長文が頭に入らない!うつ病患者への説明は短めだとありがたい/マンガでわかるうつ病のリアル(18)

なにかと多忙な毎日を過ごす現代人。ストレスフルな社会環境のなか、こころのバランスを崩し、不調に陥る人が増えています。重度のうつ病に5年以上苦しむも、「メンヘラマッスル作家」として奇跡の復活を遂げた錦山まるさんもその一人。
うつ病患者の夢(ろまん)とうつ病に詳しいペットのまる、夢の友人の璃杏(りあん)が織りなすエピソードと共に、錦山さんの実体験を交えながら、うつ病の実態と「うつ病に関する間違った知識」をわかりやすく紹介します。なんとなく気分が落ちている…という人や、その周りの人に知ってほしいうつ病のリアルをお届けします!
※本記事は錦山まる著の書籍『マンガでわかるうつ病のリアル』から一部抜粋・編集しました。

うつ病になると長文を読むのがキツくなる!

大好きなあの本を一生読めなくなる!? その恐怖を想像してみてくれ!

うつ病になると文章を読むのがキツくなる人がいます。
読み終わるまで集中力がもたない。少し説明が複雑になると何の話なのか理解できなくなる。読み終わる頃には今まで読んでいた内容を忘れてしまう…。
別の言葉に置き換えるなら『頭が働かなくなる』でしょうか。この説明だけだとどんな苦痛でどんなことに困るのか想像がつかないと思いますので、具体例として筆者の体験談をご紹介します。
筆者が好きなアニメの、しかもそのアニメで一番好きなキャラのスピンオフ小説が本棚にあるのを思い出し、「もう一度読もうっと。うつ病でつらいけど、これなら楽しい時間になるかな」と期待して読み始めました。
ですが、1度読んだ大好きな小説なのに結果はただ疲れただけ。1分も集中できず、3行目に入る頃には1行目に何が書かれていたかを忘れ、字を目で追いながらも頭の中は小説と全く関係ないことでグルグルし、無理やり読み進めるも内容は少しも頭に入りませんでした。
「インスタントラーメンの作り方」すら頭に入らなくなっちまうんだ。

そこまで頭が働かない状態ではお料理を考えて作ることなど出来るわけもなく、ある日コンビニで冷凍食品のラーメンを買いました。ですがそのラーメンは、スープと麺を別々に調理して後で容器で合わせるという、カップ麺に比べると複雑なタイプでした。
そのため『先に○○を取り出し…』『麺をこちらを上にして皿に乗せて600wで…』『スープを器に入れ熱湯を○ml入れ…』と、複雑な調理工程が書かれており、器の用意や湯を沸かす時間の計算など頭を使う場面が多く、なんとか工程を終える頃にはすっかりスープが冷めていました。
…これらはいずれも筆者がうつ病になってからした体験ですが、実は近い状態は誰もが体験していると思います。
長文や長話を受け入れられる状態じゃないことを知って、付き合ってほしい。

ちょっと思い出してみて欲しいのですが…「テストや受験などに向け家で何時間も勉強をしたとき」「ゲームを何時間もぶっ通しでプレイしたとき」「溜まってた映画やドラマを一気に観たとき」など、あなたはどんな状態になりましたか?
脳が疲れ切って頭が働かず何だかポーッとしたことはないでしょうか? うつ病の人はそんな状態がずっと続いているのだと考えていただくと、キツさを少しイメージしていただけるかと思います。
ではもしそんな状態なら、あなたなら何をされたら困りますか?
説明が長文だったり、長話をされたり、しっかり考えてするべき決断を迫られたり、複雑な指示を出されたり、約束をすべて口頭でされたり…。普段なら問題なくても、こんな状態ではされたら困ることってありますよね。
うつ病の人だって頭が働かなくて日常生活のあちこちで困っています。説明はなるべく短く、大事な決断を迫ったりせず、約束は口頭よりメールにしたりと、ちょっとだけ配慮をしていただくとお互いにストレスが少なくて済むかと思います。
著=錦山まる/『マンガでわかるうつ病のリアル』
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