卵巣のう腫の破裂が痛すぎて陣痛が平気に!? 出産レポ漫画に驚きの声集まる

#美容・健康   
コロナ禍でパートナーを含めた家族の立ち会いは不可。初産を一人で出産に立ち向かったえんさん。卵巣のう腫破裂の激痛体験を思い出しながら出産に臨んだら思いもよらないことに。「生理痛・卵巣のう腫破裂がしんどすぎて出産が○○だった話 出産編 第22話」より

「人生で一番痛かった体験はなんですか?」とたずねた時、出産と答える女性は少なくないのではないでしょうか。しかし、ブロガー兼インスタグラマーとして、自分に起きた体験を漫画にしているえんさん(@tamago_en)は違いました。えんさんにとって人生で一番痛かった体験は「卵巣のう腫の破裂」。卵巣のう腫とは、卵巣内にできた良性で袋の中に水かがたまったような形状の腫瘍のこと。えんさんは重い生理痛に悩み、ピルを服用することで生理痛から解放されるも、卵巣のう腫がいつ破裂してもおかしくないほどパンパンに腫れていることが発覚します。そして、手術前に卵巣のう腫が破裂。壮絶な痛みに苦しむという体験をしていたのでした。重い生理痛、卵巣のう腫破裂、そして妊娠・出産について描いた漫画に大きな反響が集まっています。コロナ禍ということもあって、一人出産に立ち向かうことになったえんさんに、当時の思いを伺いました。


「辛いけどまだまだなんだろうな…」と耐えていたら、子宮口全開!

『子宮内膜症』とは、子宮の内側の壁を覆っている子宮内膜がなんらかの理由で、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生してしまうこと。そもそも生理とは、古い子宮内膜が剥がれ落ち、外に排出される=出血することですが、子宮内膜症の場合は本来あるべき場所以外でも出血が起きるのです。そうなると血液を体外に排出できず、お腹に古い血液が溜まり、炎症を起こしたり周囲の組織との癒着が生じ、ひどい痛みをもたらすことも。えんさんの場合はそれが卵巣でも起きていました。そうすることで卵巣のう腫ができてしまい、卵巣が大きく腫れ上がってしまいました。そしてついには破裂。悶絶の一夜を過ごすことになるのです。

そんなこんなを経て、結婚後子どもを持つことを具体的に考え始めたえんさん。子宮内膜症は不妊の原因になることもあるのですが、無事妊娠。辛いつわりを乗り越え、正産期となる38週を超えた日ついに破水します。

生理痛・卵巣のう腫破裂がしんどすぎて出産が○○だった話 出産編 第19話 02

生理痛・卵巣のう腫破裂がしんどすぎて出産が○○だった話 出産編 第19話 06

生理痛・卵巣のう腫破裂がしんどすぎて出産が○○だった話 出産編 第19話 07

生理痛・卵巣のう腫破裂がしんどすぎて出産が○○だった話 出産編 第19話 08

病院に向かい、朝5時ごろには陣痛の感覚は5分を切った状態に。ナースコールでそのことを知らせるも「もっと我慢できない痛みになったらまた教えてください」と言われます。そこから約3時間耐えた朝8時、朝食のタイミングで助産師さんがえんさんの様子を見に来たものの特に動きはなし。さらに1時間後の9時、さっきとは別の助産師さんが子宮口の開き具合いをチェックしに来たときにはすでに全開になっていたのでした。ここまで一人で耐えていたことに「すごいね、えらいね、がんばったね!!」と声を掛けられたえんさん。出産を終えたいま思うことを伺いました。

「SNSでいろんな方の出産エピソードを読み漁り、自身の出産のイメトレはバッチリのつもりでした。いざ陣痛の際中は「辛いけどまだまだ。みんなこれに耐えているんだな」と初めての経験によく分からずひたすら痛みに耐えていました。私の場合、陣痛がこれまで経験してきた生理痛よりは痛くなかったことで完全にタイミングを逸してしまいました。お産の進み方は一人ひとり違うということを体験し、私は進みが早いタイプだったので、次の機会があればもう少し最適なタイミングで助産師さんにヘルプを求められる気がしています。」

