指輪も服も恋人も…妹に何もかも奪われ続けた姉。『なんでも横取りする妹が嫌い』著者・しろみさんインタビュー

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 『なんでも横取りする妹が嫌い』より

フリーの男性には興味がないくせに、他の誰かの恋人や既婚者には積極的にアプローチして略奪したがる女性、あなたの周りにもいませんか?
こういった方は他人の幸せが妬ましかったり、誰かのパートナーを奪うことで優越感を得たり……など、恋愛感情ではなく歪んだ欲望から他人のパートナーを「横取り」することが少なくありません。

そんなマウンティング女子の姿を赤裸々に描いたマンガ作品『なんでも横取りする妹が嫌い』が話題です。人のものを奪ったり、壊したり、めちゃくちゃにしたりするのが大好きな妹のトンデモエピソードが、自らも被害に遭い続けた姉の視点から語られています。
これは著者・しろみさんのご友人の体験を描いた実話なんだそうです。

なんでも横取りしたがるマウンティング女子


『なんでも横取りする妹が嫌い』より

しろみさんのご友人であるユイさんには、1つ年下の妹・リカさんがいました。両親は分け隔てなく接してくれたものの、周囲からユイさんと比較して容姿を褒められるようになったリカさんは、優越感からユイさんを見下しキツい態度をとるようになっていきます。

人のものを欲しがったり、壊したりすることが大好きなリカさんは、ユイさんの大切な指輪を壊したり、祖母からのプレゼントの香水を奪ったり。おろしたての服のタグを切るフリをしてユイさんの服をはさみで切ったり……姉への意地悪を繰り返すリカさんに、両親も愛想を尽かし始めていました。

『なんでも横取りする妹が嫌い』より

中学生になるとユイさんの彼氏すら奪うようになっていきました。彼氏を作るたびにリカさんが奪おうとしてくることに虚しさを感じたユイさんは、就職して家を出ることで妹と距離をおき、ようやく幸せな結婚をすることができたのでした。

『なんでも横取りする妹が嫌い』より

しかしリカさんのほうは相変わらずで、妻子のいる男性と付き合っていると言います。それを知ったユイさんは妹からの連絡を着信拒否して距離をおくことにしました。しかしある日、ユイさんは仲の良いいとこからリカさんのその後の消息を聞きます。
リカさんはなかなか離婚してくれない男性に業を煮やし、交際相手の家を訪ねてその妻に別れるように要求しました。それを知った交際相手は激怒して修羅場に。様々な人を巻き込んで、この事件は多くの人を不幸にしていくのでした。

  『なんでも横取りする妹が嫌い』より

その後もリカさんの暴走はとどまるところを知らず、あちこちでとんでもないトラブルを巻き起こしていくのですが……。

そんな強烈な「マウンティング女子」を描いた作品、『なんでも横取りする妹が嫌い』の著者・しろみさんにお話を伺いました!


『なんでも横取りする妹が嫌い』著者・しろみさんインタビュー

──『なんでも横取りする妹が嫌い』はご友人の体験談を形にした作品だそうですが、はじめにご友人からお話を伺ったときの感想を教えていただけますでしょうか。

しろみさん:兄弟姉妹のいざこざは割とよくある話だと思っていたのですが、これほどまでにお姉さんを敵対視する方も珍しいと、驚きながらお話を聞いておりました。

──子どもの頃から妹の嫌がらせに耐えていた姉・ユイさん。周りの大人がフォローしていても、段々と不安やあきらめといった感情に支配されてしまいます。おもちゃや洋服から彼氏まで……。どんどんエスカレートするなかでも腐らずがんばったユイさんについての感想を教えてください。

しろみさん:ユイさんは同じ学校の先輩なのですが、本当に心が強い方だなと思います。私の場合ここまでされたら自己肯定感がゼロになって「どうせ何しても妹に劣るんだ…」などと鬱々とした気持ちに陥ってしまうと思います。しっかりと自分の幸せを、自分の力で掴んでいったユイさんの心の持ち方やその姿は私の中で憧れの存在です。

『なんでも横取りする妹が嫌い』より

──妹という立場は、姉に対抗意識を持ちがちですが、リカさんにとって姉のユイさんはどのような存在だと思われますか? またなぜこれほど攻撃してしまうのでしょうか。

しろみさん:やはり歳の近い同性ですので、「いつもすぐそばに居るライバル」の様な関係だったのかなと思っております。今回の作品を描く際リカさんからお話を聞く機会があったのですが、やはりなんでもそつなくこなす姉に対して劣等感を抱いていたそうです。またご両親が「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」ではなく「お姉ちゃんが先でしょ」という年上ファーストの育て方をしていた事も劣等感を育ててしまった一つの要因だとおっしゃっていました。

──リカさんは非常に攻撃的なキャラクターですが、描くときに気を付けた点などございますでしょうか。またユイさんと同じく、リカさんへも感想をお聞かせください。

しろみさん:リカさんはすごく素直な方なので、感情を思い切り表情に出す様意識をして描かせていただきました。リカさんは何事にもいつだって全力!というタイプなので消極的な私からすると憧れる部分でもあります。彼氏を奪ったり不倫することはいけない事ですが、恋をしているリカさんは可愛らしくて、どこか憎めない雰囲気があるなと感じました。あとは何と言っても自己愛の強さ!シンプルに羨ましいです…!

『なんでも横取りする妹が嫌い』より

──ここ数年、マウンティングという言葉が一般化されたように思います。リカのやっていることも度が過ぎてはいますが、姉・ユイへのマウンティングなんだろうなと思いました。しろみさんは実生活で「マウンティング女子」を見かけたことがありますか? もしエピソードなどあれば教えてください。

しろみさん:マウンティング女子は見かけたことあります! 記憶の中で1番古いマウンティング女子は小学校低学年の時に同じクラスになった女の子です(笑)。私がやることを真似して私よりも優位に立とうとしたり、「しろみちゃんはまだ〇〇持ってないんだ〜?」と私物を自慢されたり…。
大人になってから思い返すとクスッと笑ってしまう内容なのですが、当時の私は「この子にどう対応すればいいの……」とゲンナリしていました(笑)

──ここまででもかなり激動の内容ではありましたが、先日、その後日譚も発表されましたね。こちらはどんな内容になっているのでしょうか?

しろみさん:前作は姉のユイさんが主人公だったのですが、続編はリカさんを主人公として描かせていただきました。ですので前作よりもグッとリカさんの感情がこもった、リカさんらしさ全開の作品となっております。一度落ちてしまった所からグッと這い上がってくる様子や、前回に引き続き現実にありそうでなさそうな、嘘の様な本当の話をお楽しみいただけると嬉しいです!

     *     *     *

リカさんのようなトラブルメーカーがもし身の回りにいたら、迷惑この上ないな……と思いつつも、周囲の迷惑を顧みず、自分の欲望にのみ忠実な言動は「どこまで暴走するのかな?」と読む手が止まらない勢いがあります。強烈すぎるマウンティング女子の生態に、あなたはどんな印象を抱くでしょうか?

取材=ナツメヤシコ/文=レタスユキ

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