙しく、平日に病院に行けない女性が日曜日に乳がんの検診が受けられるよう、認定NPO法人J.POSHと全国の医療機関が協力して行う運動です。ピンクリボン運動月間である10月の第3日曜日とされており、2022年は10月16日(日)に行われます。


▶「ジャパン・マンモグラフィー・サンデー」の詳しい内容を見に行く

東京海上日動あんしん生命はピンクリボン運動を推進し、「お客様をがんからお守りする運動」を実施しています。


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