「キウイ=すっぱい」は昔の話? 今はハズレなしと言える3つの理由

#食   
キウイ、すっぱいと思っていませんか?

キウイという果物にどんなイメージをもっていますか?
1980年代生まれの私(編集Y)にとって、子どもの頃のキウイといえば「すっぱい、青くさい」でした。周囲の同世代に聞いてみてもどうやら似たような記憶のよう。
好んで買うことのないまま大人になり、子どもの健康のために久しぶりに買ってみたら…甘くて柔らかくて、記憶の中よりはるかに美味しくなってる!個体差かといくつか食べてみても、やっぱり美味しい。黄色いキウイにいたっては酸味がほぼないトロピカルフルーツのようなお味。
一体キウイに何があったのでしょうか。

ニュージーランド産、ゼスプリのキウイたち

今スーパーで手に入るキウイの多くが「ゼスプリ」のシールがついたもの。この「ゼスプリ」という名前は、1997年にニュージーランドのキウイのブランドネームとして命名されたそうです。その理由は、1980年代後半にキウイの輸出業者が増えて価格競争が始まったこと。私が子ども時代に食べたすっぱいキウイは、「ビフォーゼスプリ」であることが分かります。
「アフターゼスプリ」のキウイの美味しさの秘密を、ニュージーランドで取材してきました。

美味しさの秘密その1:気が遠くなるような年数をかける品種改良

色鮮やかなゴールドキウイとグリーンキウイ

よくスーパーで見るのは、断面が緑のキウイと黄色のキウイ。それぞれ「グリーンキウイ」「ゴールドキウイ」という名前がついていて、グリーンは酸味と甘味のバランスがよくて、ゴールドは南国フルーツのような濃い甘味があります。

最近流通し始めている新種、ルビーレッド。ベリーのような風味が特徴。

最近では、断面が赤い「ルビーレッド」という品種も目にします。(ルビーレッドはベリーのような風味が特徴でこれも美味しいんです)
現在日本の市場に出回っているのは主にこの3種類ですが、ニュージーランドでは新しい品種を作るためにずっと研究が続けられています。

Kiwifruit Breeding Centreの方

遺伝子組み換えは一切せずに交配によって種を作り、木として育てて収穫して評価するというのだから、開発の時間の長さに驚きます。このようにして、たくさん収穫できて、輸送に耐えて、美味しい品種を作っているんですね。

これまで開発してきたという様々なキウイの種類。色も形も様々です

原種のキウイ。小さいけど確かにキウイです

これまでも、様々な色のもの、手でむけるもの、見た目はきれいだけど味が悪いもの、とても甘いけど熟成が早すぎるもの、辛いもの(試食したら確かに辛かった!)など多くの品種が誕生しましたが、市場に出すのに向かないものはそこで研究中止になります。
120万種類を研究した結果、ここ30年で市場に出ることができたのは、グリーン1種とゴールド2種、レッド1種の4品種だというのだから、本当に気が遠くなるようなプロセスですよね。

美味しさの秘密その2:ニュージーランドの気候と生産者の工夫

見渡す限りのキウイ農園。壁のような高い木は防風林です。

キウイ農園の多くは、ニュージーランドの中でも特に土壌と気候が良いエリアであるベイ・オブ・プレンティにあります。ベイ・オブ・プレンティは日本語にすると「豊穣の湾」。いかにもいい作物ができそうな土地名です…!
防風林に囲まれた日当たりのいい広大な敷地に、見渡すばかりのキウイの木!この日は特に天気が良く、ニュージーランドでは初秋(日本では春)ですがまるで夏のような日差しでした。
ここキウイ農園でも、美味しい果実を作るための多くの工夫がされています。

環状剥皮(かんじょうはくひ)についての説明をする農園のオーナーさん

そのうちの一つが、環状剥皮(かんじょうはくひ)。木にわざと傷をつけることで、栄養分が枝や果実に回ってより甘く大きな果実になる効果があります。
収穫は全て手作業。収穫の時期になると多くの人が農園に働きに来るのだそうです。

美味しさの秘密その3:出荷前の徹底した品質検査

生産者が丁寧に作ったキウイが収穫され、私たちの元に来るまでにも、さらに美味しさを保証するための取り組みがありました。

Hill Laboratoriesに運び込まれたテスト用のキウイ90個

まず、収穫時期が近づいた農園の区画からランダムで90個ものキウイを運びこみ、成熟度などを調べる研究所があります。

表面を削り、糖度をチェックします

スライスして乾燥させて、水分量をチェックします

果実の表面を切り取ってセンサーで糖度をチェックしたり、断面で色を見たり、スライスしたものを乾燥機にかけて水分量を調べたり、とキウイの美味しさを作る要素を一つ一つチェックしていました。しかも、90個すべての果実で同じことを行うというのだから驚きです。
こうして、収穫して問題ないと判断された区画のキウイだけが収穫されます。

パッキングされたキウイ。積み上げられた箱は圧巻!

農園で収穫されたキウイが運び込まれるのがパッキング施設。ここではキウイを形やサイズでランク分けして、パッケージに詰めています。

 これくらいの傷でも輸出対象外となります

 クラス分けされたキウイが次々流れてきます

傷があったりいびつなものは人の目と手で選り分けられて、大きくて形が丸いものが「CLASS1」として日本をはじめ海外に輸出されます。少しだけ皮がはがれたもの、少しでも変色があるものは「CLASS1」には分類されません。かなり厳しい基準に驚きました。
ちなみに、輸出には適さないと判断されたものは、他のCLASSに分類されてニュージーランド国内で流通しているそうですよ。
日本のスーパーに並ぶキウイは選りすぐりなんですね…!


今回の取材で、日本のスーパーで手に入るゼスプリのキウイは美味しさに対するたくさんの工夫を経ていることが分かりました。昔と味が違っているのも納得です!
まさにこれからがグリーンとサンゴールドがたくさん出回る時期。本当に食べやすくて栄養豊富なので、「キウイ=すっぱい」というイメージのままの方は、ぜひ一度手にとって進化を感じてみてはいかがでしょうか。

【取材・文=レタスクラブWEB編集部 編集Y】

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もっとキウイについて詳しく!
ゼスプリWEB▶https://www.zespri.com/ja-JP


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