「女の子の日」という名の地獄。うつ病と同時に来る生理のしんどさ/マンガでわかるうつ病のリアル(6)

#くらし   
うつ病と生理で想像を絶する苦しみに

『マンガでわかるうつ病のリアル』6回【全26回】


なにかと多忙な毎日を過ごす現代人。ストレスフルな社会環境のなか、こころのバランスを崩し、不調に陥る人が増えています。重度のうつ病に5年以上苦しむも、「メンヘラマッスル作家」として奇跡の復活を遂げた錦山まるさんもその一人。

うつ病患者の夢(ろまん)とうつ病に詳しいペットのまる、夢の友人の璃杏(りあん)が織りなすエピソードと共に、錦山さんの実体験を交えながら、うつ病の実態と「うつ病に関する間違った知識」をわかりやすく紹介します。なんとなく気分が落ちている…という人や、その周りの人に知ってほしいうつ病のリアルをお届けします!

※本記事は錦山まる著の書籍『マンガでわかるうつ病のリアル』から一部抜粋・編集しました。


登場人物


うつ病×生理は負のコンボ


負のコンボになってんだよ


「女の子の日」という名の地獄がある。


まる


「アレって何だ?」と思った男性の皆さま。「アレ」とは生理用ナプキンのことです。

ナプキンやタンポンなどの生理用品をいやらしいモノと思っている人もいるらしいですが、生理用品は女性にとって生活必需品。切らしてしまうと支障なく日常生活を送るのはまず無理です。

周りの女性の多くがほぼ毎月経験している実は身近な問題なのに、男性には決して理解できない「生理」。

生理の大変さは男性の想像の遥か上を行きます。

内臓を“雑巾絞り”されるような痛みが出る。楽しい事ばかりだったのに急に死にたくなるくらい落ち込む。便意こそないが、下痢でトイレに駆け込む直前のお腹がキューっとする状態が何時間も続く。…など、個人差はあれど重い病気のような大変な事が幾つも起きるのに、軽視している男性や生理の軽い女性から「たかが生理で…」なんて心ない言葉を向けられたりもする。

再び主張。うつ病で体を動かせなくなる事もあるんだ。


まる


話は変わりますが、うつ病には気分の落ち込みだけではなく身体症状もあります。

酷いだるさで布団から出る事さえ出来なくなる。トイレに行く気力も無いので何時間も我慢し、限界が来たら僅かな気力を振り絞り這って行く。お風呂の準備をする気力も体を洗う力も無くなり何日もお風呂に入れなくなる…なんて事もあります。

いまいちピンと来ない人は「身動きが取れないレベルのインフルエンザから咳だけ無くしたような状態がずっと続いている」と想像していただくと分かりやすいかもしれません。そんな状態では、いつもは当たり前にやっている行動さえ全く出来なくなりますし、まして気合や根性では対処のしようがありませんよね。

うつ病×生理、それは想像を絶する阿鼻叫喚。


まる


では、そんなうつ病の症状に、前述の生理の地獄が加わったらどうなるのでしょう? こちらの都合などお構いなしに、体調の特大ダメージが突然2つ同時に来たら…?

想像するのもつらい話ですが、お風呂で体を洗ったりトイレに行ってナプキンを替えたりすることも出来ず、経血が蒸れて陰部が痒くなり臭いも酷くなり、ナプキンの容量の限界を超えて経血が漏れて布団が汚れ、布団まで臭くなり余計に気が滅入ってしまう。少しでもどうにかしたくて生理の薬を飲みたくても、うつ病の薬との相性で飲めず、耐えるしかない…という、かける言葉が思い浮かばないくらい気の毒な事態になる人もいるのです。

うつ病未経験者や、男性や、生理の軽い女性でも「よく分かんないけど、とりあえずメチャクチャ大変なんだな…」という事はお分かりいただけるのではないでしょうか?

「うつなんか…」「たかが生理で…」なんて言葉をつい向けてしまう前に、理解のしようが無い世界で苦しんでいる人もいるんだということを思い出していただけたらなと思います。

著=錦山まる/『マンガでわかるうつ病のリアル』

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