国は違っても見る月は同じ。遠い異国でふるさとへの思いがあふれ出す【百人一首を覚えよう】/のびーる国語 百人一首(3)

故郷が恋しいな…

作者は農民じゃないの? 「粗末な小屋で夜露にぬれる」と詠んだ意外な人物【百人一首を覚えよう】/のびーる国語 百人一首(1)
『のびーる国語 百人一首』3話【全12話】


『百人一首』は、飛鳥時代から鎌倉時代の間に作られた和歌の中から、藤原定家がよりすぐりの百首を選んでまとめたもの。古典に馴染みがない人も、小野小町や在原業平(ありわらのなりひら)、菅原道真、紫式部といった歌人の名前なら、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

今から約800年前の歌ではありますが、恋や人生観、美しい風景を見たときの気持ちなど、歌に込められた思いは、実は現代とそう変わらないものも。また、歌人のプロフィールや時代背景なども知れば、和歌の世界がぐんと身近に感じられるはずです。当時の人の心や考えに思いを馳せながら、気軽に百人一首の世界に触れてみませんか? 

※本記事は監修/吉海直人、カバー・表紙/ブラックインクチームの書籍『のびーる国語 百人一首』から一部抜粋・編集しました。


天の原 ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも

和歌が作られた時代/飛鳥時代〜奈良時代
和歌が収められた歌集名/古今和歌集

作者 阿倍仲麿(あべのなかまろ)/698?~770年

若いころ唐(=今の中国)に留学。30数年後、日本への帰国船が難破し、唐で一生を終えた。

語句を深ぼり!

天の原=「天」は「空」の意味。
三笠の山=今の奈良県奈良市にある山。

国は違っても見る月は同じ

日本に帰してくれーっ!!

これも覚えておこう!

(とう)=618~907年にあった国。今の中国にできた王朝。
遣唐使=唐の文化を学ぶために日本から送られた使節。当時は船が難破することも多く、命がけだった。阿倍仲麿は716年に遣唐使に選ばれ、717年に唐にわたった。
今昔物語集=言い伝えられた話などを集めた書物。阿倍仲麿の話も収められている。

天の原-挿絵

遠い異国でふるさとへの思いがあふれ出す


プラスα
近畿地方では、「どらやき」 を 「三笠」「三笠焼き」 などとよぶことがあるんだ。どらやきの形が三笠山に似ているからだといわれているよ。

著=吉海直人、ブラックインクチーム/『のびーる国語 百人一首』

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