シャワーの雨の強さは1時間に6万mm!
通り雨は、「シャワーのような雨」といわれることがあります。もし本当にお風呂のシャワーの勢いで雨が降ったらどんな強さの雨なのか、調べてみました。
まず、雨量とは、降った雨が流れ去らずにたまった場合の水の深さのこと。雪や霰を融かして測ったものも含めて降水量ともいい、単位はmmです。
一方、その瞬間に降っている強さの雨が1時間続いた場合の降水量を降水強度といい、単位はmm毎時です。
アメダスの雨量計では降水量、レーダー観測では降水強度を観測しており、気象庁ウェブサイトで雨の状況を確認できます。
一般的なシャワーでは水の流れる量(流量)は1分あたり10Lで、これを10cm四方の手のひらで受けた場合、なんとシャワーの降水強度は6万mm毎時!
1時間続けば雨量6万mmで、これを体重100kgの小柄な力士で考えると、1m四方あたり6秒にひとり落ちてくるのと同じ水の重さです。
私たちがお風呂で体感しているのは、とんでもない強さの雨なのです。
雨量が1時間に50mmだと、1m四方にどのくらいの時間で小柄な力士が落ちてくるかな?(答えは最後)
光学式ディスドロメーターという降水粒子を測る機器で試したところ、降水強度は測定限界の9999mm毎時までしか観測できなかった……。
局地的大雨。このときレーダーで推定された降水強度は最大142mm毎時だった(2016年9月5日12:00)
雨の強さと降り方
豆知識
「バケツをひっくり返したような雨」は、1時間雨量が30mm以上50mm未満の激しい雨を指しています。実際にバケツをひっくり返した雨を考え、5Lのバケツの水を1秒で10cm四方に落とした場合……雨量は1時間に180万mm!?
クイズの答え:
2時間にひとり(60000㎜のときに6秒にひとりなので、50㎜の場合には(60000㎜÷50㎜)÷6秒=7200秒=2時間)
著=荒木健太郎/『空のひみつがぜんぶわかる! 最高にすごすぎる天気の図鑑』