読み手の頭の中にすんなりと入る文章とは? 「わかりやすい」言葉を使った文章の基本

難しい言葉は使わず、わかりやすい言葉に

【画像を見る】子育て中でもライターになれた!ライターという働き方に感謝
『社会人になったらすぐに読む文章術の本』 6回【全8回】


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わかりやすい言葉を使う

文章は、わかりやすい言葉で書くことが大切です。わかりやすい言葉を選んで使うと、読み手の頭の中にすんなりと入ります。読むのに時間がかかりません。わかりにくいと、読み解くのが負担になり、相手の時間を奪うことになりかねません。

わかりやすい言葉とは、

「中学生でもわかる言葉(単語)」
「日常的に使われている言葉」


のことです。新聞では「中学生でもわかるように書く」ことが記事の目安になっています。中学生を目安にしているのは、中学校までが義務教育だからです。中学校までに習った知識を持っていると想定し、中学校までに習った言葉を使って文章を書くと、多くの人にとってわかりやすくなります。

「この言葉は中学生でもわかるかな?」
「この内容をわかりやすく伝えるにはどうしたらいいのだろう」
と迷ったときには、中学生向け、あるいは高校生向けの国語辞典が参考になります。
大人向けの国語辞典よりも、わかりやすい言葉を使い、かみ砕いて説明しています。

一般の人に向けてわかりやすく書くには、難しい言葉や専門用語を使わないのが基本です。

難しい言葉はわかりやすい言葉に置き換える

広く一般の人に向けて文章を書くときには、難しい言葉は使わず、できるだけわかりやすい言葉に置き換えます。

元の文
クライアントの懸念払拭すべく可及的速やかに策を講じ、履行してください。

改善例
クライアントの心配取り除くようにできるだけ早く対策を立てて実施してください。

元の文では、「懸念」「払拭」「すべく」「可及的速やかに」「策を講じる」「履行」などの難しい言い回しが使われています。

改善例では、多くの人に伝わるように、わかりやすい言葉に変えています。わかりやすい言葉か難しい言葉かは、常用漢字一覧(文化庁のホームページに記載)に使われている漢字が掲載されているかどうかが、ひとつの目安になります。また、常用漢字であっても、「日常的に使わない言葉」は、わかりやすい言葉に置き換えます。

置き換える言葉を探したいときは、類語辞典(同じような意味を持つ言葉をまとめた辞典)を見るといいでしょう。

置き換える言葉を探したいときは…

専門用語には説明を加える

社会人になると、入社した会社の事業分野の専門知識を学んでいきます。自ずと専門用語も身につけることになります。

なじんでくると、その専門用語が「誰にでもわかる言葉」だと錯覚してしまう恐れがあります。

文章を書く際には、「自分が知っている言葉を誰もが知っているわけではない」と認識する必要があります。

専門用語を使うのであれば、説明を加えたり、わかりやすい言葉に書き換えたりします。

元の文
原稿に赤字があれば、入れてください。

改善例1
原稿に赤字(加筆、訂正)があれば、入れてください。

改善例2
原稿に直したいところや、加筆したいところがあれば、訂正してください。

例は、出版業界でよく使われる文です。

元の文の「赤字を入れる」は一般の人にはなじみのない専門用語(業界用語)です。できあがった原稿に間違いがないか読み直すときに、赤い色の筆記具で訂正や加筆をするため「赤字を入れる」といいます。

改善例1では、専門用語を生かし、説明を加えました。
改善例2では、専門用語を一般の人でもわかる言葉に書き換えて説明しています。

業界の中だけで使い、読み手が専門用語の意味がわかっていることが明らかな場合は、説明を加えたり、やさしい言葉に書き換える必要はありません。業界内でやさしい言葉に書き換えてしまうと、逆に稚拙な印象を与えかねませんので注意します。

まわりくどい表現は文意をあいまいにする

「するということ」「として」「するようにします」といったまわりくどい表現は、冗長な印象を与え、文意をあいまいにします。

まわりくどい表現は、削って簡潔な文にするとわかりやすくなります。

元の文
コスト削減をするということが必要だと思われます

改善例
コスト削減が必要です。

改善例では、「をするということ」「だと思われます」を削りました。意味が変わらず、文がすっきりしました。

日本にはもともと、表現をあいまいにする文化があります。また、文の内容に自信がないと、間接的で、まわりくどい表現になってしまう場合もあります。

※本記事は藤吉豊、小川真理子著の書籍『社会人になったらすぐに読む文章術の本』から一部抜粋・編集しました。

著=藤吉豊、小川真理子/『社会人になったらすぐに読む文章術の本』

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