プロの料理人も求めるおいしさの秘密が凝縮!「白だし」の元祖、七福醸造の工場見学
卵焼きや茶わん蒸しに入れれば、たちまちプロのような味に仕上がる「白だし」。時短で味が決まることから、愛用されている方も多いのではないでしょうか。
その白だしを日本で初めて作ったのが、1951年に白しょうゆ専門の醸造会社としてスタートした七福醸造。白しょうゆを専門に作っているのは全国でもここだけ。そんな同社の工場は「ありがとうの里」と呼ばれ、あっと驚くようなこだわりが詰まっていると話題です。工場見学スポットとしても大人気の「ありがとうの里」に、レタスクラブWEB編集部が行ってきました。
本物の材料から作られる七福醸造の「有機白だし」
七福醸造で作られている「白だし」は、日本で唯一、有機JAS認定された七福醸造の「有機白しょうゆ」に、厳選された素材からとっただしを合わせて完成します。
白だしのベースとなる白しょうゆは、しょうゆ類の中でも最も淡い色のしょうゆのことを指します。濃口しょうゆが小麦と大豆が半々の割合で作られているのに対し、七福醸造の「白しょうゆ」は大豆1に対して小麦9と、原材料のほとんどが小麦のため、甘みが強いのも特徴です。
今回の工場見学では、七福醸造の製造工程を最もよく知る犬塚社長からお話を聞くことができました。
▷お話を伺ったのは…
七福醸造株式会社 犬塚元裕社長
1974年生まれ。高校卒業後、海外留学を経て1996年に七福醸造株式会社に入社。工場での製造や営業部での経験を積んだのち、2011年5月より代表取締役社長に就任。料理人の声から誕生した白だしを一般家庭にも広めるため、日々奮闘中。
塩にもこだわり抜いた素材選び
工場に入ってまず目に入ったのが天日塩(てんぴえん)と呼ばれる塩。汲み上げた海水を太陽の光だけで乾燥させて作るため、一般的な塩に比べてミネラル分が豊富で味のバランスもいいのが特徴。七福醸造では「白しょうゆ」の製造過程でこの天日塩を使っているそうです。
犬塚社長「数十種類の塩を気の遠くなるような回数をかけてテストしたあと、選んだのがこの天日塩でした」
__塩としてのクオリティが高いから使っているのでしょうか?
犬塚社長「重視したのは『白しょうゆ』に仕上がったときのおいしさです。いろいろとテストしてみて、一番おいしい白しょうゆに仕上がったのがこの天日塩だったんですよ」
機械にもこだわり満載! 創業当時の味に近づけるため採用されたタンク
次に圧倒されたのは白しょうゆの仕込みタンク。
工場内には高さ6mの深層醗酵タンクが4本並んでいて、中には小麦と大豆が入っているそう。小麦が発酵するとき特有のいい香りが漂います。
犬塚社長「白しょうゆの発酵は、約20年前まで創業当時の木桶で行っていたんです。手作業なので大変ではありましたが、やっぱり木桶で作った白しょうゆはおいしいんですよ。深層発酵タンクに替えたのは、衛生面での利点に加え、研究を重ねることで木桶で作ったときの味に限りなく近づいたという実感があったからです」
__工場に置いてある創業当時の木桶を拝見したんですが、桶の周りに巻かれている竹のタガに歴史を感じました。
犬塚社長「木桶はいまはフォトスポットになっていて、七福醸造の前かけをつけて一緒に写真が撮れますので記念にどうぞ!」
__深層発酵タンクにはすべて「ありがとう」の文字が書かれているんですね。
犬塚社長「本社工場を『ありがとうの里』という名前にしたのは、なにごとにも『あたりまえ』をなくして『ありがとう』という言葉を大切にしたい、という創業者の強い想いがありました。製品を入れるためのボトルやキャップが手に入ることも、製造するための機械があることも『あたりまえ』ではないんですよね。機械と材料すべてに感謝する気持ちを忘れないよう、タンクにもありがとうの文字を入れています」
