エベレストは世界一高い山じゃなかった!?その測り方とは?/人類なら知っておきたい 地球の雑学(106)

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エベレストは世界一高い山じゃなかった!

『人類なら知っておきたい 地球の雑学』106話【全152話】


あらためて考えると、この地球(ほし)にまつわるさまざまなことは「知っているようで知らない」ことが多いのではないでしょうか…。
太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をお届けします。
思わず誰かに話したくなる理系ウンチクは、職場や家庭での日々の雑談に役立つかもしれません!

※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。


エベレストは世界一高い山じゃなかった!実は世界で30位!?


世界一高い山は、ネパールと中国の国境にそびえる標高8848メートルのエベレスト。これは誰もが知っているはずだが、世界最高峰はほかにもあるという。

山ができる過程には、火山の噴火によってできるものと、地面の褶曲によってできるものの二通りがある。エベレストは、5000万~4000万年前にインド亜大陸とユーラシア大陸がぶつかり、地面と海底が盛り上がってできたヒマラヤ山脈に位置する、褶曲によってできた山だ。

だが「測り方」によっては、エベレストより高い山がある。その測り方とは、「地球の中心から山頂までの距離」を山の高さとする方法である。

地球は完全な球体ではなく、赤道部分がややふくらんだミカンのような形をしている。そのため、赤道直下にある山ほど高いことになる。現在は、精度の高いGPSで地球の中心からの地心距離を正確に測れるようになっており、この測り方なら、最高峰は南米エクアドルにあるチンボラソ山ということになる。

チンボラソの標高は標高6310メートルだが、地心距離は6385.5キロメートルで世界最長。これに対して緯度の高いところにあるエベレストは、世界で30番目くらいの山になってしまう。

このチンボラソ山は、16世紀から19世紀初頭にかけてはじつは世界最高峰とされてきた。しかし1852年、三角関数計算にもとづいた測量の結果、エベレストが世界最高峰となったという経緯がある。ただし、現在の測地学では、標高の測定基準は地球の平均海水面からと定められているため、チンボラソが世界最高峰の地位を奪還するというわけにはいかないだろう。

ちなみに地心距離で測定すると、日本でもっとも高い場所は富士山ではない。日本最南端、海面からわずかに顔を出している小笠原諸島の沖ノ鳥島である。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』

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