「あたし、大腸がないの」難病で大腸を全摘出した漫画家・島袋全優さんがギャグ漫画を描く訳

#趣味   
 『腸よ鼻よ01』より

国指定の難病「潰瘍性大腸炎」を患った実体験をギャグ漫画として描いた『腸よ鼻よ』。漫画家の島袋全優さんは、専門学生だった19歳の時に潰瘍性大腸炎を発症し、何度も入退院を繰り返しながら大腸全摘出など10回もの手術を受けてきました。そんな辛いはずの闘病生活を、突き抜けたギャグに振り切って描いていて、多くの人の共感を呼んでいます。今回は、島袋全優さんに闘病中でも漫画を描き続けたわけについて聞きました。

こんなに辛い目にあってるんだから利用しないと損!

『腸よ鼻よ01』より

――潰瘍性大腸炎の実体験を漫画に描こうと思ったきっかけを教えてください。

島袋全優さん:もともと日常を四コマ漫画にすることがあったので、発症した時から「治ったらいつか絶対に病気のこと漫画にしてやる…!」と思っていました。「だってこんなに辛い目にあってるんだから、少しでも利用しないと損じゃん」と言う気持ちも正直ありましたよね。
担当さんから「闘病エッセイ漫画を描きませんか?」とお誘いがあって、当時まだ闘病の真っ最中だったのですが「まあいいか!」って感じで『腸よ鼻よ』の連載をスタートさせました。

――辛い出来事も「ネタにしてやる!」という創作者魂がすごいです…! では、辛いことも多いであろう闘病を、あえて前向きでハイテンションなギャグ漫画として描いているのはなぜでしょうか?

島袋全優さん:ギャグ漫画でデビューした私が描いたら、否応なしに闘病エッセイもギャグ漫画になったという感じです。
そもそも暗い闘病エッセイって読むのにハードルが高くないですか? 私自身も病気になる前は闘病エッセイをあまり読んだことがなかったですし、辛い闘病生活をそのまま描いても、楽しくなければ読んでもらえないだろうなと思いました。『腸よ鼻よ』が病気の人にも病気じゃない人にも楽しんでもらえる闘病漫画であったら嬉しいです。
ギャグ漫画にしても辛かったのは伝わっちゃってますけどね!

『腸よ鼻よ01』より

――登場人物も実在されている方がモデルとのことですが、全員ものすごくキャラが濃いのが印象的でした。どのようにしてキャラの作り込みをしているのでしょうか? 

島袋全優さん:キャラデザは、許可を頂いている方は実際の姿に似せたり、可愛くして!という要望があった時は可愛くすることもあります。連絡が取れない場合は、あえて似せないようにデザインして描いています。あと、描く時に大変だと困るので出来るだけシンプルに差別化して描いてます。
ご本人を知っている人からすると何となく見てわかるそうですよ。

5億円もらっても漫画を描くのだけはやめられない!

『腸よ鼻よ04』より

――闘病漫画としてだけでなく、島袋さんが漫画家として成長していく物語としても楽しめました。入院中も漫画を描き続けていたのはなぜでしょうか? また、島袋さんにとって漫画とは?

島袋全優さん:漫画を描くのが趣味で大好きなので、入院中に漫画を描くのを止められたら暇で暇で仕方ないってのもありました。仕事の漫画を止められたら、手を抜いて描ける落書き漫画を描いていたくらいです。今もまだ漫画を描くのが大好きですし、多分一生飽きない生きがいなのかもしれません。
5億円あげるから漫画描くの止めろって言われても5億円要らんので漫画描きます。

「自分めっちゃ偉い!」プラス発言の波に周りを巻き込もう!

――前向きでいるための考え方や、工夫していることなどはありますか?

島袋全優さん:工夫というか、自分に思い込ませるというか…。物事の捉え方も人それぞれなので意識的に変えるのはとても大変だと思います。できるなら声に出して「自分めっちゃ偉い!」とか「ちょー頑張ってる!」とか「えっ!めっちゃいい女じゃん私!」とか言っておけば、周りもだんだん褒めてくれるしお互いに言い合うようになります。周りも巻き込みましょう、プラス発言の波に。

『腸よ鼻よ07』より

――島袋さんがこれから挑戦したいことや描きたいことなどがあれば教えてください。

島袋全優さん:これからも色々な漫画描いていきたいです! あと、できるなら切実に漫画家の友達をもっと増やしたいです。

――入院中のベッドの上でも漫画を描き続けていたという島袋さん。好きなことをやりたい!というパワーが闘病生活の支えにもなっていたのですね。闘病ギャグ漫画『腸よ鼻よ』は、今現在病気と戦っている人もそうでない人も、読むときっと元気になれる一冊です。

取材・文=宇都宮薫

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