絶滅の危機を乗り切れ! クロマグロの完全養殖はどこまで進んだのか

寿司ネタの定番でもあるマグロ。その資源がピンチに!?


お寿司の定番ネタで、お刺身の盛り合わせや海鮮丼にも欠かせないマグロ。じつは、このマグロの中でも、もっとも高級で人気のある「クロマグロ」が、絶滅を危惧されていることはご存知でしたか?

2014年には国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに加えられ、その漁獲量は厳しく規制されています。そんな貴重なクロマグロは、なんと7割~8割が日本で消費されているのだとか。クロマグロが獲れなくなったときに、もっとも影響を受けるのは、私たちの食卓なのです。

では、いつかクロマグロは口にできなくなってしまうのでしょうか? 近年、脚光を浴びた「完全養殖クロマグロ」の、現在の様子を見ていきましょう。

 

成魚に育つのはほんのわずか!完全養殖の難しさ


完全養殖のクロマグロは、2002年に近畿大学が成功させたことで話題になりました。近畿大学が、その研究に着手したのが1970年。じつに32年もの歳月がかかっています。それだけ、クロマグロの「完全養殖」が難しいということなのでしょうね。現在も量産に難題が残っていて、一番は稚魚の生存率。幼魚に育つまでが、わずか数%未満で、そこから成魚になるまでにも半数近くが死んでしまうのだとか。この課題を克服することでコストが下がり、養殖クロマグロの量産が可能になるのです。

【写真】クロマグロの完全養殖は、成魚にするまでの生存率が鍵。


 

本腰を入れ始めた大手メーカーの動向


完全養殖のクロマグロは、まず近大が2004年に初めて市場に流通させました。そこから10年以上が経った現在、水産大手や大手スーパーなどがつぎつぎに商品化しています。

2010年には、ブリの養殖を手掛けるブリミーより、近代マグロを使った「天空マグロ」が発売。2015年には、イオンがマルハニチロと手を組んで、完全養殖のクロマグロ「奄美うまれ生本まぐろ」を全国的に販売スタート。今年の11月には、水産物の加工や冷凍食品を手掛ける極洋と、配合飼料のトップメーカー・フィードワンの合弁会社より、完全養殖マグロ「本鮪の極 つなぐ<TUNAGU>」が発売されます。

完全養殖マグロは、まだ大手メーカーが本格的に着手して、3年も経っていない新しいビジネスです。すぐに現在の本マグロ流通量を完全養殖に切り替えることは難しいのですが、近い将来は国内の年間流通量の数%を完全養殖でまかなえるという見通しもあります。限りある資源のクロマグロを消費せず、食卓においしいマグロのお刺身が並ぶ時代が来るといいですね。

 

【関連レシピ】まぐろのカルパッチョ風


マグロを薄く切って、おしゃれに盛り付け。イタリアンな食卓に。

【関連レシピ】まぐろのカルパッチョ風


<材料>(2人分)

まぐろ(刺し身用)…1さく(約100g)

玉ねぎのみじん切り…少々

ルッコラ、バジルなど好みのハーブ…適量

レモン汁…適量

・塩、こしょう、オリーブ油

<作り方>

1.まぐろは水けをふき、薄いそぎ切りにする。器にきれいに並べ、軽く塩、こしょうをふる。左手を添えて、刃元から刃先までを使って引いて切る。最後は刃を立てて切るときれいに。

2.ルッコラは冷水に放してシャキッとさせ、水けをよくきって、食べやすくちぎる。1のまぐろを平らに並べた上に玉ねぎ、ルッコラを添える。食卓で、オリーブ油、レモン汁をかける。

 

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