うつ病で好きなことが楽しめない!飽きたわけでも、嫌いになったわけでもないのに/マンガでわかるうつ病のリアル(16)

なにかと多忙な毎日を過ごす現代人。ストレスフルな社会環境のなか、こころのバランスを崩し、不調に陥る人が増えています。重度のうつ病に5年以上苦しむも、「メンヘラマッスル作家」として奇跡の復活を遂げた錦山まるさんもその一人。
うつ病患者の夢(ろまん)とうつ病に詳しいペットのまる、夢の友人の璃杏(りあん)が織りなすエピソードと共に、錦山さんの実体験を交えながら、うつ病の実態と「うつ病に関する間違った知識」をわかりやすく紹介します。なんとなく気分が落ちている…という人や、その周りの人に知ってほしいうつ病のリアルをお届けします!
※本記事は錦山まる著の書籍『マンガでわかるうつ病のリアル』から一部抜粋・編集しました。

好きなことにも興味がわかなくなる心の病気。

大好きだったスイーツも食べたくなくなる。楽しみだったゲームもやりたくなくなる。それがうつ病だ。

うつ病になると、今までずっと好きだったことにさえ興味がわかなくなることがあります。けっして、飽きたのでも嫌いになったのでもなく。
例えばゲーム好きな人が、目の前にゲーム機があるのに起動する気すら起きず、楽しそうともやりたいとも思わなくなる。ゲームをやっていてもお金のムダ、時間のムダ、やって何の意味があるんだ、などと考えるようになる…という風に。
筆者の体験談を上げますと、筆者はもともとスイーツ好きでお酒入りチョコレートやケーキが大好きです。なのに、うつ病になってからはお土産などでスイーツを貰っても「これ食べて何になるの?」「働いていない自分に“プチ贅沢”する資格があるのか?」「僕なんかのために金いくらかかってるんだろ?」などと考えるだけで、全く気分は上がりませんでした。
ヘトヘトに疲れたときは、趣味も好きなことも後回しにして休みたいよな。その状態を想像してみてくれ。

…と言われても、好きなことに“飽きた”わけでも“嫌いになった”わけでもなく、“興味がわかなくなる”というのがどういう感覚なのかイマイチ分からないかもしれません。
では、『突然入ったイレギュラーな仕事のせいで残業をする羽目になった日』や『台風や大雪のせいで電車がストップしてなかなか家に帰れなかった日』など、自分でコントロール出来ない要因のせいでヘトヘトになったときのことを思い出してみてください。
…家に着いたら食事よりも遊びよりも、まずゴロンとしたくなったのではないでしょうか?
冷蔵庫に楽しみにしまっておいたお酒、一気に読もうと思っていたマンガ、1人でじっくり観ようと思っていた映画など、あなたの“好きなこと”さえ「明日でいいや…」「一休みしてからにしよう…」と後回しにした経験は誰にでもあると思います。
そのような『楽しむ気力も余裕もなくなってしまっている状態』が、うつ病の人が好きなことにも興味を持てなくなった感覚に近いかもしれません。
急に無関心になったうつ病患者を見てビックリするだろうけど、無理にやらせちゃダメだ!

では、このようなタイミングでうつ病の人に無理やり“好きなこと”をやらせたらどうなるでしょう?
健康だったときのように楽しめないのはすぐに想像がつくと思います。むしろ苦痛な思い出になり、その“好きなこと”を嫌いになってしまうかもしれません。
元気になって、楽しむ気力も余裕も戻ったらまた楽しめたかもしれない。なのに周りが無理やりやらせたせいで嫌いになってしまう…これはとてもとても残念なことではないでしょうか?
身近な人が急に好きなことにさえ興味を示さなくなればビックリすると思います。ですが、今はたまたま楽しめるタイミングではないというだけで、元気になるにつれ、また興味がわいてくるかもしれません。
どうか無理やり誘わず、飽きたり嫌いになったりしたのだと決めつけず、本人が楽しめるようになるそのタイミングを待っていただけましたら幸いです。
著=錦山まる/『マンガでわかるうつ病のリアル』
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