娘をブス呼ばわりして婚活の邪魔をする毒親。結婚相談所の仲人が語る婚活現場のリアル

結婚相談所を舞台に、婚活に一喜一憂する人々の姿を描いたマンガ『本日はご成婚なり!』。毒親の支配から抜け出せずに苦しむ女性や、伴侶を亡くした後に新たな一歩を踏み出す女性など、多彩な登場人物が登場します。この作品では主人公のアドバイザー・愛美が奮闘しながら相談者に寄り添う姿を通して、婚活の舞台裏を紹介してくれます。
原案になったのは、SNSでも人気の結婚相談所「結婚物語。」の公式ブログ。数多くの結婚希望者を見てきたプロだからこそ書ける、実際に出会ったリアルなエピソードや、プロならではのアドバイスが作品のベースになっています。この人気ブログを執筆する仲人Tさんに、『本日はご成婚なり!』について話を伺いました。
『本日はご成婚なり!』あらすじ

主人公・相田愛美はコトブキ結婚相談所でアドバイザーとして働いています。今日の相談者は薬剤師として働く優子さん。一緒に来た母親は本人の眼の前で「この子ったらクズで」「こんなブス」など、娘のことを悪く言います。愛美は「毒親だ…!」と母親に腹を立てますが、怒りをこらえて優子さんが幸せになれる相手を探すことを誓います。

プロフィール写真の撮影の日、愛美は優子さんが真っ黒の喪服のようなワンピースを着て現れたことに驚きます。なんでも優子さん自身は愛美のアドバイス通りにピンクのワンピースを選んだそうですが、母親が「信じられない」「男に媚びようなんて恥さらし」などと言い、黒い服に着替えさせたそうです。

それでも愛美は機転を利かせ、ヘアメイク担当者と相談し、メイクや小物、ヘアスタイルなどで華やかに見えるようにと工夫をこらして、彼女の美しさを引き出した写真を撮影します。

そうしてプロフィールを公開したところ、お見合い依頼が殺到。しかし母親は希望者の条件を見て次から次へと反対していきます。愛美はついに「勝手に決めないでください」ときっぱり言い放ち、母親を制止。優子さんは自分の意思で選んだお相手とお見合いすることになりました…。
原案・「結婚物語。」仲人Tさんインタビュー
――主人公・愛実の仕事への姿勢が前向きで気持ちがいいですし、彼女の成長も作品の見どころかなと思います。愛実というキャラクターについてどんなふうに読みましたか?
仲人Tさん:最初にお話をいただいた時「主人公は私がモデルになるの?大丈夫かな?」と不安だったのですが、全く違うまともなキャラで出てきてホッとしました(笑)。言うべきことは言うけれど愛情があって、まっすぐで、とても素敵な人だと思います。

――本作ではいろいろな女性たちがコトブキ結婚相談所を訪れます。1話目から、実の娘を“ブス”よばわりする“毒親”の母の言いなりになってしまう女性の話で目が離せなくなりました。このエピソードについて感想をお伺いしたいです。
仲人Tさん:親の顔色を窺って、親に逆らわないように生きてしまう。毒親育ちだとそれが身についてしまっているんですよね。小さいうちは親から見放されたら生きていけないから。でも、大人になったら親離れしていいし、自分の人生は自分が決めていい。原作で伝えたかった事をしっかり描いていただき、とても嬉しかったです。

――優子さんのプロフィール用写真撮影のときには、アドバイザー・愛美のプロの技でピンチを乗り切ります。このようなアドバイザーならではのプロの技を1~2つご紹介していただけますでしょうか。
仲人Tさん:お金がかからずすぐできるのに、あまり皆がやっていないことで言うと、「別れ際に相手をずっと見送る」ですかね。相手が視線を感じて振り向いたら笑顔でお辞儀。女の子なら手を振ってもいいですね。これは結構好印象です。

――優子さんのエピソード以外では、夫に先立たれた50代女性・神崎さんのエピソードが印象に残りました。遺産もあり特に金銭的に困っているわけでもない神崎さんは、子どもたちに強く勧められて結婚相談所へやってきましたが、夫のことが忘れられないという罪悪感がある…という話ですが、このエピソードの感想を聞かせてください。
仲人Tさん:弊社は比較的会員数が多い相談所なので、 離別・死別したバツイチさんもそれなりにおられますが、やはり、その状態で婚活を始める方は「なんだかんだいって結婚はいいものだ」という思いがありますよね。
一方でまだ前のパートナーを引きずっている方もいて、新しい人と出会いたいけれど、前の人に気持ちが残る時もあると思います。それでも、その引きずる気持ちが消えるくらい、しっくり来る人との出会いがあるんですよね。このエピソードに登場する神崎さんも、お子さんたちからの後押しもあって、素敵な方に出会えて良かったと思いました。

* * *
『本日はご成婚なり!』には、結婚という人生の一大イベントを期に、本当の自分を見つめなおす人々の姿が描かれています。作品を通じて「婚活の現場のリアル」に触れてみてはいかがでしょうか。
取材=ナツメヤシ子/文=レタスユキ
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