「子どもの教育費を貯めるなら学資保険」は、正解?不正解?
子どもの教育費は1人1000万円必要といわれています。ということは、小さいうちからしっかり貯めておかなくては! そこで、教育費=学資保険と思われがちな、学資保険についてファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんに教えてもらいました。
学資保険のQ&A
Q. やっぱり教育費を貯めるときにはこれでしょ!?
A. 最近の学資保険は予定利率が下がって元本割れするリスクがあります。
超低金利の影響で、生命保険で最初に約束される予定利率(将来支払われる予定の運用利回り)もかなり低くなっています。
教育費を貯めるために学資保険に入っても、元本割れする可能性があるのです。加入するなら少しでも増えるものを選びましょう。
ここに要注意!
●ほとんど増えないうえに元本割れすることも
学資保険は、加入するときに決まっている予定利率で満期まで運用する保険です。今は超低金利なので、商品によってはほとんど増えないばかりか、払った保険料より戻ってくるお金のほうが低くなる可能性があります。
●途中でやめると損をすることも
学資保険は、加入期間の途中でやめると払い込んだ保険料より戻ってくるお金のほうが少なく損になることがあります。途中で保険料を払えなくならない程度の金額で、最初から保険料を設定しておくことがポイント。
●引き出せる時期が限定されている
学資保険は満期金が出るのが18歳の満期日など、引き出せる時期が限られています。私立中学や高校に行く場合には、学資保険の満期金は使えないので、ほかの方法で別にお金を貯めておく必要があります。
学資保険を考えるなら?
<加入中の人は…>
●元本割れしないかどうか確認してから継続を決める
学資保険のいいところは、強制的に積み立てができて、子どもの教育費以外には使いにくいところ。すでに学資保険に加入している人は、払った保険料に対してどのくらいの満期金が戻ってくるのか確認しましょう。
途中でやめると損をしてしまうことが多いので、多少損をしてもやめてほかの方法で貯めるのか、このまま保険料を払い続けるのかを考えましょう。続ける場合は、満期金などがいつごろ受け取れるか確認を。
<これから加入する人は…>
●払い込む保険料と満期金を比較して元本割れしないものを探す
これから学資保険に入る人は、加入期間中に払い込む保険料の総額と満期金など戻ってくるお金の総額を比較して、できるだけ多く戻ってくるものを選びましょう。
加入時の子どもと保護者の年齢や加入期間、保険料の払い方などで返戻(へんれい) 率(どのくらい戻ってくるか)は違ってきます。数社の学資保険を比較して、その中でいちばん増える保険を選びましょう。
わたしたちの親の時代とは、金利がまったく違っています。ジィジバァバたちの「教育費は学資保険で!」のアドバイスを頭から信じ込んでいるとキケンかも。加入中の人は、元本割れしないかどうか、早速チェックを!