エベレスト=チョモランマ? 一つの場所で違う呼び名がある事情/すごすぎる地理の図鑑(9)

普段ニュースで見聞きする政治や経済、観光地にグルメ。実はこうした様々な情報がすべて「地理」につながっているって、知っていましたか? 地理の勉強は、地名を暗記したり地図を眺めるだけじゃないんです!
地図からわかる地域の自然環境や歴史、暮らしぶりなどは、地理を学ぶとその背景や理由、意外な事実が見えてきて、ぐっと理解が深まります。地理は「地域の謎を解くカギ」と言える、とても身近で面白い学問なのです。
世界のことが今よりもっとわかるようになる、地理のネタあれこれをお届けします。
※記事の情報は2023年3月現在のものです。
※本記事は日本地理学会著の書籍『地理がわかれば世界がわかる! すごすぎる地理の図鑑』から一部抜粋・編集しました。
ひとつの場所なのに違う地名があるのはなぜ?
ヒマラヤ山脈にある、ネパールと中国・チベット自治区にまたがる世界最高峰エベレストは、インド測量局長官を務めたジョージ・エベレストにちなんで命名されました。ネパール名はサガルマータ。この山はネパールと中国の国境にもなっていて、中国語(チベット語)ではチョモランマです。また、ドイツ南部から黒海まで流れるドナウ川は、10ものヨーロッパの国々を通る国際河川で、それぞれの国で名前があります。
このように、そこに住む人によって名付けられた地名を内生地名といい、地域住民から民族に至るまで、そこに生きる人々の間で共有される歴史的文化的遺産です。
世界には、植民地のように先住民族の土地にあとから来た人がつけた地名もあり、外来地名と呼ばれます。例えばインドの都市ボンベイは、イギリス植民地時代につけられた名称ですが、1995年に現地語のムンバイに変更されました。このように複数の呼び名にはさまざまな事情があります。
ひとつの地名も、言語によって読みはさまざま
漢字とカタカナで表記する

中国の地名は、漢字と現地の発音に近いカタカナを併記している。
日本の地名の英語表記は難しい
ローマ字の表記は、訓令式、ヘボン式など多種あり、バラバラ。

内生地名と外来地名
ほかの言語の外来地名と、現地語による内生地名の例。
地名を現地の文字を使わず表す場合は、発音の表現法などの難しい問題がある。

豆知識
同じ場所を異なった地名で呼べば、さまざまな混乱や軋轢が生じます。そのために国連では、経済社会理事会のもと地名専門家グループ(UNGEGN)を設け、ガイドラインを議論しています。
著=日本地理学会/『地理がわかれば世界がわかる! すごすぎる地理の図鑑』
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