見た目は一輪のタンポポ。実は小さな花の集合体!?/すごすぎる身近な植物の図鑑(1)

普段何気なく目にしている草木や花には、命をつないでいくためのすごい生態や、ユニークな特徴がいっぱい!
そんな面白さを教えてくれるのが、植物のガイドや写真家として活動する植物観察家の鈴木純さん。誰でも見られる身近な植物にスポットを当て、探し方から観察方法、知っていそうで意外と知らないトリビアまで分かりやすく解説。知れば植物への興味が深まる内容ばかりです。
花だけでなく、葉やタネ、根や茎にも注目したくなる、植物観察の楽しみ方を紹介します。
※記事は、関東圏で実際に観察した記録をもとにしています。地域によっては見られない植物があったり、観察する時期にずれがあるなどの可能性があります。
※本記事は鈴木 純著の書籍『ゆるっと歩いて草や花を観察しよう! すごすぎる身近な植物の図鑑』から一部抜粋・編集しました
セイヨウタンポポは小さな花の集合体!
キク科 タンポポ属
見みられる時期:3〜10月
見みられる場所:公園、道端、庭、空地
綿毛にまつわる疑問
黄色い花を咲かせ、すぐに綿毛をつけるセイヨウタンポポ(写真①~③)。綿毛をフーッと吹いて飛ばしながら、こんな疑問が出たことはありませんか?「どうしてセイヨウタンポポはこんなにたくさんのタネをつけるのだろう。花はひとつなのに」と。



疑問が出たら、どうやってたしかめればいいか考える。これが植物観察の基本。観察に正解はありません。ここではわたしなりの方法を紹介していきますが、これに縛られず自由に楽しんでみてくださいね。


もしかして、これが花?
バラバラにしたもののひとつを拡大して観察すると、なんだか複雑なかたちをしていることがわかります(写真⑤)。

先端にあるクルッと巻いている部分、ここがめしべ。そして、いちばん下の少しふくらんでいる部分(子房)が、のちにタネとなる部分です。ということは、この小さなひとつがセイヨウタンポポの花だと、考えてもいいのでしょうか。
花びらは5つにわかれ、綿毛の準備まであった
次に黄色くのびた部分に注目。先端が5つにわかれています(写真⑥)。じつはこれがセイヨウタンポポの花びらです。わかりにくいですが、めしべの下のふくらんだ部分におしべもちゃんとあります(写真⑤)。

タネの元になる子房のそばには毛があります。これは「がく」が変形した冠毛(写真⑤)で、花が終わると綿毛になります。こんなときから飛ぶ準備をしているのです。
これで、この小さいものひとつひとつが花そのものであることがわかりました。花をすべてバラバラにすると写真⑦⑧のようになります。


この花の数はなんと148個!これがそれぞれタネになるのですから、あれだけたくさんの綿毛がつくことにも納得です。
【豆知識】
セイヨウタンポポのタネやコナラのドングリは、種子に見えてじつは実です。コナラはかたい殻に覆われた「堅果」、セイヨウタンポポは種子につく果皮が薄い「痩果」です。
著=鈴木 純/『ゆるっと歩いて草や花を観察しよう! すごすぎる身近な植物の図鑑』
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