__工場にある機械がすべてピカピカなのも、関係があるんでしょうか?
犬塚社長「機械はすべて、毎日スタッフ全員で磨いています。もちろん、食べ物を作っているので衛生管理の意味合いもありますが、対象が機械であっても感謝の気持ちを忘れてほしくない、という創業者の想いが引き継がれたものです」
低温でじっくり引き出した小麦と大豆のうまみ
七福醸造の「白しょうゆ」の仕込み期間は約半年~1年。一般的な白しょうゆの醸造期間は3か月程度だと言われていますが、七福醸造では、あえて低温にして通常より長い期間をかけて熟成させているそうです。それにより、淡い色のままうまみを最大限に引き出した白しょうゆができあがります。
さらに、しょうゆの製造過程で一般的に行われている圧搾(熟成した後の原料からしょうゆを搾り出す作業のこと)をしていないのも特徴です。
犬塚社長「タンクから自然に流れ出るしょうゆのみを製品にしているので、圧搾すると出てきてしまいがちな雑味やえぐ味が少ないんです」
__以前、白しょうゆを試飲させていただいたときに、余分なものが何も入っていない、クリアなおいしさを感じたんです。その理由は「圧搾しない」ことにあったんですね。
犬塚社長「圧搾したほうが、最終的に採れる量が2、3割増えるので効率はいいんですが、やはりおいしさにこだわってこの方法を選んでいます」
__効率といえば、七福醸造さんは白しょうゆ以外のしょうゆは作っていないんですか? 同じしょうゆなら、一緒に作ったほうがコスパがよさそうに思えるのですが……。
犬塚社長「白しょうゆはとても繊細で、麹の影響を受けやすいんです。しょうゆは種類ごとに使う麹が異なるため、同じ工場で複数の種類のしょうゆを作ると味に影響が出てしまう。そのため、白しょうゆのみを作り続けています」
こだわりの白しょうゆから作られる、唯一無二の「白だし」
こうして、おいしさを極限まで追求して七福醸造の「有機白しょうゆ」はできあがります。白だしは、この白しょうゆにだしと塩、そして三河の本みりんを合わせるのですが、だしの原料である素材にも七福醸造ならではのこだわりがありました。
__かつお節にどんこ、これがだしの原料ですか? もう見た目から立派で、だしを取るためだけにはもったいない気もしてしまいます。
犬塚社長「かつお節は鹿児島県枕崎市産の『本枯れ節』。どんこはシイタケの名産地である大分県から取り寄せたものです。品質は一級品のものばかりではあるんですが、高級であればそれでよしというわけではないんです。だしは関東、関西で好みがわかれることが多く、その塩梅が難しいですが、白だしとして完成したときにもっともおいしくなる材料、配合を目指した結果、こういうラインナップになったんですよ」
__そうなんですね。製造工程も原材料選びも、おいしいものを作り上げるというその一点のみを目標にしていることがひしひしと伝わってきました!
普段の料理もワンランクアップ! 「白だし」を使った試食で感動
工場見学の後は売店に戻り、七福醸造の製品を使ったレシピで作られた試食品を食べさせていただきました。この日のメニューは「白だしのお吸い物」「玉子焼き」「きゅうりの白だし漬け」。それに加えて冷たいお水で割った白だしも出していただきました。
__玉子焼きは白だしの風味が生きていて、味に深みがありますね! 絶妙な甘味がくせになりそうです。白だしで漬けたきゅうりの浅漬けもしっかり味がついていてとてもおいしいです。漬けておく時間が5分とは驚きです。時短で完成するとこもいいですよね。
犬塚社長「そうなんです。白だしに野菜を漬けるだけでおいしくなるということで、お料理の苦手な方でも買ってくださる方が増えています」
__七福醸造の「もの作りの基準は、自分の子どもや孫にとって『よいものかどうか』」という企業理念からは、本当にいいものを作りたいという熱意が伝わってきます。忙しい毎日のなかでも、作る料理には調味料も素材本来の味を存分に生かしたものを使いたいですよね。しかもそれが時短につながれば最高です!
犬塚社長「白だしを作り始めたのは、ホテルの板前さんから白しょうゆにだしを入れたものを依頼されたことがきっかけなんです。板前さんからなかなかOKが出ず、作り方も原料もずいぶん試行錯誤したそうで……。そのころもいまも、おいしさをひたすらに追求している姿勢は変わりませんね」
__七福醸造さんのもの作りへの姿勢を拝見して、おいしさの理由がよく分かりました。商品に精通したスタッフの方々がいろいろな食べ方を提案してくださったので、これから試すのが楽しみです!
* * *
七福醸造の「ありがとうの里」には、日本で唯一の「白しょうゆ有機JAS認定工場」「白だしの元祖」としてのプライドと、安心安全への想いがあふれていました。
プロの料理人の声から誕生した「白だし」と、その礎となった「有機白しょうゆ」。原材料や製法にこだわって作り上げられる上品な香りとおいしさを、ぜひ家庭の中でいろんな料理に使ってみたいですね。
文=山上由利子/レタスクラブPR
Information
愛知県碧南市山神町2-7
営業時間 9:00~16:00 (入場は15:00まで)
休み:年末年始・お盆休み
※HPからの事前予約がおすすめです。詳しくはこちら
https://www.7fukuj.co.jp/consumer/arigato_sato/
▼「白だしの元祖」七福醸造株式会社のホームページはこちら
「白だしの元祖」七福醸造株式会社
▼今回紹介の「有機白だし」の購入はこちら
「有機白だし」
▼七福醸造の製品をもっと詳しく!オンラインショップ公式サイトはこちら
七福醸造 通販サイト「味とこころ」
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