【すごすぎる音楽の図鑑】超びっくり! 億単位の値段にもなるヴァイオリンの価値(9)

○億円のヴァイオリン!超びっくりなお値段とその価値

【すごすぎる音楽の図鑑】口伝でしか継承できなかった音楽。世界最古の楽譜はどこに記された?/すごすぎる音楽の図鑑(1)
『音のひみつがすべてわかる! すごすぎる音楽の図鑑』 9回【全10回】


音楽の世界ってこんなに豊かで奥深い!

音楽の起源や楽譜の読み方など、意外と知っているようで知らないことって多いですよね。
そんな楽器を習っていない子どもや大人でも楽しめるような知識を、日本でいま注目されているピアニスト・指揮者の反田恭平さんと、奈良を中心に活動する楽団「ジャパン・ナショナル・オーケストラ」が教えてくれます。

単なる楽器や作曲家の紹介にとどまらない、現役の演奏家ならではの感性を取り入れたトリビアをぜひお楽しみください!

※本記事は反田恭平(監修)、ジャパン・ナショナル・オーケストラ(著)の書籍『音のひみつがすべてわかる! すごすぎる音楽の図鑑』から一部抜粋・編集しました。


○億円のヴァイオリン!超びっくりなお値段とその価値

ストラディヴァリウスは、アントニオ・ストラディヴァリというイタリア・クレモナの楽器職人が作った楽器のことで、ヴァイオリンを中心にチェロやヴィオラなど合わせて1000挺(ちょう)以上の弦楽器を作りました。現在残っている楽器は約600挺といわれています。

その値段は億単位になるものも。技術が発達した現代の職人が試行錯誤しても、ストラディヴァリウスの音色には敵いません。ヴァイオリンは現在でも手作業で作られていて(最近は機械で作られたものもあり)、伝統的な製法だと1挺を作るのに約1年かかります。

しかも、何十年も乾燥させた選りすぐりの木材からしか作れません。楽器になってからも木は呼吸をして生きています。湿度や温度を管理して保管されながら、数百年にわたって演奏され続けることによって、音の深みや輝きを増していきます。不思議ですが、しばらく弾いていないだけでも音が悪くなってしまうそう。毎日楽器を弾くことも大事です。

アントニオ・ストラディヴァリってどんな人?

アントニオ・ストラディヴァリってどんな人?

▶初期
弦楽器制作者ニコロ・アマティの工房で修業。名器とされた「アマティ」の影響を受けた作品が多い。

▶中期
1660年代後半から独立、工房を構える。独自のスタイルを確立。

▶黄金期
理想的なバランスを実現。この時期に製作された楽器が、最も高い評価を受けている。

▶晩年
装飾は控えめだが、職人としての技術が楽器に堅実に発揮された時期。

ストラディヴァリウスの価値が高い理由

・昔から希少価値が高く、王侯貴族によって貴重な財産として受け継がれてきた。

・600挺ほど現存しているが、その多くは博物館や財団が所有していて、実際に市場に出回る数が極めて限られている。

・地球の気候の関係で17世紀に目の詰まった上質な木材が採れた。

・ヴァイオリンは時間が経つほどによい音がするため、偉大なヴァイオリニストが何代にもわたって弾き継いできたことで一層価値が上がった。

・楽器の装飾が美しく、芸術品としての価値がある。

▶レディ・ブラント
約1590万ドルで落札された(当時のレートで約12億7420万円)

○億円のヴァイオリン!超びっくりなお値段とその価値

黄金期の作品。東日本大震災の支援のために売却された。

豆知識

世界三大ヴァイオリンといわれる「ストラディヴァリウス」「アマティ」「ガルネリウス」は、すべてイタリアのクレモナという地で製作されました。イタリアが最大の産地であったことがわかります。

監修=反田恭平、著=ジャパン・ナショナル・オーケストラ/『音のひみつがすべてわかる! すごすぎる音楽の図鑑』

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