生理痛・卵巣のう腫破裂がしんどすぎて出産が○○だった話 出産編 第23話 06

生理痛・卵巣のう腫破裂がしんどすぎて出産が○○だった話 出産編 第23話 07

陣痛を最後の最後まで一人で耐えるという大変さはあったものの、無事出産。えんさんは陣痛・出産を「お腹にトラックがドンと乗っかるくらい痛い」と想像していましたが、実際には「自転車が乗っかったくらい」でした」とたとえます。ちなみに、これまでの人生の痛みにランキング付けしてもらった結果、なんと堂々一位が卵巣のう腫の破裂時の痛み。二位は生理痛とのこと。個人の感覚によるものですが、えんさんにとってどれだけ生理痛や卵巣のう腫破裂が身体にダメージを与えていたのかがよくわかります。

たくさんの痛みに苦しんだえんさんから、同じ悩みを抱える人にメッセージをもらいました。

「生理痛を当たり前のものと思わず、自分が辛いと感じたらまずは気軽な気持ちで病院に行ってみてほしいです。卵巣のう腫は破裂するまで痛みや違和感などの自覚症状が全くありませんでした。運良く事前に病院で発見してもらいましたが、もし何も知らずにある日突然破裂して、あの痛みに襲われていたら……と思うと恐ろしいです。いま苦しんでいる方がいたら、一日でも早くご自身の身体と向き合い、信頼して相談できる医師と出会ってほしいと願います」

「生理のデメリットについてももっと知って欲しい」産婦人科医からのメッセージ

丸の内の森レディースクリニック 院長の宋美玄先生。女性のライフステージに合わせ、「病気」を診断・治療するだけでなく、QOL(生活の質)を保つ提案をしたいと語る

子宮内膜症と聞くと、根治不能で厄介な病気というイメージがありますが、対処のバリエーションを知り自分にとってのベストな選択をすることが大切です。それにより重たい生理痛から解放されたり、妊娠への差し障りを最小限にとどめることができたりと、なんとも希望が持てますよね。

生理は個人で症状に差が出やすく、一人で悩みを抱えてしまうことが多いものです。原点に立ち返り、生理や生理痛について知っておいてほしいことを丸の内の森レディースクリニックで女性のライフステージに合わせたケアを提供する宋美玄先生に伺いました。

「学校で生理について習ったとき「生理がくるのは体が大人になり、健康な証拠です。おめでとう」というような言われ方をしますね。もちろんそうなのですが、もっと生理のデメリットについても子どものころから当たり前に知っておいてほしいです。例えば、生理の回数を重ねることで、子宮内膜症のリスクが上がります。そもそもそういった知識がなければ、子どもが欲しいと思ったタイミングで自分の子宮や卵巣をベストな状態にしておくという選択もできないのです。また、生理痛に悩んでいるときの対策として、今はピルや黄体ホルモン剤の服用、ミレーナなどさまざまな選択肢があります。生理痛をなくす方法があるということを知った上で何を選択するか、それを自分で選んでほしいのです」

加えて、現在かかりつけの産婦人科医を持たないという人にもメッセージをもらいました。

「婦人科系の悩みを持ったことがない方こそ、事前に病院情報を収集しておいてほしいです。いざ産婦人科にかかるとき「どこの病院がいいのか皆目見当がつかない……」「ネットの口コミを鵜呑みにしていいの?」と不安になるからです。一番有力な情報は、お友達や知り合いなどのリアルな口コミ。あとは、病院のホームページから得意分野を調べてみるのがいいと思います。産婦人科といっても妊娠・出産に力を入れている病院もあれば、生理痛などの婦人科系の疾患に力を入れている病院もあります。その病院がどの分野に力を入れているのかはホームページの温度感でわかると思いますよ」

えんさんもそうだったように、卵巣のう腫はかなり大きくなったり、破裂したりするまで本人に自覚がないということがほとんどだそう。いざというときのことも考え、相性のいい病院探しは大事なことですね。

えん
夫・ハト氏と、娘・ぽっぽちゃん(2022年2月誕生)の3人暮らし。
これまでの自身の体験や現在の日常をコミックで描く、インスタグラマー兼ブロガー。

取材・文=西連寺くらら
医療監修=丸の内の森レディースクリニック 院長 宋美玄

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